香料発祥の地 南フランス・グラース。香料産業の聖地として、ユネスコ(国連教育科学文化機構)の無形文化遺産に登録されているこの地で、天然香料サプライヤーとして200年近い歴史を誇るのがロベルテだ。創業以来、天然にこだわり続け、いまでは天然香料の取り扱い高で世界一を誇っている。
地中海から続く南斜面で海抜700メートルに位置し、後ろはアルプス、長い日照時間、温暖な気候、石灰岩質の水捌けの良い地盤、丘陵地形…。さまざまな条件が重なり合った特有の環境。自然の恩恵をたっぷり享受するこの地こそが、グラースが天然香料の聖地と言われる所以である。
同地における香料産業の起源は16~17世紀にまでさかのぼる。以来4世紀以上、脈々と伝統は受け継がれ、ロベルテは文化遺産として、この産業を語る上で不可欠といえる存在だ。創業時から家族経営を貫き、4代に渡り香料産業の伝統を守る一方で、世界市場に進出し技術革新にも積極的に取り組みながら拡大を続けている。
最大の強みは、芳香植物の抽出技術と調香技術だ。自然の力を最大限に引き出すことに注力し、磨き上げた技術は神秘的とさえ言えるほどに追求され、他の追随を許さない。
長い歴史の中で培った深い信頼関係で繋がった世界中に広がる原料サプライチェーンも同社の強みだ。これにより、コントロールが難しいとされている天然原料の品質、価格、そして供給の安定化を実現する。
グループは、天然香料部門、フレグランス部門、フレーバー部門、ヘルス&ビューティー部門の4部門から成る。調合品においては、パフューマー・フレーバリストそれぞれが豊富な天然原料パレットを持ち、革新的なクリエーション力で、共に無二の地位を築いている。
天然素材の種にはじまり、最終調合品に至るまで全工程を垂直統合・管理する(Seed to Scent®)ことで、透明性、安全性、持続可能な開発を追求。天然原料で揺るぎない信頼を獲得し、唯一無二の原料メーカーとしてそのポジションを確固たるものにしている。
いまや世界市場を網羅する同社。こうした展開に合わせ、製造拠点は世界30か所、研究拠点は14か所、営業拠点は80ヵ国、パートナーシップは14拠点で展開している。
また、革新的製品開発により、フレグランス、フレーバー、天然香料、機能性原料と幅広く、売り上げも順調で進化と成長を続けている。
日本においては1974年より「株式会社ロベルテ」が市場開拓を担う。香料会社各社、化粧品・トイレタリーメーカー、飲料メーカー等に拡販し、天然香料のサプライヤーとして確固たるポジションを築いている。
同社は、ロベルテグループより古い歴史を誇った南仏の天然香料会社のシャラボの日本支社とロベルテ日本支社が融合する形で、販売活動を展開。日本市場にローカライズした戦略で、着々と市場拡大を図っている。
少人数のチームながら、日本支社は本社との綿密な連携をもとに、セールス、カスタマーサービス、レギュラトリー、マーケティングが、日本全国のカスタマーの要望に、丁寧で的確に対応。4部門に渡る天然原料の様々な可能性を提案している。
天然香料部門
世界60か国から約1100種の天然香料を扱っております。伝統的な天然香料から、最新の抽出技術を使った天然香料まで、ロベルテグループにしかない天然原料をご紹介しています。
フレグランス部門
主にトイレタリー製品向けの調合香料は、フランス本社のパフューマーによるクオリティーの高い香りをご紹介しています。ナチュラル100%、精油のみの調合品、様々な機能性香料もご提案しています。
フレーバー部門
フランス本社のワールドワイドの感覚を持ったフレーバリストと、豊富な経験があり日本の嗜好性を知り尽くした日本のラボスタッフが協力して、国内の顧客のニーズに合ったクリエーションをご紹介しています。
ヘルス&ビューティー部門
2014年に参入したこの分野で弊社はまだ知名度がない為、多くの展示会に積極的に出展してプロモーションをかけています。 抗酸化酵素SOD Bや、植物性セラミドLIPOWHEAT™ KERANAT™が既に成功を収めています。
伝統的な蒸留や溶剤抽出はもちろん、最新のフラクション技術や、分画蒸留、超臨界抽出などの技術を駆使した新原料、またオーガニック香料や特許技術を使った革新的な機能性原料など、多様な天然素材は独自性が強く、日本の天然原料市場でもその存在感を急速に高めている。
