情報提供 : 株式会社日本生物.科学研究所
独特の苦みを持つ日本固有のせり科の植物、あした葉。その健康効果は古くから知られるが、昨今は、葉や茎の切り口からしみ出す黄色い粘り気のある汁に、
あした葉ポリフェノール
が高含有されていることが分かり、脚光を浴びている。その主成分は、10種類以上のカルコンで、そのうちの2成分が特に機能性の面で注目され、研究が進んでいる。
健康食品としてのあした葉は、ようやくここ数年で拡がりつつあるが、実は古くから健康効果は伝えられている。日本原産のせり科の植物で、房総半島、紀伊半島、伊豆諸島の太平洋岸に自生する。食経験も豊富だが、味に独特の癖があり、てんぷらやバター炒めなど、調理法で食べやすく加工するのが通例だ。それゆえに野菜として流通するのは1割程度といわれ、ほとんどがサプリメントなどの加工品に使われる。
あした葉は学名をAngelica Keiskei(アンジェリカ・ケイスケイ)、「天使の恵み」 と呼ばれるほどの薬効があるとされているが、有効成分が特定されたのは最近のことだ。あした葉特有のポリフェノール成分がそれ。その主成分は10種類以上のカルコンであることが確認されている。特に、キサントアンゲロールと4-ヒドロキシデリシンの2種類が揃って含まれているのが特長で、昨今、その機能性が注目され、研究も活発に行われている。
このあした葉ポリフェノールは、茎を切るとにじみ出てくる鮮やかな黄色の汁(カルコン)のみに含まれている。なお、カルコンは、葉には殆ど含まれない。 この黄汁を採取するためには、ゴムの樹液を取る以上の労力が必要で、一本一本手作業で行うしかない。あした葉全体を搾汁してしまうと、葉細胞からの液や繊維質の混入が避けられず、品質低下を招くからだ。そのため日本生物.科学研究所では、栽培から採取はインドネシアにて、最終加工のみを日本で行いコストバランスを調整している。
これまでに様々な研究がおこなわれており、ピロリ菌に対する抗菌活性(特許第3958748号)、発癌イニシエーター・発癌プロモーター抑制作用、癌細胞に対するアポトーシス誘導作用、抗酸化作用、ヒト試験による免疫賦活作用など、それぞれで有望な結果を出している。そうした中で、昨今、特に注力されているのが、抗メタボリックシンドローム作用についての研究だ。
アディポネクチン産生促進作用、マウスにおけるレプチン産生促進作用、マウスにおける内臓脂肪量の低減作用及びそれに伴う体重増加の抑制など、メタボ対応素材としての高いパフォーマンスが実証済みだ。他のメタボ対応素材に比べ、より注目されるのは、その脂肪減少のメカニズムにある。
あした葉ポリフェノールにおける脂肪減少は、脂肪の蓄積抑制、そして燃焼の促進を同時に行っている。単一の成分では、なかなか見られないメカニズムだ。それを可能にしているのが、同素材に含まれるキサントアンゲロールと4-ヒドロキシデリシン。両成分が同時に含まれる素材はほかになく、それゆえに効果的な脂肪減少を実現すると考えられている(左図参照)。
臨床試験も実施されている。二重盲検群間比較法で、BMIが25以上30未満軽度肥満
成人男女を対象にあした葉ポリフェノール・カルサップを1日200g摂取群およびプラ
セボ郡に分け、8週間後にCTスキャンで腹部脂肪面積を測定。その結果、カルサッ
プ摂取群において、腹部総脂肪面積および内蔵脂肪面積の有意な減少が認められた
(下図参照)。
青汁の成分に使われるなど徐々に健康食材としての知名度が上がり始めているあした 葉。その裏で着々と進められてきた研究で優れた結果が出始め、カルサップ単体での 引き合いも増加傾向にある。
日本生物.科学研究所では、総カルコン含量8%以上に規格したパウダータイプのものを製品化しており、メタボ対応のサプリメントや機能性を謳う食品、あるいは抗菌活性素材としての食品添加物などとしても活用が期待される。
またカルコンはそもそも脂溶性であるが、今後は飲料に使える水溶性原料の開発も行い、さらに活用の幅を広げる。
ようやく健康食品としての認知度も上がり始めたという印象ですが、研究フェーズでは、これまでに非常にすぐれた結果を出しています。大学や製薬メーカーなどとの共同研究も複数走らせていますが、どの機関でもしっかりと結果が出る。研究対象として本当に興味深い素材だと思っています。加えて、原料のあした葉は、食経験も豊富で、安全性に優れています。あした葉自体が虫を寄せ付けないこともありますが、インドネシアでは無農薬で栽培していますから安心して、ご活用いただけます。弊社では昨今、ダイエット関連の研究に力を入れていますが、今後は機能性表示制度への対応も視野に入れたエビデンスの取得を目指すなど、さらに質の向上を追求し、この素材のパフォーマンスをより多くの人に知っていただけるよう、尽力していきたいと思っています。
青汁といえば、大麦若葉とケールが代表的だが、昨今はあした葉もそこへ割って入るほど活用されることが増えている。国産中心、有機栽培、健康効果、そして「まずい(苦い)」という青汁の必須要素を備えるだけに今後もさらなる拡大が期待される。
「きょう摘んでも明日には新しい葉がでる」、というのが名前の由来といわれる。それだけ旺盛な生命力があり、パワーに満ち溢れる植物ということだ。実際には翌日にすぐ、芽が出ることはないものの、1週間前後で新芽が出てくる。また、真偽不明ながら「良薬口に苦し」の語源説もあり、その秘めたるパワーは昔から知られていた。
≪事業内容≫
- ■納豆菌培養エキスの研究開発・製造販売
- ■植物発酵エキスを主原料とする飲料等の製造・加工・販売
- ■あした葉の栽培とバルク供給
- ■胡麻ミネラルの研究開発・製造販売
- ■動物飼料添加液の製造販売
- ■藻類及び微生物の食品化に関する研究開発
≪所在地≫
〒101-0042
東京都千代田区神田東松下町
12番地2 JBSL神田ビル6F
TEL:03-5209-1601
FAX:03-5209-1602
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