昭和34年香川県小豆島の醤油製造業の二男として生まれる。昭和58年明治大学商学卒業。昭和58年(株)純正食品マルシマ入社、平成11年7月に同社代表取締役に就任。平成14年3月より特定非営利法人全日本健康自然食品協会(NPO全健協)理事長就任。
“有機食品”というと、有機JAS法で規定されて、近年やっと市民権を得た感はあります。しかし、“自然食品”といわれると、言葉はずっと以前から認知されているにもかかわらず、これほど各人の認識がバラバラなものは無いし、実際に言葉の意味を万人が納得できる明快な説明ができる人はいないであろう。一般的には人工的な肥料、香料、色素、防腐剤等々を使用していない食品と認識されているであろうが、何をもって人工的かというと更に判らなくなる。
NPO全健協が認識する自然食品の概念は大きく2つある。先ず1つは、その生産者や製造者が完成品に至る過程や工程の、偽り無い「説明責任」が果たせるかということ。食品として人の体をつくるという安全性の面よりも、生産段階において経済的合理性のみが優先されていないだろうか。なぜなら、日本においては危険であると認定されていないが、安全であるとの証明もなされていない添加物や加工助剤が、現在、大量に使用許可されているからだ。過去に健康被害がでて社会問題になった原因物質も、当時は使用許可されたものであった。最終消費者は食品に何が使用されているか知り、判断する機会が与えられなければならない。
2つ目は食品に「歴史」があるかということ。新薬では臨床試験が優先される。いくら原料が天然由来で、その製法の安全が証明されたものであったとしても、複雑な構造を持つ人体に及ぼす影響は人知では計り知れないことが未だ多くあり、それは食品も薬も同じである。ある程度の変遷を経ながらも人類に長年食され続けて生き残った食品は、その食材あるいは加工の安全性を歴史が証明したと判断してもよかろう。また、食品が人体に及ぼす影響として、健康維持また健康増進においても科学的根拠よりも経験というものを重要視しなければならない。経験は、人体にとって安全を証明する何より勝る要因と考える。