売れる化粧品、ヒットする化粧品はどうすればできるのか?これはよく質問されることです。化粧品を販売したいオーナー様にどういう化粧品を販売したいのかを聞くと「誰でも使える、誰にでも売れるもの」というお答えが多いです。実は一番売れない商品がこの「誰でも使えるもの」です。
例えば、お肌の悩みは様々な種類が考えられます。シミやシワで悩む高年齢の方もいれば、ニキビで悩むティーンズもいます。ここで「シミとシワとニキビに効果的なスキンケア」商品を販売するとします。その商品は明確なコンセプトがわかりにくいため、お客様は「私向けの商品」とは感じてもらえません。化粧品のコンセプトは「誰でも」ではなく「私のため」と感じてもらえないと売れないのです。つまり、ピンポイントで効果訴求する商品でなくては、お客様の心に響かないということです。
ここで考えなくてはいけないのが、ターゲット設定です。特に誰に買ってもらうかのターゲット分析をして仮説を立て、策定をします。そして、どのチャネルで買ってもらうのか?そのターゲットはどのような内容の広告や販促を打てば買う気になってくれるのかを策定します。
ターゲット設定をしたら、次に考えるべき5つのポイントがあります。「マーケティングミックス5P」というものです。
1.Product (製品=商品政策)
2.Price (価格=価格政策)
3.Promotion (販売促進=プロモーション政策)
4.Place (販売ルート=流通政策)
5.Package (商品包装)
この5つのポイントを押さえた商品企画をすれば、設定したターゲットの心に響く商品を企画することができます。
例えば、ターゲットを「ニキビで悩む中学生」とします。Productはニキビを防ぐ医薬部外品。Priceは中学生が買える(親御さんが買える)価格帯。Promotionは中学生が見る雑誌やTV番組、WEBなどの広告。Placeは身近なドラッグストアやコンビニ。Packageは効果がありそうな清潔でシンプルなデザイン…というようにターゲットが決まれば、おのずとターゲットに合ったコンセプトの商品が出来上がります。
「誰でも」ではなく、ターゲットを絞って商品企画をすることをお勧めします。
知財の観点から「マーケティングミックス5P」の中で、
1.Product(製品=商品政策)
についてお話します。
どのような機能の、どのような製品をどのように付加価値をつけて自社製品として強みをだしていくかの戦略を意味します。今や、消費者も美容に関する知識や情報をたくさんもっていますので、開発サイドも様々な知識を要求され、マーケティングも重要です。例えば、自社商品と競合となる技術や成分はどのようなものがあるのか?といった調査をしてみたい場合、「特許情報プラットフォームJ-Platpat」(独立行政法人工業所有権情報・研修館)というサイトがあります。
初心者にとってはこの分野の調査は難しそうに感じますが、調べてみたいキーワードを入力すると、結果がでてきますので、それほど難しくはありません。
たとえば、「にきびのための化粧品」について、他社がどのような成分を使っているかを調べたい場合、
・検索キーワードとして、「にきび 化粧品」と入力します。
・検索結果がでます。
これは、公開特許公報※の文章の中に「にきび」や「化粧品」というワードを拾っていった結果ですので、調査したい情報とは違う情報が含まれることがあります。
例えば、この中で、A社の「皮膚外用剤」に関する特許情報をみてみましょう。
「要約」の箇所をみますと、
大体何についての内容かがわかりますね。
主にトラネキサム酸を使用し、肝斑やシミ、外傷やにきびなどの色素沈着を予防する皮膚外用剤です。これは、公開が平成22年でありますから今から8年前。出願されたのはその2年前あたりでしょうから、研究はもっと前からされていたと予想されます。
※文章内のロゴおよび画像は、「特許情報プラットフォームJ-Platpat」(独立行政法人工業所有権情報・研修館)からの抜粋となります。
このように、特許は出願から1年半あたりから、公開されますので、最新の成分や技術情報とはいきませんが、商品化されたあたりの他社情報をかなり詳細に調べることができます。
大手企業は大体は権利化していますし、ヒット商品や注力商品なども権利化されておりますので、貴重な情報がここにあるのです。
また容器のデザイン・・・意匠、商品名やロゴ・・・商標で調べることもできます。意匠や商標などは、他の業界の情報も参考になったりしますので、ぜひご覧になってはいかがでしょうか?
特 許 情 報 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム
J - P l a t p a t
出願から1年6ヶ月が経過して公開された特許出願の情報になります。実際に出願を検討されていらっしゃる場合は、出願されたい内容が、先行技術として公開されているかを詳しく調べる先行技術調査を特許事務所などにお願いすることをおすすめします。それは特許権だけではなく、意匠権(デザイン)や商標権(ネーミング)についても調査依頼することはできます。
公 開 特 許 公 報 ※
出願日から1年6ヶ月後に特許出願の内容を公開した公報です。審査前・審査中の出願、拒絶された出願、特許取得済、特許消滅したものが対象になります。J - P l a t p a tで、各案件の出願状況を確認することができます。
ス ト ッ ク 商 標
ストック商標とは、直近で使用予定はないが、将来の商品名やサービス名の候補として、また、他社にライセンスや譲渡を目的として登録した商標です。
ご存知のように、商標は、出願してから登録までに6ヶ月程度かかります。また、商品開発時に考えたブランド名が、既に他社が登録しているので使えないと調査で知ることがあります。
特に化粧品の分野では、ブランドイメージとして使える範囲が比較的狭いため、(似通った商品名になりやすいため) 候補とした商標が他社の登録商標と同一・類似となるケースが多いです。
私の経験で、化粧品名として候補に挙がった10件以上の商標を調査したところ、全て他社の登録商標と類似であったこともあります。
そのため、自社のブランドイメージに合う商標案を事前に考え、調査をして登録の可能性が高い場合は、ストック商標として出願して登録をしておくことがあります。
例えば、資生堂は、日本だけでも7000件以上の登録商標を持っていますが、実際に使用しているのは一部です。
化粧品・健康食品会社運営専門
経営コンサルタント
株式会社ビューティラボ
模倣品や海賊版対策なら
模倣防止協会
知的財産が会社を強くする
IPP国際特許事務所
セミナー情報
【内容】
美容ビジネスコンサル×弁理士~専門家だけが知っている
販売チャネル別戦略が売れる商品をつくる秘訣
【日時】
2018年2月8日(木) 13:00~14:00
【会場】
東京ビッグサイト会議棟6F
(第3回プレミアムビューティー・ヘルスショー2018)
セミナー詳細はこちら
https://www.e-expo.net/event/2018/02/
seminar20180208.html