情報提供 : ヤヱガキ醗酵技研株式会社
7種類の穀物に麹菌を植え、発酵させたものが多穀麹®。元来、優れた栄養素を含有する穀物が、麹菌の力により分解・発酵し、麹菌由来の酵素活性など更なる機能が付加され、機能性素材として生まれ変わるのは神秘的ですらある。便通改善、脂肪蓄積抑制作用などが期待される抗肥満素材として、機能性素材市場に切り込む、ヤヱガキ醗酵技研の純和風の注目成分『多穀麹®』のヒミツをクローズアップする。
350年の歴史を誇るヤヱガキ酒造のDNAを受け継ぐ同社は、培った酒造りのノウハウを最大限に活かし、機能性食品の開発を続ける。多穀麹®もその一つ。あわ、ひえ、きび、米、大麦などの複数の穀物を浸水後、蒸し、放冷して麹菌を植え、発酵。その後、成分を均一化するために粉砕することで生成される。これまでの麹では、どうしても雑菌が混じる問題があったが、多穀麹®では、製法の工夫などで無菌化に成功。機能性素材として多様な活用が期待される。
同様のプロセスを米や大豆で経た場合、味噌や日本酒が生まれることになるが、それが複数の穀物の場合、何が起こるのか…。炭水化物、タンパク質、脂質などの成分値には大きな変化はないが、麹菌由来のα-アミラーゼ、酸性アミラーゼ、中性プロテアーゼなどの酵素活性が多穀麹®で確認される。つまり、複数の穀物が、麹パワーで多穀麹®に生まれ変わることで、穀類の栄養機能はそのままに、でんぷんやタンパク質を分解する酵素活性を有する付加価値の高い食品素材に生まれ変わる。
人間の消化酵素は、加齢とともに減少する。加工食品を多く摂取すると、食物酵素を補えず、消化酵素を浪費することになる。多穀麹®は、それを補う素材としても期待されるが、その安定性はどうなっているのか。多穀麹®50Mの酵素安定性は、加速試験で実証されている。酸性および中性プロテアーゼとも、海外の酵素製材より安定していることが確認されている(表)。
消化・吸収を改善する効果が期待されることで、便通改善、脂肪蓄積抑制にもつながると考えられる。そうした仮説のもと、マウス試験では、多穀麹®50Mを3%添加した餌を摂取した群が、コントロール群に比べ脂肪組織重量が減少。脂肪蓄積を抑制することが確認されている(表)。
さらにヒトへの作用も確認されている。体脂肪率28%かつBMI20以上の女子大学生(平均年齢20歳)をプラセボ群と多穀麹®50M群の各10人2群に分け、プラセボ群は、酵素活性を失活させた多穀麹®、多穀麹®50M群は多穀麹®50Mと酵素活性を失活させた多穀麹®50Mを混ぜた顆粒を使用。1日3gの摂取とし、3か月連続摂取した。
その結果、多穀麹®50M群で、体脂肪率、体脂肪量がともに減少し、体脂肪蓄積を抑制することが確認された。腸内環境においても、ビフィズス菌や乳酸菌などが増加し、多穀麹®50M群でその改善が認められている。なお、この結果は、平成27年度の第12回アジア栄養学会議で発表されている。
メカニズムの解明には至っていないが、酵素活性による消化・吸収の改善。それに伴う、腸内環境や便通の改善、脂肪蓄積抑制へつながることが鮮明になるエビデンスが、これまでに数多く蓄積されている。
粉末状で吸湿性のない同製品は、カプセルや打錠などのサプリメントはもちろん、一般食品へも利用でき、抜群の扱いやすさがある。なにより麹は、食経験が豊富で、安心・安全という面では、申し分ない。殺菌タイプもあり、より幅広い活用が可能なラインナップとなっており、日本人向けの差別化製品を検討しているなら、その利用価値は非常に高いといえる。
機能性表示食品制度の盛り上がる健食市場。日本古来の食品とその加工技術を駆使した同素材は、地味ながらも健康意識の高い日本人を刺激するには十分な潜在力を秘めており、ホンモノが評価される時代だからこそ、脚光を浴びることになりそうだ。
【ヤヱガキ醗酵技研株式会社】
食品用天然系色素、醗酵調味料、バイオ関連原料、機能性食品等の製造販売
■ 所在地
〒679-4298
兵庫県姫路市林田町六九谷681
TEL:079-268-8070
https://www.yaegaki.co.jp/bio/
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