福岡徳洲会病院、大分医科大学、大分県立三重病院で主に呼吸内科、神経内科、離島医療などを経験。平成2年4月より銀座サンエスペロ大森クリニック院長に就任。西洋医学、東洋医学、機能性食品、波動技術を用いた診療に取り組んでいる。また、日本臨床抗老化医学会、日本ホリスティック医学協会などにおける各種講演会活動を通じ、代替医療、統合医療、さらには体内浄化(デトックス)医療という新しい医療の流れを広げる活動を展開。
これまで、10数年の間、がん治療を代替医療的な考え方で取り組んできました。抗がん剤、放射線治療は、西洋医学的な治療法ですが、それ以外の治療法を代替医療として捉え、西洋医学、伝統医療を含めて、統合医療という流れで取り組んできました。
しかし、代替医療の現場を見ると、西洋医学的な薬や東洋医学の漢方薬を、健康食品に置き換えただけ。つまり、西洋医学的な、効果が出て、結果が出ればいいという考えで機能性食品や健康食品を捉え、薬のカテゴリーと同じような感覚で扱ってきたように感じます。
薬や健康食品を摂取することは、体にいいものを加えるという足し算をすること。体に加えることで、体を元気にして、免疫力を高めていく。栄養剤の投与も、自己治癒力を高めていく上では足し算です。そのため、国内では、これまでは体にいいものを加えることに関心を向けていましたが、体内が水銀や鉛、カドミウム、ヒ素などの有害ミネラルに汚染されていることへの対応は、ほとんどなされていませんでした。
私は、4,5年前から、病気と有害ミネラルとの関係に注目するようになりました。例えば、体内に金属や充填物が蓄積されれば、アレルギーが起こります。金属を除けば、アレルギーが治まります。そうした視点で考えると、有害なものを体内から排泄するという、引き算の考え方を実践していく必要があると考えました。それで今、デトックスという治療が注目されています。健康を守ろうと思うなら、体にいいものをプラス(足し算)するだけでなく、体内に蓄積されている有害物を排泄すること、デトックス(体内浄化)することが必要であると考えたからです。
そこで、2年半前ぐらいでしょうか、私たちの体の有害物質の汚染レベルを検査するのに適している「毛髪ミネラル検査」に関心を持ちました。
毛髪には体内ミネラルに長期にわたる変化が、安定した状態で記録することができます。米国ではすでに、毛髪ミネラル検査で、こうした有害ミネラルの蓄積状況や、必須ミネラルを数値化し、体内のミネラルバランスを把握する方法が定着。それを健康管理や病気の予防に役立てているわけです。そこで、日本人の有害ミネラルの量と健康障害との関係を研究しはじめました。
そのあと当クリニックでは、検査結果に基づき、どういう成分を使うと有害ミネラルが排泄できるかを研究し、サプリメントの開発に着手しました。5000人近くの患者さんへ検査して、有害物質の排泄により、症状の改善を確認しました。そうした意味で、サプリメントのみならず、腸内洗浄、逆浸透膜水など様々な方法による、デトックス療法が今後重要であると考えています。また、デトックスのの療法として、エステやヨガ、岩盤浴なども効果があるとされ、デトックス療法自体も広がりを見せています。
西洋医学や補完・代替医療法の区別をなくした統合医療・デトックス療法を基本に、病気の根本的な原因から治療方法を考え、病気の予防という視点から、毛髪ミネラル検査が一般の健康診断の1つに組み込まれ、毒素や有害ミネラルの体内の蓄積状態をチェックすることで、早期に病気を発見すると同時に、発症する前に予防することで、セルフメディケーションへのサポートにつなげていきたいと考えています。
当院は、セルフメディケーションをテーマに、「自らの健康を自らで守る」ためのお手伝いをしています。具体的には、西洋医学や補完・代替医療法の区別をなくした統合医療・デトックス療法(体内浄化)を基本に、病気の症状から患者さんの心身に何が必要かを考え、患者さんごとの最適な療法を考え、選択していく治療を進めています。
これまでに行ってきた治療方法・予防方法の多くは、薬やサプリメントを投与する『足し算』の方法でした。これは治療法の1つとして大切でありますが、もっとも重要なことは病気の根本的な原因となる有害物質を除去することだと考えます。体内に蓄積している毒素・有害物質を除去する『引き算』を行うことで、自己治癒力が回復し、足し算の治療効果が高まるのです。
デトックス療法では、まず毛髪ミネラル検査、金属パッチテストを行い、有害ミネラルの蓄積状態を検査します。その状態を検査した上で、当クリニックで開発したデトックスサプリメントを基本に、デトックス療法を行います。さらに、不足している栄養成分の補給等をアドバイスします。
また、当院では、デトックス治療として、水道水中の鉛などを99%以上除去できる逆浸透膜水を治療に取り入れています。体内浄化を進めていく上で、99%の不純物をカットした、ピュアな水でのデトックスを使用しています。また、コロンクレンジング(腸内洗浄)も取り入れています。腸は生理機能、精神状態、老化、発ガン、免疫などに大きな影響を与えます。
有害物質の75%は便に排泄されると言われ、便秘などで排泄が滞ると、有害物質、体内毒素は再吸収され、それが病気の大きな要因になってしまいます。当クリニックでは、専用の装置で腸内洗浄を行い、腸の運動をよみがえらせ正常な便通を促進して、病気や老化の原因となる宿便を取り除きます。
また、当クリニックでは、トータルデトックス(体内浄化)をコンセプトとし治療を行っています。毛髪ミネラル検査をもとに、サプリメントや食事指導、メンタルケアーなどを取り入れたデトックス療法では、アレルギーやガンなどの生活習慣病だけでなく、自閉症の患者様などにも成果が見られています。
デトックス療法の一番の特徴は、体内の毒素を大掃除することです。体内に毒素が溜まっていたのでは、良い栄養素を取り入れても、その効果を十分に発揮できないからです。
健康の要素は、体の土台であるタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランスよく摂ることと、老廃物や有害物質などをスムーズに排泄することにあります。わたしたちは、健康の維持・改善のために、物と体内に取り入れるのと同じくらい、排泄にも関心をもたなければなりません。私たちの生命の営みは「摂取/吸う」と「排泄/吐く」の繰り返してです。このことを患者様へわかりやすく説明するために、有益なものを体内に取り入れる「足し算の計算法」と、有害なものを体外へ排出する「引き算の健康法」の両方が必要であると説明しています。