医療費を圧迫する生活習慣病予防対策として特定健診・保健指導の実施が発表されて以降、 メタボ関連の原料市場にはさまざまな対応素材が登場している。
だが、乱立ぎみといっていいほどの状況に加え、医薬品の"逆襲"もあり、いまだ本命不在といえる。
いよいよ4月からスタートする"メタボ健診(特定健診)"を前に、混沌と活気が同居する5000億円市場を さまざまな角度からレポートする。
高脂血症、高血糖、高血圧。ウエスト周囲が男性85cm、女性90cm以上に加え、これら3つのうち二つ以上が該当すれば、メタボリック症候群。メタボリック症候群のページはコチラ >>
その予防が目的となることから、健食市場におけるメタボ対応素材は、「3大要因」に深く関与する「脂肪」の働きを助ける機能を訴求するものが主流となる。
これらが"本命候補"といえる。
なかでも脂肪燃焼作用が期待されるL-カルニチンは、消費者にとって分かりやすく、すでに認知度、実績もあり有望だ。実績と知名度という点では、ウコンも注目される。肝機能改善での抜群の認知度に加え、脂肪燃焼のデータも報告されている。40歳以上の"支持者"が多いのも追い風だ。
新規素材では、シナモンを抽出したシニュリンPFが、機能性とシナモンの知名度の点で注目される。海外での豊富な研究データもあり、メタボ対応素材としての完成度は高い。もともと血糖値低下や血圧低減作用で登場したオリーブ葉抽出のオピエースも研究が進んでおり、期待される。漢方系の大根の種は、代謝アップなどが期待される素材で、“医薬品”のヒットも追い風となっており、抜け出す目はある。
7週齢のC57BL6Jマウスを3群(対照群、ウコン低用量群、ウコン高用量群)に分け(n=6)高脂肪食またはウコン末(日本粉末薬品製)混和高脂肪食を与え、飼育期間中は体重変化、摂取カロリー、試験終了時には血中トリグリセリド、コレステロール、肝臓重量、肝脂肪、脂肪組織重量、脂質代謝系酵素活性を測定した。
その結果、ウコン末は、高脂肪食負荷マウスの体重増加、総脂肪組織重量の増加、血漿および肝臓内中性脂肪の増加、をそれぞれ抑制した(図1参照)。
また、β酸化酵素ACOの活性を亢進させることにより、脂質の燃焼を促進し、酵素CPTを亢進することで脂質の運搬を促進。脂肪をより燃焼しやすくすることが確認された。
ウコン粉末添加飼料郡(2.5%T群、5%T群)ではcontrol群(HF群)に比べ体重あたりの総脂肪組織重量の有意な低減が認められた。
L-カルニチンは、ロンザジャパンが国内市場のシェア8割以上を独占する。地に足の着いたPRでしっかりと育て上げてきた素材だけに、メタボでの訴求も脂肪燃焼という切り口に加え、食事と運動を補完する栄養素であることを啓蒙しながら拡販を図る。共役リノール酸は、コグニスジャパンが豊富なデータを揃え、独食品GMP取得工場製の「トナリンCLA」を展開。ウコンは日本粉末薬品が、従来の肝機能改善訴求に加え、メタボ対応素材として各種脂肪の燃焼のデータを公開するなどし、「宴の友」としてのイメージにプラスαして、さらなる上積みを図る。
シニュリンPFは、旭合同が日本での独占販売権を持ち、展開。海外での豊富な研究データなどを武器に乱立市場に斬り込む。オピエースは、エーザイフード・ケミカルが約3年前から扱い、メタボ対応素材としてのデータを充実させ、商機を狙う。大根の種は、漢方健康食品大手のシンギーが扱い、女性向けメタボサプリの切り口で末端商品も販売する。
企業名 | 動 向 |
---|---|
ロンザジャパン | 認知度追い風に燃焼系メタボ素材としてカルニピュア拡販 |
旭合同 | 海外での豊富なデータ武器にシニュリンPFで乱立市場に切り込む |
シンギー | 脂肪燃焼など漢方系の脱メタボ素材・大根の種を展開 |
エーザイフード・ケミカル | 血糖値、脂肪量、血圧の低下作用を備えるオリーブ葉抽出のオピエース |
日本粉末薬品 | 認知度高い肝機能改善作用に加え脂質燃焼でも訴求し、上積み図る |
コグニスジャパン | 紅花種子原料の共役リノール酸「トナリンCLA」 |
いよいよ目前に迫った"メタボ健診"。市場活性化への期待が高まる反面、動き出すのは関係者の間では「2、3年後」との見方が強い。そういった状況に加え、健食原料は、新規素材から従来の訴求ポイントに新たに抗メタボの知見をプラスしたものまで多様な商材が登場し、混沌としている。今後、"メタボ健診"の浸透ぶりをにらみながら、いかに明確なエビデンスを揃えられるかが、「本命」へ抜け出るポイントとなりそうだ。
