森永乳業がBtoB向けに乳由来プロテインを本格展開する。ドイツ「ミライ」社が製造する乳由来プロテイン「ミライプロテイン」を幅広くメーカーへ訴求。 さまざまな食品へ配合することで摂取機会の増大を目指し、日本人に不足する栄養素としてのたんぱく質摂取を啓蒙しながら、その拡販を図る。
ミライプロテインは、同社の子会社ドイツ・ミライ社が製造するたんぱく質素材。これまでに自社製造のたんぱく質として展開してきたが、今後は、ブランド訴求を強化しながら、BtoB展開を本格化。栄養素としてのたんぱく質摂取のすそ野を広げていく。
昨今、たんぱく原料の取扱量は右肩上がりとなっている。 背景には、より結果のこだわったダイエット法の広がりや団塊世代増加に伴う健康ブームなどがある。 たんぱく質を手軽に摂取できる、消費者向けの製品も様々なタイプが流通し、健康意識の高い層を中心に需要が拡大。 栄養素としてのたんぱく質への注目度は着実に高まっている。
一方で、非アクティブな層、特に20歳から30歳代の女性ではたんぱく質の摂取不足が指摘されており、摂取機会の少なさが課題となっている。森永乳業が、「ミライプロテイン」の販売戦略として着目するのはこの部分だ。
できる限り手軽に、無理なく、簡単にたんぱく質を摂取できる食環境を整える――。そこで同社が目指すのが、各食品メーカーとの“協働”だ。 採用メーカーに「ミライプロテイン配合」の表記を可能とし、森永乳業は、そのブランド訴求やたんぱく質摂取の啓蒙などでバックアップ。 多様な食品へのミライプロテイン配合で、現代日本人の栄養課題、たんぱく質不足へ切り込む。
ミライプロテインは、特段の機能性があるわけでもない、乳たんぱく素材だが、森永乳業子会社製造という安心・安全の担保がある。 国内で流通するプロテインのほとんどが自社製造でない点も、素材としてのミライプロテインの高い信頼性を裏付けるに十分な優位点といえるだろう。 森永乳業は、自社製品に配合するなどで、すでに普及へのアクションを起こしており、国民のたんぱく質不足解消へ着々とその歩を進めている。
「ミライプロテイン配合」の表記にあたっての条件は、<強調表示の基準を満たすこと>で、最低配合量の設定はない。できるだけ多様な食品への配合を可能にする最低限のハードル設定だ。 提案例としては、クッキーやビスケット、チョコレートなどの一般食品のほか、豆腐や卵など、たんぱく質豊富といわれる食品への補強素材としてなど、さまざまな展開が考えられる。
食品への素材の配合では、例えば機能性食品の場合、ダイエット素材などの配合で訴求するものが分かりやすくニーズも高いが、 栄養素としてのたんぱく質も、その重要性が浸透すれば、食品の付加価値を高めるに十分なポテンシャルがあり、新たな市場創出につながる素地はある。
たんぱく質は、日本人に不足しているといわれる栄養素の一つで、摂取が望ましいとされている。特に朝・昼での摂取不足が指摘されており、3食の中でバランスよくこまめに摂取することなどが提案されている。 いかに手軽に無理なく摂取できるようにするか。そのためにも、より多くのメーカーが採用し、多様な食品に配合されることが、その普及を加速するポイントとなるだろう。
同社のミライプロテインは、たんぱく質の中でも乳由来で栄養価の優等生と言われ、良質なものになっている。多様な食品に配合されることで、意識することなくたんぱく質を摂取する習慣がついてくれば、まさに日本のミライも明るくなるだろう。
同社が提供するミライプロテインは3タイプ。ホエイタンパクの「ミライ80」、カゼイン・ホエイが乳本来のバランス(8:2)で存在する「ミライTMP」、カゼイン・ホエイの比率が9:1の「ミライMC80」。 熱耐性や風味などを考慮し、配合製品の特性に合わせることで、さまざまな食品への配合が可能となるラインナップだ。
同社では、たんぱく質の啓蒙やミライプロテインのブランディングなどで販促をサポート。側面支援もしながら幅広い業態に展開し、手軽に無理なく簡単にたんぱく質摂取が実現する食環境の実現を目指し、その拡販を図っていく。
昨年ごろから、腹筋女子などボディメイクに励む若い女性が増加。プロテイン=筋トレマニアのイメージから、そのすそ野は広がりつつある。 昨年は鶏むね肉料理が2017年の“代表メニュー”に選ばれるなど、手軽に摂取できるたんぱく質食品のニーズが急増。たんぱく質訴求食品は、2010年比では約4倍に伸長するなど、需要拡大が続いている。
所在地は酪農やチーズ製造の盛んな南ドイツ・ロイトキルヒ市。チーズホエイや脱脂乳からさまざまな乳素材を製造している。2012年に森永乳業の100%子会社となり、2014年には約200億円を投じ、新棟を建設。生産性を向上させた。
【森永乳業株式会社】
牛乳、乳製品、アイスクリーム、飲料その他の食品等の製造、販売を行う。 機能性素材も展開し、研究開発部門では乳の優れた力を探り、最大限に活用することをメインテーマに、おいしさ、栄養、健康、安全・安心の面から追求し、製品作りを続けている。
ミライプロテインは、森永乳業の子会社ミライ社で製造するプロテイン素材。これまでに自社製品に配合するなどで展開していましたが、この夏からBtoB向けへ本格展開します。
「森永乳業のプロテイン」というところでしっかりとブランディングをしながら、手軽に無理なく簡単にたんぱく質が摂取できる食環境の実現を目指します。昨今の健康ブームでたんぱく質への注目度も上がり、健康意識の高い層へのニーズは上がっています。
一方で、厚労省の調査では、特に20~30代女性でたんぱく質の摂取が少ないという報告があります。ダイエット志向などの影響も考えられますが、たんぱく質は人間の体にとって大切な栄養素。
できるだけ摂取機会を増やせるよう、幅広い業態でお使いいただきたいと考えています。
そのために「ミライプロテイン配合」の表記についても、条件は強調表示のルールを超えていれば可能とし、最低配合量は設けておりません。
お菓子や総菜、飲料など、多様な食品に配合いただき、日本人のたんぱく質不足解消の一助になれればと思っております。