2006年も終焉を迎え、新しい年がやってきます。
「初笑い」など、お正月の特番がテレビ欄を飾っていますが、今回は、笑いの効用を検証してみましょう。
人が怒るとき、次第に声が大きくなります。
自分が発する声に刺激されて、怒りが増長した経験はありませんか?
人は悲しいとき、泣いたりもします。
涙がポタリと落ちるのを感じて、余計に悲しい気持ちになったことはありませんか?
私たちは感情や体調など、自分の内的な要因が表情や仕種、行動などに現れることを体験的に知っています。 そして、表情や仕種、行動など、外的な要因が、感情や体調の変化を誘発することを、経験として知っています。 例えば、ちょっと調子が悪いなぁ、と計った体温計の、38度の数字を見た途端、も う駄目だ・・・とぐったりしてしまう、とか。
この状態は 「顔面フィードバック」、正しくは「顔面フィードバック効果」と言われるのですが、耳にされたことはありますか?
私たちは嬉しかったり、楽しかったりすると、ニコニコ笑います。
目や耳、鼻、口、皮膚などの感覚器官に入った「嬉しい」「楽しい」という情報が 脳に伝えられ、
脳の指令で顔の筋肉が動き、これで「笑顔」がつくられます。
さらに、この顔の筋肉の動きは、再び脳に伝達され嬉しい感情が増幅されます。
脳からの情報で筋肉が動かされ、筋肉の動きが再び脳を刺激して・・・・これが繰り返されると、
どちらが始めで終わりなのか、入り口と出口はどちらなのか、・・・・・と言う状態になるわけです。
つまり、楽しくないけれど、とりあえず「笑顔」を作ったり、
声を立てて笑ってみることにより、本当に嬉しい!楽しい!気持ちになってくるのです。
これをが研究者の間で「顔面フィードバック効果」と呼ばれており、
「笑い」によって心身がリラックスし、免疫力 が高まるのだそうです。
脳と表情筋の場合、両者をつなぐのは神経。
恋をするときれいになる・・・きれいになると恋心が芽生える(?)これをつないでいるのは何でしょうか?
お化粧をすると、気合いが入る・・・気合を入れるためにお化粧をする。これをつな いでいるのは何でしょうか?
なんとなく「ホルモン」や「神経」というリアルな言葉だけでは
説明しきれない「何か」があってほしい気がします。
鏡を覗いてお化粧をして、きれいになる、
魔法のような、魔術のような・・・・・まやかしのような・・・・・。
蛇足ですが、超一流のアスリート達の表情にも是非注目してみてください。
顔面フィードバックをフル活用しているはずです。
穏やかな笑顔で競技に望むことにより、全身がリラックスして筋肉の持つ能力を最大限に発揮する・・・・・・・。
選手のイメージ向上にもつながり、ヒーローになる。
「笑う角には福来たる」
屈託のない微笑みは、本人ばかりか、周りの気持ちも明るくします。
古人の言うとおり、笑顔の持つ効果は、絶大なようです。