白樺(シラカンバ)は温帯から亜寒帯地方に多くみられるカバノキ科落葉樹の一種です。日本では福井県を西端、静岡県を南端として北海道までの落葉広葉樹林帯と亜高山帯下部に分布します。和名の由来は、アイヌ語が起源のカンバの木で樹皮が白いことからシラカンバと呼ばれるようになったといわれています。
シラカンバは「先駆樹種」、「森の看護婦」 「母なる木」などと呼ばれ、神聖な樹として祀られてきました。樹液の採取は雪が解けだす早春の頃、シラカンバの木に穴をあけると「命の水」ともいうべきシラカバの樹液がにじみ出てきます。樹液というイメージとは異なり無色透明のサラサラした、飲むとほのかに甘い液体です。古来よりシラカバ樹液は民間療法として、フィンランド、ロシア、中国、韓国などの北方諸国で飲まれてきました。
また、北海道でも先住民族であるアイヌの人々の間で飲用、調理用として用いられてきました。シラカバ樹液の主な成分はぶどう糖や加糖などの糖分とアミノ酸、たんぱく質、カルシウム・カリウム・マグネシウム・マンガン・鉄・亜鉛・銅などのミネラルで、抗ストレス作用、抗酸化作用、乾燥肌の保湿作用などの効能が期待できます。
◆抗ストレス作用
ラットを用いた拘束浸水ストレス試験において、水道水またはシラカンバ樹液を引用させたラットの胃壁の胃潰瘍性出血量を比較したところ、水道水を飲用した群では大量の出血が確認されたのに対し、シラカンバ樹液を飲用したラットでは、少量の出血しか認められませんでした。この結果より、シラカンバ樹液は自律神経失調に伴うストレス性潰瘍生成の阻害作用を有することが示唆されました。
◆抗酸化作用
チトクロムc法によって抗酸化活性を評価した結果、シラカンバ樹液にはO2-消去能があることが確認されました。また、たんぱく質を除去した樹液にもO2-消去能が確認されたことから、たんぱく質以外の金属イオンが関わっていることも示唆されました。
◆保湿作用
シラカンバ樹液には表皮が生まれ変わるためのターンオーバーにおいて細胞の正常な分化を促進させることが知られています。この表皮細胞分化を促す働きによって、皮膚に潤いを保持する機能に優れた角層を形成することが期待できます。さらに、水分保持に関わる2種類のたんぱく質(インボルクリン、フィラグリン)の産生促進効果も知られており、水分保持機能に優れた角層の形成を促すことが知られています。
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生産国(地)または原産国 | 日本(北海道) |
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関連リンク | http://www.unial.info/materials/domestic.html |