ネーミングとともに、商品のイメージを決定づける「容器及びパッケージのデザイン」。 コンセプトにそったデザイン、容器の素材選びももちろん大切ですが、商品の成分によっては、使用できる素材やボトル色などが限られてくる場合もあるので、プロとの綿密な調整がキーになります。
パッケージデザインは、商品イメージを明確化する「顔」です。どんな人にどんなふうに見られたいかと考えるのはコンセプト・ワークと同じですが、容器決定の際、中の成分を念頭に置いた上で選ばなければならないところに、デザインだけで決められない難しさがあります。
たとえばクレンジングオイルにポリエチレン容器を使用したいと思っても、オイルの成分によってはポリエチレンの可塑剤(ポリエチレンを加工できるよう加える物質)を溶かし、容器を変形させるものがあります。
また、ビタミンCが配合された化粧品の場合、商品の変質を防ぐため容器は着色されたものでなければなりません。プラスイオンの界面活性剤が用いられたヘアートリートメント剤とスチロール性の容器の相性が悪いことも、以外に知られていないもの。これらはすべて、研究とノウハウの積み重ねなしには、判断できないことなのです。
容器選びひとつとっても、このようにデザインという枠を超えた部分で、知識として知っておかなければならないことがたくさんありますから、経験と実績が豊富なプロと相談しながら制作することをおすすめします。
こんな成分、こんなテクスチャーのものは注意!
世の中には多種多様の化粧品の容器が存在しますが、それらはすべて、中身の成分や粘度とのマッチング、品質保持力等を考慮して採用されています。例えば、粘度を例にとってみると、ジャータイプの容器を希望しても、中身が化粧水のように粘度の低い物では不可能です。逆にクリーム状のものをミストボトルやエアレス容器に入れても、すぐに詰まってしまって使えなくなるでしょう。
また流通形態を考えると、希望している容器を使用できない場合もあります。どこまでが可能でどこからが不可なのか、その線引きもやはり、プロでしか判断できない事なのです。