日々現場に立つ医療関係者が、快適な健康ライフのヒントを提言します。
財団法人博慈会 老人病研究所 医学博士 福生吉裕 「怖いのは突然やってくる」
「安心・安全」とはどういうことをいうのでしょうか。読んで字のごとく、心が安らかな状態であることだと思います。この「安心」という状態が脅かされるのは、突然何かかが起こったとき。つまり、予期せぬ出来事が「安心」を奪うわけです。これまで当たり前だと思われていたことが覆ると、人は不安や恐怖に襲われます。突然の交通事故や地震、津波、リーマンショックによる金融危機などは、まさにそうしたことによる安心・安全の喪失であり、恐怖ですね。
健康ということに置き換えて、この安心・安全の維持ということ考えてみましょう。そうするとやはり、病気に突然なることが、怖いわけで、裏を返せば、病気にならないようにすることが、健康面における「安心・安全」につながることです。当たり前のようですが意外とこれが難しいのです。
実は日本人の凄い知恵。国民皆保険制度
日本人の場合、なんと言っても健康面での安心を担ってくれるのは国民皆保険制度です。仮に病気になった場合でも「安心」があります。1961年に出来たこの制度は日本人に当たり前の制度として根付いています。そうした意味では、この制度を維持することが、国民が健康の側面において「安心・安全」に生活していく基盤になるといえます。実はこの制度、本当は当たり前ではないのですね。日本人の凄い知恵なのですよ。やっとアメリカのオバマ大統領もこの国民皆保険制度を導入しようとしてあれだけ大変な苦労をしているのですから。
伸びる医療費。使う国民、負担する国民
しかしながら、現状は、どうでしょう。残念ながら、その維持は大変困難な状況にあります。ご存知のように65歳以上の人口が21%の少子高齢社会は今後さらに進み、それに伴い医療費は増大の一途です。現在でも32兆円を越えているものが、2025年は、60兆円を越えるとの試算もあります。当たり前のように守ってもらえると思っていると、突如、そのシステムが崩壊してしまうことは充分に考えられる状況にあるわけです。これはまさに、「安心・安全の喪失」であり、恐怖です。このままでは、本当にいつどうなるのか分かりません。
増税は悪循環を招く
では、どうすれば安心・安全でい続けられるのか。その方法には二つあります。一つは増税で医療費にまわしてこの制度を維持するという考え方です。菅さんも言い出しましたが、しかしこの考えには賛成できません。一見まともなようですが自分で健康を維持しようとする意欲とシステムが基本に無ければ増税だけでは悪循環が生じ、この制度は破綻してしまうのは火を見るより明らかです。それが少子高齢時代の特徴です。増税せずにもっと良い方法があります。それは病気に対する考え方を根本から変える事です。
目から鱗をはがせば未病が見える
いま、「健康」でなければ「病気」であると思い込む人が殆どです。つまりこの世界には「健康の世界」か「病気の世界」しかないと信じてしまっているのです。この概念からの脱却を図ってください。本当は健康と病気とは連続しています。そして間に「未病という空間」があることを発見してもらうことです。目からうろこをはがしてもらうことです。
未病の主治医は自分
この「未病」というのは健康ではないものの、病気でもない状態をいいます。ですから、可逆性の時期です。ちょっと気をつければ病気にならずに済む時期なのです。中国では2000年前の黄帝内経の中で「聖人は病を治さず未病を治す」と看破しています。日本でも養生訓に堂々とこの未病が出てきています。せっかくそうした考えがあったにもかかわらず、時代とともにいつの間にかフェードアウトし、いまでは「健康」か「病気」の2つにひとつの判断にならされてしまっています。結果的にちょっとでもおかしいと何でもかんでもすぐに病院へ行くケースが増えていますね。それを受ける医者もヘトヘトになって病院崩壊へと至っています。これではモラルハザードの極みですね。みんなで国民皆保険制度をつぶすようなモノです。これは安心ではありません。未病をみんなが良く理解し実践すればこんな事は起こりません。
さて、少子高齢社会で未病を行うにもう一つ大事な考えは、主役とはだれかです。これまで未病の聖人とは名医だと相場が決まっていましたが、少子高齢時代はこの聖人とは生活者自身です。皆なになってもらうのです。自分が自分の未病の主治医になることなのです。未病の時期の医療費は少なくて済みます。これが増税
をせずに国民皆保険制度を維持し国民の安心を創る第二の方法です。東洋の知恵を現代に活かすのです。
かしこくサプリメントを
現在、「健康維持」という名目で利用する施設や製品は、たくさん存在します。これらは本来は全て未病のツールなのですね。特定保健用食品(トクホ)やサプリメント、健康食品、フィットネスクラブやヨガ教室、アロマグッズ…など健康増進のための環境は十分に整っています。これらを利用するのは一般生活者です。そこに「未病」という考え方をベースにして持って、自分が未病の主治医として活用するようにすれば、その効果も抜群となってきます。
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詳細プロフィール
財団法人博慈会 老人病研究所 所長 福生吉裕
【略歴】
昭和47年:日本医科大学医学部卒業
昭和53年:
微生物学免疫学にて医学博士号修得
昭和59年10月:
日本医科大学 内科 講師
平成2年4月:
日本医科大学 内科助教授
平成7年4月:
中国 長春中医学院客員教授
平成13年10月:
財)博慈会老人病研究所所長、兼日本医科大学客員教授
【専門領域】
○動脈硬化、高脂血症、膠原病、老人病の臨床
○現在は主に未病と抗老化を研究している。
【主な著書】
・「病気の秘密は血液にあった」(法研)
・「改訂新版 からだがわかる本」(法研)
・「免疫からみた動脈硬化」(ライフサイエンス)
・「未病を治す。大豆レシチン物語」(日本医療企画)
・「未病息災」(源草社)
・「病気になるまえに治す。メタボリックシンドロームは未病で治す」(法研)
共著:治未病、油脂の栄養と疾病、脳血管障害の臨床、老人の病気、など多数。
■ 関連リンク
財)博慈会老人病研究所:ホームページ | http://www.hakujikai.or.jp/index.htm
医学博士 福生吉裕(ふくおよしひろ)
(財)博慈会老人病研究所
プロフィール
(財)博慈会老人病研究所 所長
日本医科大学客員教授、
日本未病システム学会常任理事。
「自分の身体は自分で守る」自己管理の重要性を高齢社会における健康安心システムの提唱する。
>>詳細プロフィール
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