情報提供 : 蝶理株式会社
成熟する関節対応素材市場の中で、
黒酵母由来の「ポリカン」 が注目を集めている。
骨の健康に加え、関節炎にも効果が期待でき、幅広い活用シーンが想定されるためだ。いわゆる関節対応素材とは一線を画す同素材の特長を様々な角度からレポートする。
ポリカンは、黒酵母発酵を通じて得られる水溶性の複合多糖体。食品添加物として既存添加物リストにも収載される。免疫調整作用で知られるβグルカンを含有する同素材は、関節炎へのアプローチにおいて、従来の関節対応素材とは一線を画す。
キーワードは「免疫」。そのメカニズムはこうだ(図参照)。
(1)物理的刺激や免疫の異常により、関節に炎症が発生する。その結果、(2)骨組織を壊す破骨細胞が増加。同時に(3)骨組織をつくる骨芽細胞が減少する。この状態では、(4)骨が壊れ、軟骨内骨化が進み、症状面では腫れて、発熱するなどし、関節部に痛みが起こる。ポリカンはこうした状態において、骨芽細胞を増やすとともに、破骨細胞を減らし、その代謝バランスを整えることで炎症を緩和し、関節炎へ作用すると考えられている。炎症の発生は、免疫の異常が原因ともいわれ、その調整作用が期待されるβグルカンによって、症状が緩和されるというアプローチだ。
ポリカンでは、変形性関節炎のみならずリウマチ関節炎にも作用することが確認されている。変形性関節炎(上)では、炎症対照群に比べ、有意に軟骨の厚さが回復した。リウマチ関節炎(下)では、ポリカン投与により、サフラニンOスコアが減少し、軟骨のプロテオグリカン消失抑制効果があることが分かる。
骨棘の形成や軟骨内骨化の進行など、関節炎の進行には骨の異常も関連しており、骨代謝の正常化データを揃えるポリカンは、相乗的な効果も期待できる。また、組織構成素材との高い相乗効果が期待できることも大きな特長のひとつといえる(右図参照)。カルシウムとの組み合わせによる骨強度試験、軟骨の厚さの変化。いずれの試験においても相乗効果が認められている。注目すべきは、いずれもその配合割合がポリカン1に対し、カルシウム9という点。極めて効率的に相乗効果が期待できることから、骨・関節サポート系素材の副材としても非常に有望な素材といえる。なお、1日の摂取目安量は40~150mgとなっている。
関節対応素材としての高い有効性が示されているポリカンには幅広い用途が期待される。新たな関節対応商品の主剤としての用途はもちろん、グルコサミンやコンドロイチン硫酸塩とは、互いに補完しあう関係であり、従来品のリニューアル用途でも期待できる。高齢社会の到来で、ニーズの増大が見込まれる関節サポート市場。関節炎も包括したロコモティブシンドローム対応素材としても期待でき、今後注目の素材のひとつといえそうだ。
私は、2001年以降、機能性食品成分としてのポリカンの商品化に取り組みました。ポリカンは、β-1,3-1,6-グルカンを含む黒酵母発酵物で、科学的・生物学的な機能性の検証を通じて取得したデータが豊富です。SDラットを使用した変形性関節炎とリウマチ関節炎の試験では、ポリカンの投与により、明らかな軟骨損傷の抑制効果や骨強度の上昇が見られました。さらにアメリカFDAによるGRAS認証も取得しており、安全性が確保されております。このようにポリカンは、関節炎の緩和、カルシウム吸収の促進、骨の健康等、複数の優れた効能を持つ新素材として自信を持ってお勧めできる素材です。今まで積み重ねて来た研究成果によって、これからの高齢化社会に対応する差別化できる機能性素材であると考えています。
1988年韓国国立慶北大学卒業後、遺伝子工学博士号を取得。その後、グルカン社へ入社し、ポリカンの商業生産に貢献した。応用細菌学とバイオテクノロジーに関連した80以上の研究論文と18の特許取得に携わっている。
豊富な動物試験及び人臨床試験のデータを揃えるポリカンは、開発メーカーのある韓国ではMFDSから健康機能食品の認可を受け、多くの骨対応の商品、大手乳業メーカーの機能性牛乳にも配合されている。またアメリカのFDAよりGRAS認証も受けている。
破骨細胞は元々マクロファージと起源を同じくする単球から分化しており、その二つの細胞は協調した動きをすることが近年明らかになってきている。βグルカンは過剰な免疫反応(炎症)を抑制する働きがあるが、破骨細胞の暴走も同機構で抑制されると考えられている。
【蝶理株式会社】
- ■ ライフサイエンス部事業概要
- 化粧品原材料、機能性食品原料
- 食品添加物、飼料添加物
- ■ 所在地
- 東京都港区港南2-15-3
- 品川インターシティC棟
- http://www.chori.co.jp
- 蝶理株式会社
- 東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟
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