情報提供 : 森永製菓株式会社

パセノールは森永製菓が独自開発したフルーツ由来の美容系素材。パッションフルーツの種子に豊富に含まれるピセアタンノールを活性成分とする同素材は、レスベラトロールと似た構造をしており、肌、血管への作用が確認されている。美容関連のエビデンスも蓄積され、新しいアプローチで美をサポートする素材として注目度も上昇。ここでは、最新データも交え、そのポテンシャルを掘り下げていく。

パセノールの活性成分ピセアタンノールは、その構造がレスベラトロールと非常に似ているのが特徴だ。レスベラトロールは、長寿遺伝子を活性化するアンチエイジング成分として知られ、豊富なエビデンスを誇る。ピセアタンノールにも同様の効果が期待される研究がされており、最新のデータを紹介する。


実際、ヒト単核球細胞にピセアタンノールを作用させると、濃度依存的にサーチュイン(SIRT1)タンパクの発現が増大(図1)。その効果はレスベラトロールと同等だったことが確認されている。

また、血中での有効成分ピセアタンノールの未変化体総量はレスベラトロールの2倍であることも確認されている(図2)。ラットにピセアタンノールとレスベラトロールの混合溶液を経口投与(各180μmol/kg)し、頸静脈に留置したカテーテルより8時間後まで経時的に採血。その結果、ピセアタンノールの未変化体はレスベラトロールより2倍多かった。
こうしたことからもパセノールは、新規の機能性素材として大いなる可能性を秘めていることが分かる。それはまさに磨きがいのあるダイアの原石といえるかもしれない。

高いポテンシャルを示す同素材を見出し、情熱をもって育てたのが、同社松井悠子氏。入社2年目に、同社が食品機能の新たな領域を開拓することをミッションにスタートしたプロジェクトのメンバーに抜擢されると、さまざまな候補の中からパッションフルーツの種子に辿り着き、研究に着手。試行錯誤しながら機能性素材としての土台固めに情熱を注いだ。
美肌に関する研究も進め、抗酸化力やコラーゲン産生能を確認した。機能性素材としての高いポテンシャルをひとつひとつ実証しながら、その輪郭を徐々に浮き上がらせた。

原料となるパッションフルーツは、亜熱帯地域原産で南国の太陽を存分に浴びて成長。5000種類以上存在するポリフェノールの中で、ピセアタンノールを特に多く含有する(図3)。その量はなんとブドウ果実の7000倍以上。パセノールは、このピセアタンノールを同社の特許技術を用いて高濃度抽出し、精製した素材である。食品メーカーとしての同社の矜持と実績の結晶といえるのが、同素材といえるだろう。
着々と進められる研究では、次々とその高い機能性が明らかになっている。最新の研究では、ヒトの肌における水分や弾力に関する優れたエビデンスも報告されている。

試験(ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験)は30歳以上60歳未満の肌の乾燥に悩む男女16人を対象に実施。試験飲料には10㎎のピセアタンノールを含む125mlの飲料を使用。プラセボ飲料はピセアタンノールを含まない飲料とした。摂取はそれぞれ1日3本。期間は8週間とした。

その結果、頬の角層水分量及びその変化量は、プラセボ群では角層水分量に変化がなかったのに対し、ピセアタンノール群では4週目及び8週目で有意に増大した。また、その変化量は、8週目でプラセボ群より有意に大きな値を示した。

毛穴形状については、毛穴たるみ率がプラセボ群で摂取前後で変化がなかったのに対し、ピセアタンノール群では4週目及び8週目で摂取前より有意に減少。その変化量は8週目でプラセボ群より有意に大きな値を示した。
毛穴認識面積に関してもピセアタンノール群が4週目で摂取前より有意に低下。群間比較でも4週目におけるピセアタンノール群が面積や変化量でプラセボ群より有意な改善効果が認められた。

これらのことから、ピセアタンノールは、肌の乾燥に悩む中高齢男女に対し、摂取により皮膚の潤いを保つ機能を有すると推察される。毛穴が引き締まったことからも、潤いだけでなく肌機能の様々な改善効果が期待できるといえそうだ。

ピセアタンノールを活性成分とするパセノールは、食品用途の他、化粧品用途にも対応しており、内外美容をサポートする商品展開も可能。原料のパッションフルーツは健康的なイメージが強く今後、内外から美を支える新規の美容系素材として、食品を軸にさまざまなシーンで活用されることになりそうだ。


パッションフルーツは南米原産のフルーツで、代表的な品種としてクダモノトケイソウがあります。果実は直径5~8cmのやや楕円形をしており、厚い果皮の内部に黒色の種子を包む橙黄色の透明ゼリー状の果肉小房が詰まっています。パッションフルーツは、果実を半割にしてそのまま果肉を種子ごと食べることができます。種子は噛むと簡単にパリパリと割れ、種の歯触りが楽しいフルーツです。

生果として食べられるだけでなく、果汁や濃縮したピューレは世界中で広くジュース、キャンディー、ジャムなどで使われています。種子から得られるオイルは化粧品などに利用されています。また、パッションフルーツには、ナイアシン、葉酸、ビタミンC、クエン酸、カリウム、β-カロテンなどが含まれており、さまざまな作用があると言われています。


【森永製菓株式会社】
≪事業内容≫
菓子(キャラメル・ビスケット・チョコレート等)、食品(ココア・ケーキミックス等)、冷菓(アイスクリーム等)、健康(ゼリー飲料等)の製造、仕入れ及び販売を主要な事業としております。
≪所在地≫
■本社
〒108-8403
東京都港区芝5-33-1



森永製菓は創業以来、食を通じて価値と感動を提供する企業を目指しています。パセノールは、そうした中でより健康に特化した新たな領域を創造する事業の一環として、プロジェクトがスタートしました。食を通してお客様の内から湧き上がるような健康的な毎日を支えるお役に立ちたい。そんな思いで、研究をスタート。多くの候補からパッションフルーツを選定したのは、私が幼少期を過ごしたオーストラリアで身近なフルーツだったからです。パッションフルーツのように元気でいきいきとした美しさをサポートしたい。そんな思いがありました。活性成分のピセアタンノールは、その種子に豊富に含まれています。そこにたどり着くまでも時間がかかりましたが、その先も大変でした。多くのメンバーの力のおかげで試行錯誤の末、なんとか抽出方法と加工法を確立。今では、美容関連のエビデンスも蓄積され、ようやくスタートラインに立ったというところです。化粧品原料としても展開していますので、内外美容での製品展開も可能です。今後さらにエビデンスを蓄積しながら、パセノールがパッションフルーツのように多くの人をいきいきと美しく輝かせるお手伝いができればと思っております。
- 森永製菓株式会社
- ■本社
- 〒108-8403 東京都港区芝5-33-1