創業時から手掛ける
化粧品原料を軸に、医薬品、食品向け原料の提供など幅広く展開する日光ケミカルズ(株)。
積み上げてきた技術力とノウハウで、化粧品分野ではスペシャリティーケミカルのトータルサプライヤーとしての地位を強固なものとしている。70周年を迎える2016年、同社が目指すのは、新たな軸に見据える食品市場の深耕だ。定評ある技術力の中でも特に、「乳化」を切り口に突破口を模索する同社の戦略や展望に迫る――。
1946年にアサヒ商会として産声を上げた同社は、当初から化粧品原料の提供を主軸に展開。1951年に日本初の非イオン型界面活性剤の国産化に成功したのを皮切りに、1961年には世界初の脂溶性ビタミンB6、C誘導体の開発を実現するなど、果敢に未知の領域へトライ。常に最新の技術を取り入れながら、研究開発とともに、その技術基盤を拡大してきた。
その高い技術力が特に際立つ化粧品の分野では、数多くの斬新で革新的な製品づくりに貢献。他の追随を許さないほどのポジションを確立している。輝かしい足跡とともに迎える70周年の節目イヤーとなる2016年、同社はそのウエイトを食品分野へも増していく。これまでも手掛けていたが、今後は、積み上げてきた技術力をフル活用し、アクセルをグッと踏込んでいく。満を持して本格進攻する食品市場。その武器とするのは、長年培ってきた「乳化技術」だ。
乳化とは、本来混ざり合わないものが、均一な状態となること。同社は、この技術のさまざまなノウハウを蓄積しており、あらゆる角度から乳化の可能性を模索できる。応用することで、斬新な製品開発の可能性は大きく広がり、既成概念に捉われ、付加価値を見出すのに苦心する食品メーカーや原料メーカーのブレイクスルーに貢献できる――。同社はそこに商機があるとみている。
「当社が得意な乳化は、混ぜにくい成分でも均一な状態に混ぜることです。有用な機能性素材があるのに水に溶けず飲料は諦めている、ドリンクで機能性を持つ斬新な製品をつくりたい。私どもは、長年携わる界面コロイド化学により、そういった企業さまのお役にたてると考えています。条件等の問題はありますが、基本、当社では乳化できないものはないので、まずは相談からでもお気軽にお声掛けいただければと思っています」と同社営業部長の中原氏は力強く語る。
折しも、昨年4月にスタートした機能性食品表示制度では、多くの魅力的な製品が、市場をにぎわせた。特に、飲料は、その身近さも手伝い、目につき、制度普及を加速させた主役と言っていいかもしれない。一方で、トクホ素材の転用事例が目立ち、斬新とまでいえる製品が登場することはなかった。そうした状況からも、同社の乳化技術は、2年目を迎える制度の中で、とりわけ飲料分野における斬新な製品づくりを検討するメーカーにとって、その期待に応え、可能性を切り開く、頼もしい存在といえるだろう。
化粧品分野で積み重ねた皮膚科学のノウハウを最大限に活用できるのも大きな強みだ。同社のグループ会社では、食品の摂取による皮膚改善作用の評価が可能。<シワ軽減>、<美白>、<保湿>、<育毛>をはじめとする食品の有用性試験を、細胞レベルからヒトまでを対象とした評価に幅広く対応している。新たな機能性を模索するメーカーにとっては、万全の対応環境が整っている。活力系やダイエット系が中心の機能性ドリンク市場において、美肌関連の機能性飲料となれば斬新でインパクトもあり、今後、ニーズ増大も見込まれるだけに、食品メーカーにとっての利用価値は計り知れない。
新たな機能性の発掘にとどまらず、飲料の泡立ちを高めたり、逆に、泡立ちを抑えたりといった用途・目的に応じた、総合的な食品のソリューションに対応出来ることも、頼れる側面といえる。同社のグループ会社では、顧客の研修や研究の場として「開放研究室」を設け、共同での研究・処方開発などを行っている。食品から化粧品まで、技術相談や情報提供が可能で、ユーザーの問題解決や商品設計サポートに力を入れている。