L-カルニチンは脂肪そのものと結合し、脂肪の燃焼炉と呼ばれるミトコンドリア内に脂肪を運ぶいわば「脂肪の運び屋」です。
脂肪は単独ではミトコンドリアに入ることができないため、他の栄養素では代替できない重要な役割を担っています。石油ストーブに例えると燃焼させるために石油をポリタンクからストーブへ移す際のポンプの役割を果たすのがL-カルニチンといえます。ポンプは人の基本仕様として備わっていますが、年を重ねるにしたがって、体内でのL-カルニチン量は減少します。それを増強する、つまり脂肪の燃焼をアシストするという点でL-カルニチンは中高年以降のメタボを予防するのに有効といえます。
私どもとしてはL-カルニチンは摂取したから運動しなくていい、暴飲暴食してもいいというものとして考えて欲しくないと思っています。つまり、脂肪を燃やすことを心がけた生活をして、インとアウトをしっかり管理していただき、その上でメタボとの関係においてL-カルニチンを推奨したいと考えています。
肉類に多く含まれるL-カルニチンは日本食において、不足しがちですが、一方で日本食は欧米食と比べれば低カロリーでヘルシーな食事であるといわれています。そうしたバランスの中で日常生活の中に不足しがちな栄養素の補完役としてL-カルニチンを取り入れていただければ、食事と運動というメタボ対策の基本をより効果的に実行できると考えます。
弊社で行ったインターネット調査ではL-カルニチンの認知度は半数近くにのぼります。さらに脂肪を燃焼させる素材であるということも知られています。その点でBtoB向けには売りやすい素材といえるでしょう。錠剤、ドリンクなど多様な形態に加工でき、なにより、他のものでは代替できないユニークな存在であり、多様な素材と組み合わせていただける点でも優位性があると考えています。
メタボはどちらかといえばお医者さん畑の話ですが、今後は、さらに裾野を広げる意味でもそういった方面へもL-カルニチンの情報を提供しながら、展開していければと考えています。
京都大学経済研究所先端分析センターの古川雅一氏は、「第13回健康食品フォーラム」で「健康食品による医療費削減の可能性」と題し、講演。経済的側面から健康食品の医療費削減効果を分析した。
それによると例えば平均身長(BMI=23を基準)の男性がBMI30を超えると糖尿病の医療費は2.5倍、高血圧は1.3倍に増加。また、メタボの期間が10年の場合の年間医療費は26万円、1~5年の場合、19万円に削減される試算を明らかにした。
それらを踏まえ、古川氏は健康食品の利用が医療費を削減する要因になりうるとの見解を示した。
メタボ関連市場では「脂肪」の働きを助ける機能をヘルスクレームとしたトクホが、分かりやすさもあり、うまみをすくっている。
そうした中「食後の血糖値が気になる方に」と血糖値に訴求したカルピスの「健茶王」は安定した支持を維持する。
血糖値の上昇を抑える低GI製品のニーズも着実に上がっており、今後、特定健診・特定保健指導が浸透すれば、血糖値への理解も深まるとみられており、注目される。
スリム生活は、シンギーが販売するメタボ対応のサプリメント。メタボでは珍しい女性向けという切り口で便秘改善、など解毒を中心とした作用で代謝を促進させ、生活習慣病を予防する。
漢方にならった処方で胃腸の運動を活発するなどの作用がある大根の種などを含有する。
ファンケルからは、メタボに着目した中高年向けサプリメント「ミドルナビ」が販売されている。
ガルニシアエキスのほか、ウコン、ニームリーフなどを配合する。
日立製作所は、人の動きや脈拍、体温、睡眠時間などを24時間連続して測定・記録し、無線でパソコン配信できる腕時計型センサネット端末「日立AirSenseエントリーモデル 02Plus」を発売した。
同製品は、腕時計とほぼ同じサイズ・形状で装着しているだけで、自動的に各種データを測定・記録する。データは無線ネットワークにより、リアルタイムでパソコンに配信。アンテナの到達圏内は約100メートル。圏外にいるときはデータを蓄積する。測定誤差は数%という。
利用者の負担なく生活リズムを把握できることから"メタボ対策ツール"として、期待される。価格は、端末、専用ソフトなど込みで50万円。
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