化粧品制作を志す人が知るべきものの一つに、「薬事法」という法律があります。 これは幾度もの臨床試験を経て安全性を確認した「薬剤」と、それ以外のものとを区分するために定められているもの。 面倒くさいと思う前に、自分の制作するものがどれだけ社会的責任を負っているかを振り返ってみてください。
薬事法とは、医薬品、医薬部外品、化粧品等の品質、有効性および安全性の確保等を目的とした薬事に関する基本の法律です。ここで医薬部外品や化粧品は、医薬品とはっきり区別され、表示等についての規則が定められており、化粧品は『人の体を清潔にし、美化し魅力を増し、要望を変え、または皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、体に塗擦、散布、その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの』(薬事法第2条第3項)と定義されています。医薬品であれば何年もかけて治験や臨床試験を繰り返し、安全性を確認した上で商品化されますが、化粧品は医薬品ほどの慎重なプロセスは経ていません。
いくら効果があったように見えても、人の体に影響を与えないものというのが本質にあるため、品質に関しての紛らわしい表現は禁じられているのです。
また化粧品に使用可能な成分を定めているのもこの法律です。製品の内容や広告表現等について不安が残る人は、各都道府県の担当部署で相談を受け付けてくれますから、問い合わせてみると良いでしょう。
化粧品づくりに関連するその他の法律
容量や内容物の公正な表示を定めた「景品表示法」など、「薬事法」のほかにも知っておかなければならない法律はたくさんあります。
例えば通信販売やインターネット通販をする人は販売者の表示を規定した「特定商取引法」などは必須。
また法律ではありませんが、ブランドをつくる際に重要な「商標登録」、広告PRの際に必要な「著作権」「肖像権」「知的財産権」も、解説本などに目を通しておく事をおすすめします。さらにここ数年話題になっているのが「個人情報保護法」。これから商売を始める人には、特に意識してもらいたい法律です。
1.<×>身体に何らかの影響を与える表記は化粧品では不可 2.<×>医療関係者がメディアに登場して個別の商品を推薦することは不可 3.<×>肖像権侵害で不可 4.<×>著作権侵害で不可 5.<○>「肌を整える」「肌をひきしめる」等の表現は使用可 6.<×>たとえ間接的にでも、体に何らかの影響を与える事をにおわす表現は不可7.<×>ビタミンであっても効能効果表現は不可 8.<○>事実に基ずくものならこの表現は可 9.<×>「特許」に関する表現は、消費者に特別良い製品であるかの誤認を与えるおそれがあるから不可 10.<×>最上級表現は不可