情報提供 : 中島金属箔粉工業株式会社
創業100年超の企業はなぜ、新たなチャレンジに踏み出したのか。大正5年(1916年)創業の中島金属箔粉工業は、約5年前に新規事業として化粧品分野に参入した。100周年の節目を前に新たな進路へ歩みを進めた同社は、その先に<次の100年>をどう見据えているのか。新事業を担う担当者にその展望を聞いた。
一世紀以上の歴史を誇る同社にとって化粧品分野は門外漢。企業としての歴史が長いだけに、比例してチャレンジへの難易度も高くなる。
創業100周年を目前にした約5年前、それまで主軸だった箔事業やパッケージ事業に加え、新たな事業として動き出した化粧品事業。きっかけは、様々な取引実績の中で化粧品メーカーとも接点があり、その関わりからだった。
「ある化粧品メーカーからパッケージだけでなく充填もできないかと相談を受けた。その頃、フィルム事業も転換点にあり、我々としても変化の必要性を感じていた。そこで、それならと依頼を受けることを決め、新たな一歩として化粧品分野への進出を決めました」と現在、新規事業として化粧品部門けん引する同社営業部新規開発事業グループリーダーの吉田雅之氏は振り返る。
「よりよいものを何でも探す」「無ければ創る」は、同社創業から脈々と受け継がれるDNA。新たな一歩とはなるが、次の100年を見据えても化粧品事業への参入はある意味必然の流れだったといえるのかもしれない。もっとも、「新事業」といってもそれは同社にとってに過ぎない。すでに化粧品領域は確立されたジャンルであり、取り組む以上は他の追随では意味がない。
意を決しての船出。だが、スタート当初は、ほとんどノウハウもなく試行錯誤が続く。失敗やトラブルが発生することも珍しくなかった。それでも専門人材の採用や実績を積み上げていくことで軌道に乗り始め、徐々に土台が固まっていく。現在はオリジナリティあふれる製品づくりを視野に入れながら地に足をつけ、着々と設定目標へ向け前進するフェーズに入っている。
同社がオリジナルサービスとして2018年秋から展開開始。クレンジングクリームや化粧水など異なった剤形(低粘度~高粘度)の1回分を1パックに充填しフェイスマスクと組み合わせる事で3STEPコースとしてトータルスキンケアを1枚パックで提案することが可能に。(最大5STEPまで)同社はその加工機械を国内受託会社と協力し、日本仕様にカスタマイズして海外より輸入、【Made in japan】として高品質での製造が可能となった。
日本製としては日本初となるユニークな同パウチは、フェイスマスク収納の大きな一面に美容液、化粧水用の小さな2面を合わせた3面1セットが基本形(図参照)。応用形として、変形の3種パウチ、4種パウチ+ヘッダー、4STEP、5STEPなど抜型を作成(図参照)することでサイズ変更が可能で、用途に合わせ、さまざまなタイプを作成できる。
創造力をかき立てる独特の構造は、フェイスマスク単体のパウチではできなかった多様な展開を可能にし、メーカーにとっては既存製品に付加価値をつけての提案という活用法もみえてくる。
例えば、本来使用してもらいたい理想的なコスメの組み合わせを自然な形で誘導できるため、洗顔製品や美容液などの新製品の販促用として使えば狙い通りの効果が期待できるかもしれない。小冊子と組み合わせ、製品の啓蒙に使うのも効果的だろう。美容系雑誌の付録という展開も考えられる。そのまま、化粧水・美容液・フェイスマスクをセットにして10個1セットで販売するというのもアリだろう。
旅行用に使いきりのフェイスケアセットとして、あるいはホテルのアメニティ用など、コンパクトになることでさまざまな活用シーンが考えられる。パッケージ加工は立体アイテムを組み合わせることなども可能で、工夫次第でより斬新で強力な販促ツールとして活用することもできる。そうなれば、商品棚に置くだけで従来のポップを超越する、店頭で目を引く陳列もできるだろう。
大正5年(1916年)に印刷用金粉や金箔を扱う「金粉金箔専門問屋」として創業し、100年以上。そのきっかけは、鉛筆のネーム入れ用の金粉・金箔がないことだった。新たな挑戦となる加工、充填の先には自社での化粧品製造も視野に入れる同社。1世紀以上受け継がれる遺伝子のままに、同社は次の100年も<ないものを追求>しながら、新たな歴史を刻むべく、その歩を進めていく――。
同社のパッケージ事業は、アルミ箔の取り扱い実績で蓄積したノウハウが活かされている。この事業が化粧品業界との接点となり、表面加飾事業とも連動し、いまでは充填加工、セットアップまで幅広く対応できるまでになっているのだから、転機はいつ訪れるのか分からない…。
中島金属箔粉工業株式会社
≪事業内容≫
箔事業(販売・加工販売)
パウダー事業(販売・加工販売)
パッケージ事業(加工製造販売)
表面加飾事業(加工製造販売)
≪所在地≫
〒104-0031
東京都中央区京橋3-13-10
中島ゴールドビル
http://www.n-metal.co.jp
- 中島金属箔粉工業株式会社 〒104-0031
- 東京都中央区京橋3-13-10 中島ゴールドビル
- TEL : 03-3561-8981 FAX : 03-3561-2218
- http://www.n-metal.co.jp
- 営業部 新規開発事業 グループリーダー
- 担当 : 吉田 雅之