冷え症改善素材 ショウガ麹【ヤヱガキ醗酵技研株式会社】

冷え症の女子学生5人の被験者に500mgの各サンプルを摂取後、20度の水に左手を1分間浸けてもらう。その後、5分から30分で指先温度を解析する。その結果、ショウガ麹摂取群では、一般的なショウガより体温回復効果が高いことが確認された（図）。

さらに両群とも15分後に皮膚表面温度が約4度上昇した後、ショウガ粉末摂取群では皮膚温度が低下したのに対し、ショウガ麹摂取群では、皮膚温度上昇効果を維持した。このことから、ショウガ麹は一般的なショウガを上回る皮膚温度上昇の持続効果が得られる可能性が示唆された。

ココでのポイントは、ショウガの体温上作用に加え、食事による咀嚼、消化、吸収、代謝などに伴い発生する熱エネルギー、食事誘導性熱産生との相乗効果が考えられる点だ。人工胃液を使った実験では、ショウガ麹と乳タンパク質を同時摂取することで、ショウガ麹に含まれるプロテアーゼ活性が乳タンパク質を分解、食事誘導性熱産生による体温上昇作用も期待でき、熱産生相乗効果もあることが示唆されている。麹パワーによる食事誘導性熱産生とショウガの体温上昇作用の相乗効果により、冷えに対する有効性が増強したと考えるのが自然だろう。

血管幅拡張効果についても、プラセボ、ショウガ、ショウガ麹各サンプルで500mgを摂取した後、20度の水に左手を1分間付け、10分後に末梢血管幅を測定。その結果、一般的なショウガに比べ、ショウガ麹摂取群では血管が有意に拡張することが確認された（図）。

脂肪蓄積抑制についても、ショウガ麹は一般的なショウガに比べ、脂肪蓄積を抑制することが確認されている（図）。

また、食品の軟化作用についても、市販鶏ミンチ肉にショウガもしくはショウガ麹を5％添加し、20gずつ小分けして冷蔵庫で熟成した後、ヘルシオを用いて調理し（250℃、13分）、硬さを測定。ショウガ麹では食肉を軟化することが確認されている（図）。

さらに、ショウガ麹を調理前にまぶし、冷蔵庫で熟成させた鶏ミンチ肉で行った官能試験でも無添加のモノに比べ、美味しさを向上させることが分かった。アスパラギン酸やグルタミン酸、アラニン、ロイシンなどのアミノ酸が、ショウガ麹をまぶし、熟成したことで、肉から遊離したことが原因と考えられる。