防衛医大卒。日本のアンチエイジング医療の第一人者。医師としての診療活動や研究活動以外に、ライフ・スタイル・プロデューサーとしてクリニックのプロデュースや健康産業関連企業の顧問・アドバイザーを務める。アンチエイジングアカデミー校長、アンチエイジングラボラトリー所長、日本抗加齢医学会評議員。
20世紀型医療は、病気の人をマイナスの状態として健康人をゼロ以上の状態とすると、マイナスをゼロにするもの。ゼロから落ちないようにして、なおかつ100点にしようというのが私の目指す21世紀型の医療です。そのために必要と考えたのがホリスティック(臓器など部分だけでなく精神も含め全体を見る、自然治癒力に原点を置いた治療法。西洋医学の利点を活かしながら適切な代替医療を統合する)な治療法だったのです。
一方で、糖尿病の医療に携わった経験から、生活習慣病予防の大切さを感じていました。質の良い長生きを提供するには、体に優しい全人的な医療が必要です。アンチエイジング(抗加齢)にはそういう視点から注目しました。真のアンチエイジングとは、オプティマル・ヘルス(その年齢における、最適で最高の健康状態や美しさを実現すること)で100点満点を出し続けることです。
ところで、医師である父は西洋医学以外を軽視しており、その影響を受けていた私も同様でした。そんな私が代替医療に目を向けるようになったきっかけは、当時はうさんくさいと思っていたカイロプラクティックで、なかなか治らなかった頚椎捻挫を治した実体験からでした。また、青山でダイエットクリニックのセンター長になった時には、良導絡(ツボ)検査の結果と自分の体の不調が面白いように一致する経験もしました。
このクリニックで、日本で初めてダイエットドックをつくりました。体脂肪量、骨密度、ホルモンデータなどの西洋医学的なデジタルデータに良導絡検査などのアナログデータを合わせて診断、さまざまな代替医療を行いました。何をやっても痩せなかった人がアロマセラピーを行ったら、自律神経に作用して急に痩せるというのも目の当たりにしました。食事・運動・代謝・自律神経の四本柱がそろってないと、ダイエットはできないんです。
これら代替医療が否定されてきたのは、医師のアセスメント(評価)がなかったからです。西洋医学的な手法に基づいたデータで、医師たちがきちんと医師が検証していく必要があると考えています。これは医師の責任です。今後も、代替医療の治験をしながらエビデンスを出していき、本物を評価して提供していきたいと思います。