「国菌」といわれるほど、日本人の食生活に深く関わってきた麹菌は、その長い歴史の中で、無害性、有用性が認知され、最近は醸造だけではなく、麹菌の持つ高い安全性と酵素の高い分泌能から、バイオテクノロジー産業に幅広く利用されています。従来難しいとされていた丸大豆に純白の麹菌を育成させ、「白麹醗酵大豆」の製造に成功しました。
「白麹醗酵大豆」は、白麹菌を無塩発酵大豆に繁殖させたものです。表面は繭玉のように白麹菌の菌糸におおわれていて、割ると豆のなかにも菌糸がびっしりと詰まっています。白麹菌として膨大なストックの中から選抜された32KA株を用いていますが、この株は大豆に適しより多くのアミノ酸を生産することが知られています。
大豆は穀物の中でもタンパク質の含有量が飛びぬけて高く、飽和脂肪酸の比率が高いため酸化リスクが少なく、イソフラボノイドなどのポリフェノールも豊富に含まれています。
「白麹発酵大豆粉末」にはこの大豆由来の豊富なアミノ酸と、白麹菌の酵素によりアグリコン型に変換された「アグリコン型イソフラボン」が豊富に含まれています。
「白麹醗酵大豆」には、 「アグリコン型イソフラボン」を豊富に含むこと以外にも、コレステロール蓄積阻害、男性型脱毛症に関する酵素の阻害、糖尿病の合併症に深く関与する酵素の阻害の各活性を有することも確認されています。
【期待される機能性】
●骨粗鬆症予防作用
●男性脱毛症改善作用
●抗糖化(糖尿病合併症改善)作用
●抗肥満(コレステロール低下)作用
【白麹発酵大豆粉末の酵素阻害活性】
「白麹醗酵大豆粉末」について、以下の各酵素阻害活性を評価しました。
◇アシルCoA-コレステロール アシルトランスフェラーゼ
小腸におけるコレステロールの吸収や脂肪細胞と血管内壁へのコレステロール蓄積に関わる酵素として知られ、高脂血症の予防にこの酵素を阻害することが有効であると言われています。
糖尿病の合併症の一つに、手足の先にしびれや痛みが生じることが知られていますが、この酵素を阻害することで、原因物質のソルビトールの産生と蓄積が抑制され、糖尿病合併症の症状が改善する可能性が考えられます。
◇ヒドロキシメチルグルタリル CoA-レダクターゼ
コレステロールなどを合成するメバロン酸経路の律速酵素の一つで、この酵素を阻害することでコレステロールの降下作用が期待されます。
◇ステロイド5α-レダクターゼ
この酵素を阻害することで、男性型脱毛症等の男性ホルモンが関与する症状に有効であると言われています。
以上の結果から「白麹醗酵大豆粉末」には、コレステロール低下、男性型脱毛症改善、糖尿病の合併症の症状改善作用が期待されます。
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