情報提供 :株式会社実正
消費者ニーズが多様化し、少量多品種への対応力が求められる化粧品市場。そうした中、常にオープンな姿勢で進化を続ける化粧品OEM企業の実生。市場の変化に柔軟に対応する同社のスタンスは、様々な顧客を呼び込み、それに応えることで、進化を繰り返す――。新たに導入した超臨界抽出法は、原料の可能性をワンランク引き上げるポテンシャルを誇る新技術。顧客にとっては、オリジナル原料の開発を推進する新たなオプションとなる。飽くなきチャレンジで、顧客満足度を追求する同社の原点を探る。
化粧品の分野ではまだなじみの薄い超臨界抽出法。導入の端緒となったのは、どんな難題もまず受け入れる同社のスタンスに帰結する。同社が、岩手大学と共同で開発し、独自原料として販売していた岩手県久慈産の琥珀。2015年に世界で初めて、配合の抗シワ化粧品を発売するなど、素材としての高いポテンシャルはすでに証明されていた。商品力は十分だが、それでも可能性があれば追求する。同社にとって当たり前のスタンスが、この琥珀パワーをさらに引き出すことにつながった。
商品としては水準に達していた琥珀。だが、抽出プロセスには改善の余地があった。そこで同社がトライしたのが、超臨界抽出法だ。化粧品業界ではまだ導入事例は少ないが、そのポテンシャルが注目されている新技術。熱湯やアルコール等で材料をなじませ、液体を蒸発させる従来の抽出法に対し、超臨界抽出法では超臨界流体といわれる液体と気体の中間といえる状態から抽出を行う。
この方法では、熱湯やアルコールを使う必要がなく、よりピュアでクリーンな状態での抽出が可能となる。そこに、化粧品原料としての琥珀のさらなる品質向上の可能性が秘められているという見立てだ。
結果、同抽出法で生成された琥珀エキスは、従来の抽出法の琥珀エキスと顕著な違いをみせる。岩手大学との共同研究の中で見出していた美白効果において、なんと10分の一の濃度で、同等の効果を示したのだ。この結果を踏まえ、同社では、他の原料でも超臨界抽出法にトライ。結果的に、ハトムギとコメヌカでも高い美白効果を確認。それぞれ「超臨界」の名を冠すオリジナル原料として商品化する成果につなげた。
飽くなきチャレンジ志向が生んだ商品力アップ。これらは、従来の抽出法による同原料を持つメーカーにとっては製品力強化のオプションとなる。そのままオリジナル原料として活用すれば、差別化製品の開発へつなげることが可能となる。さらに同社では、持ち込みでの同抽出法での採取にも可能な限り対応し、独自原料の開発をサポートする。
上記(1)のメラニン産生細胞をそれぞれ集め、メラニン量を測定した。(左グラフ)。 その結果、久慈産琥珀抽出物はメラニン量を約27%に減らしていた。アルブチンの方は約36%にメラニンを減らしていた。
新技術導入で、オリジナル原料の開発を推進する新たなオプションを加えた同社は、これまでに効能が謳える医薬部外品のレディメイド品をラインナップしている。抗炎症、ニキビ、美白などの基礎化粧品向けの5処方に対応。ゼロから手掛けるとなると申請などもあり、製品化までに長期間を要することに配慮したものだが、これらも含め、常に販売メーカーの立場に立った商品開発は、着実にクライアントからの信頼を積み重ね、同時にOEM企業としての同社の進化を推進している。
効率やビジネスより、まず顧客の声に耳を傾ける――。ここまで徹底できるのは、同社のルーツに深く根ざしているのかもしれない。前進は企画屋。もともとがOEM会社にオーダーする立場だった。だからこそ、クライアントがなにを求めているかを顧客と同じ目線で理解できる。少々困難な要望も、まず受け入れるのは、そうした原点があるからだ。
同社は、化粧品OEM企業では珍しく東京23区内に拠点を構える。それは「いろいろなコミュニケーションの手段があるが、やはりフェイストゥーフェイスは重要。だからアクセスにはこだわっています」というのがその理由。アクセスのよさだけでなく、オフィスには営業部門・開発部門が一堂に集まっており、打ち合わせの場に営業だけでなく、研究開発部門の人間も必要とあらば臨機応変に対応。それゆえにクライアントは、いろいろな側面で最初から安心しつつ、しっかりと地に足の着いた商談ができる。
「私どもは単なる受託製造(OEM)企業ではありません」と明言する同社。顧客の化粧品への思いを企画提案・開発段階から具現化し、試作品は納得のいくものができるまで何度でも無償で対応する。顧客ニーズに可能な限り対応する同社のスタンスは、多様化する一方の市場にあって、どこまでも頼もしい。大小さまざまなクライアントが、駆け込み寺のように足を運ぶのも当然だろう。
活用することで抽出プロセスが最適化され、素材本来の有効性を一層引き出すことが確認されている超臨界抽出法。とはいえ、使えば必ずしも有効性が高まるわけではない。同社では琥珀の他、ハトムギ、コメヌカで美白効果向上が確認されているが、効果が見られない素材もある。この辺りが解明されてくれば、抽出法としてさらなら進化が期待できそうだ。
植物の樹液が化石化したもの。組成成分は、もととなる植物の種類や形成条件により異なる。久慈産の琥珀には、海外産の琥珀に見られない特有の成分が含まれる。岩手大の木村賢一教授が発見した。その抽出物および特有成分のいずれにも抗アレルギー作用が確認されている。また、配合クリームは、ヒト連用試験で抗シワ効果が確認されている。
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かねてより、当社の特徴となる独自の化粧品原料、具体的には天然物エキスのような新規機能性原料を持ちたいという希望を抱いていました。しかし、容易に入手できるほとんどの天然物からはすでにエキスが採られており、旧来の方法では新規性のある原料を得ることは困難でした。そこで着目したのが、超臨界二酸化炭素を抽出溶媒とする方法です。溶媒が変われば同じ天然物からでも異なる成分が抽出されるため、違った効能効果が期待できます。しかも、この方法は化粧品業界での導入例がまだ少ないため、すでに化粧品に活用されている天然物からでも新規性のある原料を作ることが可能と考えました。そこで、超臨界法の技術を持つ大学と協力し、実際にこの方法で天然物エキスを得る技術を獲得できました。これまで開発した超臨界抽出エキスに関しては、同じ天然物から水やアルコールで抽出したエキスの持つ効能効果がさらに向上し、驚くほどの強さになることも分かっています。今後は、同様に乳化法など製剤に関する技術についても、大学をはじめとする公的研究機関との協力を積極的に進め、当社の特徴として謳える技術を増やしながら、OEM企業としてお客様に面白い提案をしていきたいと考えています。
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