ダイセルのアラビノースは、北海道産のてんさいを原料とした砂糖の吸収抑制素材です。アラビノース自体はほとんど小腸から取り込まれることは無く、砂糠の吸収を阻害することで血糠値の上昇を緩やかにします。日本人の食事は、欧米に比べ脂質が少なく砂糖を多く含むと言われています。過剰な糖分は脂肪に変換されるため、アラビノースの砂糖吸収を抑制する働きは、日本の食生活に適した素材と言えます。また、アラビノースと難消化性デキストリンを組み合わせたアラビノースNは広く糖質の吸収を制御し、特許も取得しています。
きつねうどん摂取時、難消化性デキストリン及びL-アラビノーズを添加したお茶を飲用し、血糖値を測定しました。その結果、難消化性デキストリン単独の場合より、L-アラビノースを添加した場合に血糠値上昇を抑制することが確認できました。「アラビノースN」は、この実験によって最適の配合率を採用しています。難消化性デキストリンに対して、「アラビノースN」は最大血糖値の抑制で1.7倍、また血糖値上昇抑制率は、難消化性デキストリンが22%、「アラビノースN」が37%と大きな効果かあることがわかりました。また、このときの血糖値曲線下面積(AUC)を比較すると、その抑制率は、難消化性デキストリンが20%程度であるのに対して、アラビノースNでは45%でした。これは、アラビノースNが、食品のGI値(Glycemi index:血糖指数)を大きく下げる効果があることを示しています。
■砂糖の吸収を抑制するL-アラビノースをきわめて安全かつ効率的に製造。
植物中に存在する成分L-アラビノースは、1990年代に砂糖の加水分解酵素であるスクラーゼを阻害することにより、砂糖の消化吸収を抑え、血糖値の上昇を抑制することが動物実験やヒ卜で確認されました。そして、2000年にL-アラビノースを関与成分とした血糖値上昇を抑制する特定保健用食品が認可されたことで、食品への応用が始まりました。ダイセルでは、このL-アラビノースを甜菜(ビート)に食品用酵素を作用させるという、安全かつ効率的な方法で製造しています。
■難消化性デキストリン配合により広く糖質の吸収を抑制。
吸収抑制効果を持つ多くの素材が苦味等を持つのに対し、L-アラビノースは良質の甘味があり、砂糖に対して40~50%という高い吸収抑制率を有しています。しかし、その抑制効果は砂糖に対してのみ有効で、他の糖質には作用しません。そのため、ダイセルでは他の糖質にも効果を持つように、異なる吸収抑制効果を持ち、L-アラビノースの昧を損なわず、なおかつ特定保健用食品の関与成分である食物繊維、難消化性デキストリンを配合。広く糖質に対して効果的な素材の製造に成功し、特許を取得しました。
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長期摂取でダイエッ卜効果を確認
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アラビノースNを長期的に摂取することで、体重が減少することを確認。肥満傾向の人に効果があり、生活習慣病の予防・改善に有効であることを見出しました。
(1)34名中、22名の体重が減少
ウーロン茶エキスで味付けしたアラビノースNの分包品を、成人男女34名に3ヶ月飲用してもらい、体重、体脂肪率の推移を測定しました。その結果、体重が減少する動きが見られ、3ヶ月後に有意な減少を確認しました。(平均減少値は0.6kg)また、34名のうち、体重がわずかでも減少したのは22名(64%)、変化無しが6名(18%)、わずかでも増加したのは6名(18%)で、3名に2名が減少。BMIが22以上の被験者においては、4名に3名が減少したと言えます。
(2)25名中14名で、体脂肪率が減少
体脂肪率についても、回答を得た25名中14名で経時的な減少傾向が見られ、3ヶ月後で有意な減少が確認できました。体重、体脂肪率ともに、標準的なBMIである22未満の被験者には有意な減少が見られませんでした。これらのことは、アラビノースNは肥満傾向の人に効果があり、生活習慣病の予防・改善に有効な食品であることを示唆しています。
〈試験方法〉
飲用方法は分包品(5g)1包を1日3回毎食時、冷水、湯などに溶解しての飲用を指導。調査は飲用前、1、3ヶ月後に体重、体脂肪率等についてのアンケートを実施。被験者34名(男性28名、女性6名)の平均年齢は37.4歳。試験開始前の体格は平均BMI23.1(男性23.6、女性21.2)。試験期間中のサンプルの飲用率は平均81.5%。有意差検定は対応あるt検定により行い、5%以下の危険率を有意としました。
▲北海道産のてんさいを原料とした砂糖の吸収抑制素材
▲平均体重の推移
▲体重増減人数の割合(3ヶ月後)