情報提供 : キユーピー株式会社
ヒアルロン酸のパイオニアメーカー、キユーピー株式会社。
30年以上の研究で蓄積された知見やノウハウは他の追随を許さない。そんな同社が、新たなステージを見据え、5年以上の開発期間を経て、“次世代のヒアルロン酸"をつくりあげた。超低分子ヒアルロン酸「ヒアロナノ®」だ。
ヒアルロン酸を熟知する同社にとって、ニーズに合った製品づくりができるのは大きな強み。分子量を自在にコントロールする独自技術によって、クライアントの要望に合わせたヒアルロン酸が生産される。そんな同社が“次世代のヒアルロン酸"として、開発したのが食品用の機能性ヒアルロン酸「ヒアロナノ®」だ。
分子量の高低は、吸収速度の差の指標とされるが、ヒアロナノ®は、なんと平均分子量2,000で極限まで低分子化した機能性ヒアルロン酸だ。
ヒアルロン酸の低分子化を進めると、通常のヒアルロン酸と同様の製法では製造ができなくなる。そのため、開発は困難を極めた。
ヒアルロン酸の極限までの低分子化。通常なら検討もされないかもしれないチャレンジだが、その背中を押したのはヒアルロン酸を熟知するパイオニアメーカーとしてのあくなき探究心だ。高分子でも吸収することが分かっているヒアルロン酸。より低分子化することで何が起こるのかーー。そうした可能性の追求が、研究の原動力となった。
同社独自技術で極限まで低分子化された「ヒアロナノ®」は、優れた吸収速度を誇る。細胞試験での分子量5,000以下の対照群との細胞へ透過速度の比較では、2.6倍の吸収速度が確認されている(図参照)。
動物試験による肌の炎症因子抑制の確認も行われている。マウスに7日間ヒアロナノ®を経口投与し、UV(80mJ/㎝2)を照射後、皮膚の炎症因子の遺伝子発現量を確認。その結果、ヒアロナノ®摂取により、紫外線照射による肌の炎症が抑制される可能性が確認された(図参照)。
試験群:UV(-)対照群、n=5
UV(+)対照群、n=6
UV(+)ヒアロナノ®(200 ㎎/kg・BW)群、n=6
試験方法:マウスに試料を7日間経口投与し、
投与7日目に、UV(80mJ/cm2)を照射後、
皮膚の炎症因子の遺伝子発現量を確認した。
まだまだ研究は序章だが、この2つの結果からもヒアロナノ®の限りない可能性が広がる。体内で素早く吸収されることにより、より優れた効果が期待されるからだ。そもそもヒアルロン酸は、生体内のあらゆる臓器や結合組織に存在する。もちろん体に必要だから存在する。それが経口で素早く吸収されるならば、これまでのヒアルロン酸が示してきた機能性に、なんらかのプラス作用が期待できると考えるのも自然だろう。
現状では肌の保湿がメインの訴求となっているが、今後研究が進むことで、さまざまな展開が考えられる。光老化対策やシワなどのほか、体内からのアンチエイジング訴求など、“ヒアロナノ®"には、限りない可能性が詰まっている。従来のヒアルロン酸との組み合わせによる付加価値のある提案も可能となる。その意味で、ヒアロナノ®は、同社の新たなステージの主役となりうるポテンシャルを秘めたヒアルロン酸といえるだろう。
2008年3月明治大学農学部農学研究科修了。2008年4月キユーピー株式会社研究所入社。現職キユーピー株式会社研究開発本部商品開発研究所ファインケミカル開発部研究員。機能性食品の開発や、医薬用素材の開発に従事。
低分子にすることで、これまでと全く異なる製法が必要であり、開発は簡単ではありませんでした。それでもつくる以上は良いものをつくろうと、ヒトの腸に存在する最小レベルを目指しました。低分子になるほど吸収は速くなるので、ヒアルロン酸のさらなるポテンシャルが期待できると考えています。分子量の高低による組み合わせで、ダブルもしくはトリプルでのヒアルロン酸という提案も考えられます。単純な保湿やシワにとどまらず、内側からのアンチエイジングにも期待が広がります。ヒアロナノ®で、新しい領域を開拓し、さらなる一歩踏み出していきたいと思っています。
【キユーピー株式会社】
キユーピーグループが1年間に使用しているタマゴは約40億個。タマゴには生命の誕生に必要な成分すべてが含まれていることに注目し、これらを有効に活用するために発足したのが、キユーピーのファインケミカル。食品はもちろん、化粧品や医薬品まで幅広い分野で数々の製品を生み出しています。さらに新規原料・先端技術の開発にも挑戦し、未来を切り開く機能性商品を提供していきます。
■ 所在地
東京都調布市仙川町2-5-7
仙川キユーポート
http://www.kewpie.co.jp/
finechemical/
- キユーピー株式会社
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