同社が基本理念に掲げるのは「創造性の涵養」。その意味は「人の創造性を養い、育てる」こと。食品分野については「もっとも後発です」と謙遜するもの、高い技術力を突破口にその深耕を目指す同社は、既成概念に捉われることなく、あくまで顧客との共同作業をするスタンスで、創業時から不変の開拓精神をもって、まだ見ぬ斬新な機能性飲料や製品を生み出すサポート力を全開にして、70年目の新局面を邁進していく――。
界面とは、物質と物質が接する境目のこと。この境目で起こる現象を取り扱う化学の一分野が界面コロイド化学。例えば、水と油をコップに入れても分離し、混ざり合わないが、スキンケアに使用する乳液、サラダにかけるマヨネーズ、キズに塗る軟膏など、水と油がうまく混ざり合ったものがたくさん存在する。これらの製品で水と油が混ざり合うのは、界面活性剤が水と油の境目の性質、つまり界面の性質を通常の状態から変化させているからだ。
同社は、エステル類の原料を、限りある石油系原料から植物由来に切り替える試みをスタートさせている。取り組みの一環として地球環境に配慮した商品「Green Sustainable シリーズ」を展開する。
中国・上海に現地法人、シンガポールに工場やR&Dセンター、販売部門を設け、海外でも化粧品をはじめとした界面活性剤に関わるビジネスの市場開拓支援を行う。上海では主に各種原料提供や情報提供、シンガポールではアジア向けの界面活性剤および化粧品原料の開発や製造、販売を行う。
≪沿革≫
1946年 | 有限会社アサヒ商会を設立 |
1949年 | 株式会社日光商会に改組改称 商標NIKKOLを使用 |
1964年 | 株式会社日光商会を日光ケミカルズ株式会社に改称 |
1970年 | 板橋区蓮根にニッコールテクニカルセンターならびに、物流管理センターを設置 |
1989年 | 川崎市かながわサイエンスパークに製剤開発センターを開設 |
1994年 | 栃木県大田原市に那須事業所を新設し、小台工場を移転 |
2005年 | 日光ケミカルズ株式会社上海代表処設立 |
2007年 | 日光化学貿易(上海)有限公司設立 |
2009年 | シンガポールジュロン工業団地にNIKKOCHEMICALS SINGAPORE設立 日光化学貿易(上海)有限公司を上海市成都北路に移転し、海外初となる開放研究室をオープン |
2015年 | NIKKOCHEMICALS SINGAPOREにR&Dセンターを開設 那須事業所を日本サーファクタント工業株式会社に生産統合 |
≪事業内容≫
化粧品・トイレタリー・医薬品・食品・一般工業用原料の販売、化粧品原料の輸出入、安全性評価・有用性評価試験の受託仲介、化粧品ビジネスのトータル・コーディネーション
≪所在地≫
〒103-0002
東京都中央区日本橋馬喰町1-4-8
TEL : 0120-037-139
FAX : 03-3662-0388
当社は、人々の暮らしに貢献することを目的に、ニッコールグループの総合力を活かして、化粧品・食品・医薬品向けの高品質な原料の製造・販売、共同での素材・処方開発、素材や最終製品の有効性・安全性評価の実施など、幅広いサービスを展開しています。
たとえば、内容物の容器付着を抑制させ「最後まで使える」メリットをもたらすことができたり、苦味のある成分の味を緩和することで飲みやすい製品ができたりと付加価値を与えるお手伝いができます。さらに、生薬や脂溶性の有効成分を酸性系やアルコールが多いドリンクでもオリ発生や分離を抑制することができ、品質向上のお手伝いもできます。 その他、健康食品などの製品化でお悩みのお客様に対して、グループの総合力と長年にわたり蓄積してきた可溶化・乳化技術で柔軟に対応していきたいと考えていますので、ぜひご相談ください。
日光ケミカルズ株式会社
〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町1-4-8
TEL : 0120-037-139
FAX : 03-3662-0388