北里大学医学部卒業。北里大学病院形成外科を経て現職。日本形成外科学会認定医。医学博士。日本形成科学会会員。日本美容外科学会会員。日本整形外科学会会員。国際形成外科学会会員。ボトックス、ブルーピール、オバジ・ニューダーム・システムなどを日本に導入したことで知られる。「結果の出る」最良の治療法を提示することを信条とする。今年、エステサロン「TBC」の社長に就任。美容関連商品、サプリメントの販売を行う会社や医療コンサルタントを行う会社も手がける。
保険診療が圧迫され、身障者の自己負担さえ増やさざるを得ない今、国家的にできるだけ国民を病気にしないようにしようという方向になっています。国立病院の赤字を解決するため、病院の株式会社化という話も出ている程です。そんな中、未病という言葉が脚光を浴び、自分で健康を管理するという風潮が進むと共に、統合医療は推進されつつあります。
私が代替医療の世界に入ったのは、スキンケアからのアプローチです。私が美容皮膚科のクリニックを立ち上げた8年前当時、当院のようなクリニックはありませんでした。日本の美容外科には失敗例もたくさんあり、この世界を正せないかと考えました。また、当時、美顔・痩身・脱毛を行うエステ業界は医療に近づこうとしていましたが、私は、医師がこの分野にアプローチしてもいいのではないかと思ったのです。当院が美顔としてメスを使わないケミカルピーリングやヒアルロン酸注射、ボトックス注射などを行ってきたところ、マスコミが当院をメディカルエステと呼び始めました。
そんな中で、アンチエイジングの考え方が出てきました。皮膚の老化を止めるには、内側からも変えていく必要性を感じたのです。α―リポ酸、CoQ10、ビタミンE、ビタミンC、グルタチオンが形成するネットワークを抗酸化ネットワークというのですが、このネットワークが正常に機能し、バリア機能を保つことが未病の1つにつながります。ところが、加齢と共に、α―リポ酸やCoQ10は減少します。これを補うことが必要になってくるのです。
また、西洋医学の限界を感じ出したのはこの頃です。例えば、ステロイド剤はアトピーに対して大変よく効くのですが、長期的に使うと副作用が起きます。西洋医学は初期治療に優れていますが、恒常性に欠けています。そこで、代替医療が必要だと思ったのです。ただ、代替医療は非常に幅広く、鍼・アロマ・サプリなど多くのものが含まれています。私自身は美容の専門医なので、その他の分野に関しては、それぞれの優秀な専門家を集めれば良いと考えました。一流の人たちを集めることで、戦略的には全国的にクリニックをつくっていきたいと考えています。