女性にとって「美」というのはいくつになっても追求し続けるものだと思います。当クリニックではアンチエイジング外来も受け付けていますが、90歳の女性が、プラセンタ注射を受けに来るんですよ。杖をついて来院して、杖なしで帰っていかれます。情報は、テレビや井戸端会議などで収集しているようですね。キレイであり続けることは、生きることの活力にもなりますから、医学的にも効果が期待できますし、素晴らしいことだと思います。アンチエイジング外来は、そうしたことをサポートする役割も担っていると私は考えています。
だからこそ、そうした目的で来院される患者様にはしっかりと認識してもらわなければいけないことがあります。例えば、患者様の目的で多いもののひとつであるダイエットの場合、その処置のために薬を処方することがあります。サノレックスという薬は、脳の中枢に作用し、空腹感を抑えるので、少量で満腹考えられ、食欲を抑えられます。そういう意味ではサノレックスを使用すれば苦痛もなく、ダイエットを遂行できるといえます。ですが、多量に飲めばそれだけ効くというものではありません。むしろ、薬ですから副作用などで危険な状態になるリスクさえあります。
薬によってダイエットをするとうのは、それ相応の理由があるからに他なりません。私の場合、できるだけ使わない方向を模索するようにしています。そうしたこともありますから、まずは患者様の生活習慣をヒアリングします。そうすると、いろいろなことが見えてきます。食事が乱れていたり、ほとんど動かなくなっていたり、と身近なところに原因があったりします。食事が乱れていれば当然、栄養指導をしたり、運動不足の場合は、運動指導をしたりします。ダイエットではありませんが、冷え性の人の例で1人暮らしになってシャワーだけで済ますようになり、お風呂に入るようアドバイスして改善した例もあります。
ダイエット指導の例では、2ヶ月で15キロ痩せた人もいます。効果がみられると患者様は、どんどんモチベーションが上がり、いいサイクルが出来上がります。そうなれば、自ずと生活習慣も改善され、健康的に体形も維持できる傾向にあります。逆にどんなに指導してもなかなか効果がみられないタイプの人もいらっしゃいます。それは、何かと理由をつけたがる人ですね。遅い時間の食事を控えるよう指導しても「仕事の関係でどうしてもダメだった」とか、できなかったことを反省する前に、できなかった理由を探そうとするんです。こういうタイプの人は、ダイエットの効果は出にくいですね。
結局、ダイエットというのはメタボと同じで生活習慣の乱れが、根本の原因です。薬や漢方薬、サプリメントなどの選択肢もありますが、まずは、日常生活における意識をしっかりともてるようにすることが大切ではないかと思います。いつまでも健康で美しくいるためにも、クリニックでは私はできる限り、そういう方向へ導くよう、心がけています。
プロフィール
URL : 医療法人真雅会マオクリニック
http://maoclinic.net/
東京女子医科大学卒業後、同大学院卒業。
東京女子医大病院循環器内科、医療法人財団順和会山王病院、
聖路加国際病院予防医療センター勤務を経て開業
日本内科学会認定医、
日本抗加齢医学会専門医、
日本アロマセラピー学会専門医
日本医師会認定産業医
生活習慣病、美容皮膚(しみ、ピーリング、美白など)漢方、ダイエット指導