ロベルテグループは2022年、会長と最高経営責任者のポジションを分離。グループのガバナンスを確実にするため、CEOにジェローム・ブリュアが就任した。
同氏は、「天然原料分野での世界的なリーダーシップ確立」「会社の継続的な成長」「オペレーションの近代化」の3つのミッションを掲げ、ロベルテのさらなる発展を担う。
最近まで日本でフランス大手化粧品会社の社長を務めるなど、日本市場に詳しく、長年、ブランドビジネスに携わっている同氏は、日本市場について「非常に魅力的なマーケット。 日本の消費者はナチュラル商品への関心が深く、同時に最高の品質と誠実性を求めている」と今後より注力していく方針を明らかにしている。
●本社 - ●日本支社
- ●1850年:南フランス・グラースにて、Francois CHAUVE, Jean-Batiste MAUBERTにより創業
- ●1923年:Maurice MAUBERTが経営を継承。数々の原材料供給源とパートナーシップを確立
- ●1929年:日本国内エージェントを通して、ロベルテ製品の輸入、国内販売を開始
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●1961年:Jean MAUBERT、Paul MAUBERTが新世代として、香粧品用調合香料(1953年)、
フレーバー事業へ(1964年)参入 - ●1974年:株式会社ロベルテ設立
- ●1980年代:日本オフィスにフレグランスラボを設置
- ●1993年:Philippe MAUBERTが4代目最高経営責任者として就任
- ●1997年:日本オフィスにフレーバーラボを設置
- ●2002年:100%ロベルテ資本の株式会社ロベルテを設立
- ●2007年:SAPAD(オーガニック香料・フランス)の株式取得
- ●2014年:Health & Beauty有効成分の部門設立。HITEX(抽出・フランス)、BIONOV(有効成分・フランス)の株式取得
- ●2016年:SIRIUS(オーガニック香料・フランス)の株式取得
- ●2020年1月:ROBERTET S.A.がCHARABOT S.A.を吸収合併
- ●2020年7月:株式会社ロベルテがシャラボ株式会社を吸収合併
- ●2021年:KLERSUN(CBD・アメリカ)、ALPONICS (CBD・スイス)、ECOM FOOD(フレーバー、 有効成分・カナダ)、ASTIER DEMAREST(原料・フランス)の株式取得
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●2022年:OMEGA INGREDIENTS(フレーバー・イギリス)の株式取得
Jerome BRUHATが最高責任者に就任
認知度向上とさらなる市場拡大を
天然香料は自然で繊細な香りを持っている一方、扱いが難しく不安定な側面があります。
創業時から天然にこだわるロベルテは、芳香植物の抽出技術と調香技術を磨き上げ、天然原料を知り尽くしているからこそ高まるニーズにも十分に対応が可能です。
商業的には合成香料が主流ですが、昨今は「エコ」「持続可能」が強く叫ばれ、これらはまさにロベルテが創業以来、貫いている姿勢と重なります。いままさに、ロベルテにとって強い追い風が吹いている状況です。
株式会社ロベルテは、9年前から私が代表を務めています。2020年に、グラース発祥の天然香料の2大老舗であるロベルテとシャラボが統合することにより、日本市場に天然香料を拡販してきています。
2022年にグループの新CEOに就任したジェローム・ブリュア氏は日本通であり、日本市場にも力を入れています。
グローバル化を推進するにふさわしい手腕を持つ新しいCEOのもとで、我々はこれまで以上に日本市場の拡大を図るべく、ロベルテのブランド力を最大限に活かしながら、天然原料のサプライヤーとしての存在感を増していく所存です。
株式会社ロベルテ
〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町2-7-13 ミリナービル
TEL : 03-3666-1241 FAX : 03-3666-1242
https://www.robertet.com/