マネのしようのない唯一無二の独自技術でライバルに付け入る隙を与えない
―― ファイテンのチタン含浸ネックレスは、使っている有名選手の成績が軒並み高いこともあり、一躍有名となりました。その後も一過性のブームに終わるどころか、次々と新技術・新商品を開発し、ますます勢いづいています。
「ブームというのは、人気に便乗して他社がどんどん乗り込んできて、急激に市場が膨らんだもの。同じようなものが出回れば、結局は、価格競争となります。そしてあっという間にしぼんでしまう。ウチは、唯一無二の独自の加工技術を持っていますから、ライバルがいないんです。似て非なるものは出ていますが、そういうものとは根本的に技術のカテゴリーが違う。だからマネのしようがないんです。
―― 唯一無二ですか。確かにファイテンでは地域特約代理店契約の際も定価維持を条件にするなど徹底しています。市場原理で考えれば、あり得ない。技術や商品に絶対的な自信がなければ打ち出せないポリシーですね。
「技術が他に類を見ないワケですから競争は起こりえない。従ってウチの商品に関しては安さが付加価値にならない。価格がそのまま商品の価値なんです。もっといえば、私は『効き目』を買ってもらっていると思っています。だから技術が大切なんです」
いかにして世界中で特許を取得する独自技術は生まれたのか
―― その誰にもまねのできないファイテンの独自技術・ファイルド加工は、日本、アメリカ、ロシア、中国など世界12カ国で特許を取得しています。一体どのようにしてそのような技術を開発したのでしょうか。
「私はもともと治療院を開院し、患者さんを施術していたときに気付いたことがあります。治すためのセルフケアを自宅で手軽にできないか、ということです。自分自身が大病を患っていたこともあり、自己管理の大切さはわかっています。ですから患者さんが家庭で手軽に体をケア出来るものはないものか、と試行錯誤しておりました。いろんな素材を加工しては患者さんに使ってもらい、効果を聞きました。そんな中、特殊加工した石英ガラスの粉をテープで体に貼ると非常に評判が良かったんです。その粉を瓶詰めにして販売したのが第一号です。その後、価格や加工のしやすさなどを考え、改良を重ねてチタンに行き着きました。現在のようなテープ型になり、使い勝手が上がってリピーターが増え、大きく広がりましたね。スポーツ選手が使ってくれて効果を実感してくれたことも追い風になりました。仕組みとしては、生体電気を整え、その乱れをコントロールする加工になります。」
―― いち治療院の長だった社長の執念の「結晶」ですね。
「治療院で施術師をやる前は料理人を目指していたんですが、料理が好きだったことが、独自性につながった、ということはいえるかもしれません。というのも人間の舌が感じる味というのは単体ではなく、いろいろな成分が合わさり、濃く感じたり薄く感じたりするワケです。つまり、神経のレセプターで感じ取って、その興奮の度合いによって味が変化する。チタンに関しては、どのように素材を活用すれば、より効き目を発揮するのかを研究していました。実際チタン単体では人体に何か作用があるわけではなく、独自の加工を施して効き目のある製品が完成します。その辺りのアプローチの仕方が、いわゆる研究者のような人とは違っていて、独自性につながったのかもしれません。正直言えばその過程で「出来ちゃった」んですけどね(笑)。
究極の目標はファイテン製品の「無意識化」
―― それが今では年商200億に迫る勢いです。事業もチタンテープからネックレスに始まり、アパレル、住居、さらには農業にまで手を広げています。
「ウチの技術については先ほども言ったように唯一無二。類似品が出てきても余裕なんです。そこへプラスして、アクアチタンが誕生し、一気に加工の幅が広がりました。水にでも食べ物でも繊維でも…。なににでも加工が可能なんです。今後は、われわれの技術を利用し、お互いにメリットの出るような他業種の企業とのコラボレショーンも積極的に展開していきたいですね。夢を持った仲間なら技術協力も惜しみません。
―― まさに鬼に金棒ですね。もはや大キャンペーン中の「日本全国鉄人化計画」も夢ではない気すらします。一体、ファイテンはどこまで突き進むのですか。
「究極的なことをいえば、ウチの製品が特別なものでなくなるようになれば、と思っています。言い換えれば、ファイテン製品の無意識化です。日常生活の中でごく当たり前のように使ってもらえるような存在になればいいですね」
―― 最後に健康産業界の現状ついてひと言お願いいたします。
「消費者が迷う状況になっていますね。確かにいい商品はたくさんある。でも一方でそうでないものも少なくない。これでは健康被害は後を絶ちません。ライセンス制にするとかなにか明確な基準を設けないと、また犠牲者は出ますよ。病人は藁にもすがる思いで『救い』を求めているワケですから」
本日はありがとうございました。
ファイテン株式会社
代表取締役 平田好宏
1953年5月兵庫県生まれ、54歳。
料理職人を目指し、修行中に大病を患う。その頃から独自に医療技術を研究。29歳のときに治療院を開業し、チタンテープを開発。1982年にファイテンを創業する。翌年10月に社長に就任し、現在に至る。
幅広いカテゴリーの製品を取り扱うファイテンの新ラインナップのひとつが「ファイテンO2チャンバー」。いま注目の酸素カプセルにファイテンの独自技術と斬新なデザインを施した製品だ。すでに有名アスリートの自宅にも導入されているという。「ファイテンO2カー」は、その機器を2基搭載するトラック。黒を基調にした赤とのデザイン、そしてその大きさはド迫力だ。今後、いろいろなスポーツ会場に姿を現し、アスリートをサポートする。
▲ファイテンO2チャンバー
第5回 サントリー株式会社
食品カンパニー健康食品事業部部長 新免芳史氏
第6回 大塚製薬株式会社
ニュートラシューティカルズ事業部 製品第二部 APMM 戸山謙一氏
第7回 カーディナル・ニュートリション社
副社長 グラント・バーグストロム氏
第8回 キリンヤクルトネクストステージ
マーケティング部部長 浅野高弘氏