インチンコウエキスは、インチンコウ(カワラヨモギ)の頭花から、抽出されたエキスです。
メラニントランスファー抑制
-色素沈着のメカニズムと美白コンセプトについて-
肌に紫外線が当ると、ケラチノサイトでメラニン生成に関与する情報伝達物質が作られます。放出された情報伝達物質を受け取ったメラノサイトでは、チロシナーゼが活性化され、チロシンを原料にメラニンが生成されます。生成されたメラニンは、ケラチノサイトに転送され、ケラチノサイトのターンオーバーによって排出されます。
これまで美白のコンセプトとして、情報伝達物質の産生・放出抑制作用、チロシナーゼ活性抑制作用、ターンオーバーの促進作用などが考えられてきましたが、近年メラニンのケラチノサイトへの転送(メラニントランスファー)を抑制するコンセプトが注目されています。
ケラチノサイトのメラニン取り込み作用を抑制することで、色素沈着を予防することができると考えられます。
◎インチンコウ(カワラヨモギ)の紹介
植物名/カワラヨモギ
学名/Artemisia capillaris
科名/キク科
和名、別名、生薬名/カワラヨモギ、ハマヨモギ、茵陳蒿
英名/-
インチンコウ(カワラヨモギ)はキク科の多年草で、川原や海岸の砂地に多く自生するヨモギと いう意味から和名を「カワラヨモギ」といいます。中国では『神農本草経』の上薬(長期間服用しても副作用のない薬物)に収載され、黄疸の治療や強壮薬として用いられてきました。我が国でも茵陳五苓散、茵陳四逆湯に配合され、慢性黄疸症や伝染性肝炎、肝硬変などに用いられる他、煎液で皮膚を洗うとカユミによく効くなど、民間療法でも汎用されています。成分としては、フラボノイド、タンニン、精油成分(β-ピネン、カピレン等)を含んでいます。