Q:日本市場へネイチャーメイドを投入した経緯をお伺いしたいのですが?
日本向けのネイチャーメイドの輸入・販売を始めたのは1993年からです。現代社会は、ライフスタイルの多様化で自分に大切なビタミン・ミネラルが食事から十分に補えないのが現状です。当社の事業部ではこれまで、「食品や飲料を通じて、健康のサポートをしていく」という考えのもと、カロリーメイトをはじめ、ポカリスエット等の商品開発を展開してきました。こうした健康や栄養バランスサポートの一環として、不足しがちな栄養素をライフスタイルに合わせてサプリメントで手軽に摂取してもらう目的で、ネイチャーメイドを日本へ導入しました。
Q:米国のメーカーから輸入・販売されていますが、日本市場向けのアレンジは行われたのですか。
ネイチャーメイドは、米国のファーマバイト社が製造し、当社が輸入・販売しています。日本の法規制や日本人の体型等に合うように小粒のサイズにして日本市場へ投入しました。また、当時は、ビタミンCやビタミンE等の単味商品の市場は既にありましたが、ネイチャーメイドのような、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、鉄・・・というようなブロードライン戦略で、消費者が複数のアイテムから選択できる製品展開をしたのは当社が初めてだと思います。
Q:ネイチャーメイドは、サプリメントの定番商品として市場をリードしてきたと思いますが。
ネイチャーメイドが大きく売上を伸ばしたのは、1999年にマルチビタミンを市場へ投入してからです。マルチビタミンは、1粒で複数のビタミンを手軽に取れるサプリメントだったからだと思います。ネイチャーメイドブランドでは、食事の補完をするサプリメント摂取の際の基礎として、ベースサプリメントを提案し、現在、マルチビタミンに加え、マルチビタミン&ミネラル、マルチミネラルの3種類を商品化しています。また、このベースサプリメントに加えていただきたいプラスアルファのサプリメントとして、単体のビタミンやミネラルサプリメントをはじめ、加齢とともに体内での生成量が不足する栄養素を補うサプリメント「ファンクショナルシリーズ」を展開しています。
Q:ネイチャーメイドがサプリメント市場の拡大に大きく貢献したと言えますね。
低価格のサプリメントが急増してきた時代で、ネイチャーメイドも、そうした市況を背景に市場の拡大に貢献できたのではないかと思います。また、同時に、ライフスタイルが多様化する中で、TVをはじめとする各種媒体で健康情報を多く取り上げてくれたことも市場を喚起する要因になっています。TVや、最近ではWebで取り上げられるとかならず市場が動く時代ですから。
Q:ここ数年、低価格のサプリメントが急増し、競争も激しくなっていると思いますが。
ネイチャーメイドは、米国、日本をはじめ、世界の約40カ国で販売されており、米国では、NB(ナショナルブランド)としては№1のシェアを持っています。また、ネイチャーメイドはサプリメントの品質を審査する米国薬局方(USP)が定めるサプリメントの品質規格基準を満たしています。さらに、着色料、保存料、香料、食塩、無添加など、品質面での差別化ができている商品です。消費者へサプリメントの正しい情報を提供をしてもらう目的で、米国から講師を招聘し、医師、薬剤師、栄養士等を対象に大塚アカデミーオープンセミナー等を開催しています。こうしたサプリメントの正しい知識や情報等を提供する取り組みを通じて、ブランドへの理解を深めていく努力もしています。
Q:溶かして飲む「ドリンカブル」がありますが、米国でも販売されているのですか?
ドリンガブルは日本市場のみの商品です。高齢者や子供や、粒が苦手な方に、水で溶かして飲むタイプのものを商品化しました。このほか、噛んでおいしく食べる「チュアブルタイプ」も商品化するなど、人それぞれのライフスタイルに合わせた品揃えを進め、幅広い層に利用してもらえる取り組みもし、また、広くネイチャーメイドを認知してもらうよう、商品の品揃えも増やしてきました。
Q:今後の商品戦略は?来年も品揃えを増やしていく計画ですか?
米国でのネイチャーメイドのラインナップの中で、まだ日本市場に投入してないものも多数あります。今後の市場への投入はお客様のニーズを第一に検討したいと考えています。今後の販売戦略としては、アイテムを増やすことも重要ですが、ブランドの核となるベースサプリメントの考え方を理解していただき、それを取り巻く商品群の販売を強化してまいります。ネイチャーメイドの2004年度の売上は120億円(小売希望価格ベース)でしたが、今年度の売上目標は前年対比二桁増を見込んでいます。今後は、サプリメントを生活に取り入れたいと考えている潜在需要に対して、ネイチャーメイドを選んでもらえるようなブランド力をいかにつけていくかが重要だと考えています。
- 第1回 株式会社ハーバー研究所 代表取締役社長 小柳昌之氏
- 第2回 新潟バイオリサーチセンター 所長 池川信夫氏
- 第3回 日本緑茶センター株式会社 代表取締役 北島勇氏
- 第4回 アニュー株式会社 代表取締役専務 大森貞喜氏
- 第5回 サントリー株式会社 食品カンパニー健康食品事業部部長 新免芳史氏
- 第6回 大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部 製品第二部 APMM 戸山謙一氏
- 第7回 カーディナル・ニュートリション社 副社長 グラント・バーグストロム氏
- 第8回 キリンヤクルトネクストステージ マーケティング部部長 浅野高弘氏
- 第9回 タカラベルモント株式会社 理美容事業部長 兼 エステ・ネイル事業部長 山形輝雄取締役
- 第10回 ホーファー・リサーチ社 最高執行役員代表取締役副社長 ビクター・フェラーリ氏
- 第11回 ファイテン株式会社 代表取締役 平田好宏氏
ニュートラシューティカルズ事業部
製品第二部 ネイチャーメイド アシスタントプロダクトマーケティングマネージャー(APMM)
戸山謙一氏
・1997~2003年営業を担当。
・2004~現在まで 製品部にてマーケティング関連業務