「酵母プロテイン」は、グルコースを原料にパン酵母(S.cerevisiae)で発酵・抽出した高タンパク質原料です。「酵母プロテイン」はタンパク質を80%含み、BCAAをはじめアミノ酸バランスに優れています。人体に必要なすべてのアミノ酸と非動物の新しい供給源として、動物性タンパク質と大豆タンパク質のユニークな代替品です。
【 POINT 】
・酵母から単離(タンパク質高含有)
・栄養価の高いプロテイン
・緩やかな消化
・循環した生産による供給
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■ 各種プロテインとの比較
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【 消化速度比較 】 ※ 参照:右の折れ線グラフ
「酵母プロテイン」 VS 「ホエイプロテイン」 VS 「大豆プロテイン」
~ゆるやかな消化吸収速度~
「酵母プロテイン」の消化は「ホエイプロテイン」および「大豆プロテイン」より遅いため、満腹感を高め、アミノ酸を持続的に供給します!
【 タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア 】 ※ 参照:下中央の棒グラフ
「大豆プロテイン」 VS 「ホエイプロテイン」 VS 「酵母プロテイン」
タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア法(PDCAAS)で品質を評価したところ、「酵母プロテイン」のスコアは「ホエイプロテイン」と同等であり、「大豆プロテイン」より高いことがわかりました。
~タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア法(PDCAAS)とは?~
・アミノ酸スコアは、タンパク質の質を評価する数値で、指数は 100 が最高値です。
・体内でつくることができない必須アミノ酸が、どのくらいバランスよく含まれているかを示します。
・数値は高ければ、人体に提供できる必須アミノ酸の種類は多いです。つまり、品質が良いことを表します。
【 タンパク質効率化 】※ 参照:左下の棒グラフ
「ホエイプロテイン」 VS 「酵母プロテイン」
~タンパク質効率比(Corrected)とは?~
・食事タンパク質の栄養価を判定する生物学的方法の一つです。
・食べたタンパク質 1g あたり何 g 体重が増加したかを示す値で、「酵母プロテイン」の効率比は「ホエイプロテイン」より高い数値です。
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■ 各プロテインの栄養素組成の比較
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タンパク質の含有量は高く、食物繊維も豊富なので、腸管の健康に良く腸内細菌叢の正常化に役立つと考えられます。
「酵母プロテイン」
タンパク質(乾燥物換算)80%
脂肪3%
灰分2%
食物繊維10%
「ホエイプロテイン」
タンパク質(乾燥物換算)80%
脂肪5.6%
灰分4%
食物繊維5.4%
「大豆プロテイン」
タンパク質(乾燥物換算)65%、
脂肪1.7%
灰分5.4%
食物繊維20.9%
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■ 持続可能で、地球環境に優しい原料!
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「酵母プロテイン」は、製造工程における消費エネルギー量が低いため、動物または植物由来のプロテインと比較して省エネです。酵母発酵に必要な栄養分は、サトウキビ糖およびビート糖ですが、「酵母プロテイン」の産業廃水は、サトウキビとビートの栽培の際に有機肥料として使えます。製造過程で発生する二酸化炭素排出量と水の使用量は、動物および植物プロテインと比較して少量です。
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■今後の動向
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[ 臨床試験進行中 ]
・「酵母プロテイン」摂取が筋肉に及ぼす影響
・腸内フローラ調整作用とサルコペニア予防効果
[ 臨床試験準備中 ]
・「酵母プロテイン」経口摂取における体内動態調査(「ホエイプロテイン」との血中アミノ酸濃度比較)
(ご参考)
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■ 代替タンパクのトレンド(市場)
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ガソリン車 ⇒⇒⇒ 電気自動車
牛(動物性)⇒⇒⇒ 植物性、微生物、昆虫
\\\ 代替タンパクのキーワード ///
「フレキシタリアン」
・「フレキシブル」×「ベジタリアン」
・ ゆるい菜食主義者(ゆるベジタリアン)
・ 健康面の配慮、環境問題に対する意識
「サステナビリティー」
・ 持続性
・ 環境問題・食糧問題に対する意識
健康志向の高まりを受け、プロテイン関連市場が拡大を続けている。乳や大豆を原料とするいわゆるプロテインは、もはやボディビルディングに勤しむ…