グリチルリチン酸(GA)は、甘草の根に微量含まれるトリテルペン配糖体で、甘草の有効性の中心となる成分です。このGAにカリウムを付加し、水溶性を高めた成分が“GK2” グリチルリチン酸ジカリウムです。GA及びその誘導体の薬理作用に関しては、世界中で膨大な研究結果が報告されています。
20世紀前半から、その有効性に関する応用研究が繰り返され、肝機能改善による解毒作用、抗潰瘍作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用などが臨床的に確認されました。また、その高い抗炎症作用と安全性は皮膚科領域においても注目され、20世紀中頃から様々な臨床応用がなされ、それに伴いスキンケア製品への配合も拡大しました。
現在、医薬品有効成分の化粧品への使用は原則禁止されていますが、GK2は化粧品の「事前承認制度」廃止以前から化粧品に配合されていた成分として、特例的にその使用が認められています。医薬部外品としては、抗炎症作用により肌荒れを防ぐ有効成分として幅広い製剤に配合され、現在市場で最も汎用されている成分の一つとなっています。
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■ 甘草の世界史~4000年の歴史を持つ“生薬の王”~
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ユーラシア大陸のシルクロードに広く分布する甘草は、世界中で薬草として利用されてきました。
【 日本における甘草 】
・奈良時代の文化財が多数収蔵されている東大寺・正倉院に、生薬としての甘草が保存されています。
・江戸時代には幕府の小石川御薬園や甘草屋敷(現山梨県甲州市)で栽培されていました。
・GAは砂糖の約250倍の甘味を持つため、甘味料としても用いられています。
・GAとその誘導体は外用薬、注射薬、点眼薬など医療用途にも広く利用されます。漢方ではいわゆる「一般用漢方294処方」の約70%に甘草が配合されます。
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■ 炎症を抑える スキンケアの最も大切なアプローチ
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【抗炎症有効成分“GK2”が、肌の土台を整える】
皮膚の最も大切な役割は、外部刺激から体内を守り、水分減少を防ぐバリア機能です。このバリア機能の維持に極めて重要なのが、皮膚の最表面に存在する、厚さ0.02mmの角層です。しかし、日常生活で受けるUVなどの外的刺激により皮膚内部で慢性的な炎症状態が発生し、ダメージが蓄積すると、正常な角層を維持する機能が損なわれ、肌荒れ状態が惹起されます。炎症を抑え、角層とバリア機能を強く保つことは、毎日のスキンケアの最も重要なテーマです。GK2が様々な肌トラブルの原因を根本から抑えることで、強く、美しい肌の土台を作ります。
【GK2で肌の土台を整え、強く美しい肌に】
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・キメが整い、うるおった透明感のある印象に
・美白やエイジングケアなどの美容成分が効きやすい肌に
・敏感肌症状の改善など
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■ 安定性情報
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【 安定で、処方への影響が少ない、水溶性成分 】
GK2は白色~微黄色の結晶性粉末で、においもなく、水に澄明に溶解します。pH、熱に対する安定性も高く、剤型を問わずご検討いただけるハンドリングの良さも、その魅力の一つです。
【 化粧品製造時に想定される短時間の熱、pH変化への耐性 】
0.1%GK2水溶液は、弱酸性から弱アルカリ性条件(pH5.5~9.0)での熱負荷(80℃・24h)に対し、性状、含量ともに安定です。また一時的に酸性、アルカリ性条件に曝されても、弱酸性から中性域に再調整することで、熱負荷に対する安定性を保ちます。(pH3.0、12.0で24h保管⇒中性に調整⇒80℃・24hの熱負荷にて確認)
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■ 商品情報
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・商品名: 外原規グリチルリチン酸ジカリウム
・基原植物: 甘草(カンゾウ)
・科名: マメ科
・使用部位: 根
・INCI名: Dipotassium Glycyrrhizate
・化粧品表示名称: グリチルリチン酸2K
・医薬部外品表示名称: グリチルリチン酸ジカリウム(又はグリチルリチン酸2K)
◎ ECOCERT/COSMOS 化粧品原料登録あり。
◎ 医薬部外品の薬用スキンケア製品やシャンプー、育毛剤、歯みがきなどの有効成分としてもご利用いただけます。詳しくは営業員にお問い合わせください
▲白色~微黄色の結晶性粉末で、においもなく、水に澄明に溶解します。
▲甘草の根に含まれるグリチルリチン酸を加水分解して抽出します。
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