モンゴルの過酷な環境が育んだチャチャルガン（サジー）

チャチャルガンはモンゴル国やチベットの厳しい環境に自生するグミ科の植物。樹高は基本的には2メートルから4メートルだが、10メートルを超えるものも存在する。幹や枝にはたくさんの棘があり、秋になるとその棘と針状の葉に守られるような形でオレンジ色の実をつける。

何よりも特長的なのはその生命力。砂漠地帯や寒冷地、高山などの過酷な環境下でも元気に生育し、砂漠の緑化にも利用されている。中国では「沙棘（サジー）」を砂漠化防止策として大規模に植林している。一方、モンゴル国では「チャツァラガン」と呼び、果実の健康利用を目的に国をあげて栽培を推進。モンゴル人の手による完全な有機無農薬栽培で丁寧に育てられている。

自生地では、薬用効果の高い『黄色いお医者さん（イエロードクター）』として珍重され、その色と価値から“黄金の果実”ともいわれる。実際、モンゴル国とチベットの代表的な古い医書である「月王薬珍」、「四部医典」、「晶珠本草」などにその薬効が記載されている。それらによると『肺を潤し、痰を除去し、咳を止め、食物を消化させ、食欲を増し、肝臓病を除去し、老化を防止する』、『サジーの種子に微量な油脂が含まれ、人体の血液を補益する』などと記されている。

中国では古来より「中国国宝」と呼ばれ、歴代皇帝が強壮効果を求めて常用した記録がある。ロシアでは、旧ソ連時代より宇宙事業の医学部門において、宇宙飛行士の保険薬品に指定されるなど、薬用としての厚い信頼を裏付ける実績がある。

モンゴル国では今でも日常の健康食として、実をつぶして砂糖やはちみつを加えたジュースを摂取するなど、健康維持に欠かせない食品として重用されている。オイルは、ノドの痛みや食道、胃のトラブルに処方される薬として使用されている。ヤケド等にも効果があるといわれる。こうした効能を裏付けるように、近年は科学的研究も進められている。

チャチャルガン油脂にはビタミンEが豊富に含有されていることが確認されており、そのことから、コレステロール抑制が期待され、メタボリックシンドロームの予防にもつながる。さらに女性の場合、トコフェロールが卵巣動脈の血行を良くすることから、更年期や閉経後の症状、PMSの改善効果が期待できることなどが考察されている。チャチャル果汁を飲むと体温が上昇することを立証した研究もある。

チャチャルガン果実/果肉脂質の特質な性質として、パルミトレイン酸とその前駆物質パルミチン酸の均整のとれた高い含有量も確認されている。パルミトレイン酸には悪玉コレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防も期待できる。さらに加齢とともに減少する傾向があることから、老化防止、皮膚再生効果があるといわれる。

2012年には、チャチャルガンジュースを摂取しての免疫力テストが実施されており、75％の免疫力アップが確認されている。NK細胞については、被験者全員に向上がみられた（図）。免疫力については、モンゴル国の子供が、予防のために毎日チャチャルガンジュースを飲んでおり、健康をキープしていることが知らている。そうした事実を裏付ける結果といえるだろう。

様々な研究からそのパワーが解明されつつあるチャチャルガン。よく知られた野菜やフルーツとの含有成分の比較をするだけでもそのパワーのすごさがよく分かる。

有害物質を体外に排泄し、神経を守る効果がある「非必須アミノ酸」のアスパラギン酸。野菜ではその名前からも分かる通り、アスパラガスに多く含まれるが、米酢との比較では約30倍も含有することが分かっている。

スタミナアップにもつながるとされ、不足すると疲労しやすく、外的刺激に対する抵抗力が弱まるともいわれており、このデータからもチャチャルガンで謳われている効能が裏付けられているといえる。

中国名のサジーで知られるチャチャルガンは、同じものでもモンゴル国産のモノはより厳しい環境下にあり、含有成分なども含め、品質面でランクが違います。石炭が枯渇し、再生可能な農業に注力するモンゴル国において、このチャチャルガンの輸出は国策にもなっています。弊社は、そうした流れの中で、モンゴル国商工会議所・日本の支援により、現地でモンゴル国産チャチャルガン原料の80％を独占する大手企業と日本で唯一販売契約を結んでおり、高品質で安定的な供給が可能です。まず、なによりも日本にこのすばらしいチャチャルガンを広めたいと思っていますので、研究データの取得などと併行し、認知を上げていくことから一歩一歩着実に市場を開拓できればと思っています。