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美肌を訴求する素材は、ダイエットと並び健康食品市場でも根強い需要がある。そうした中、社会の潮流にも合致した付加価値の高い素材として注目を集めているのが「ナチュラルベータカロテン(デュナリエラカロテン )」だ。UVケアの機能性を謳えるだけでなく、藻類由来で環境にも優しく、持続可能な生産工程を経て製造されることなどが、昨今の消費トレンドにおいて、選ばれる製品としての条件を十分に兼ね備えている。
大量生産大量消費時代がターニングポイントを迎える中で、消費者が商品選択に求める要件も変化しつつある。キーワードは「低負荷」だ。
体への負担が少ない、環境への負担が少ない、生産工程におけるエネルギー出力負荷が低い…。健康食品においてはさらに「機能性」もいまや不可欠といっていい要素となっている。
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湖面が鮮やかなピンク色に染まる絶景で知られるオーストラリアのピンク・レイクで培養されるデュナリエラ・サリナ藻類を原料とする「ナチュラルベータカロテン」は、こうした消費者に選ばれるための要件を十分に満たしており、業界でも注目度が高まっている。
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第一に、「紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性がある」という機能性表示が認められているユニークな機能性が挙げられる。塗布が主流のUVケアにあって、少量の経口摂取によって効果が期待できるため、より手軽に紫外線対策が可能になる。紫外線は室内でも曝露しているため、日常的な摂取が対策になることは、新たなニーズ発掘にもつながるだろう。
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原料が天然の藻類であることも、重要な要素だ。同原料はBASF社が、西オーストラリア州の800ヘクタール以上の野外海水ラグーンで培養し、収穫。生育環境と栄養素は慎重に管理され、さらに抽出過程においても有機溶媒を使用せずにクオリティの高い製品を製造している。
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その生産工程が環境の持続可能性に貢献している点も昨今の社会情勢を考慮すると大きな付加価値となる。デュナリエラ・サリナはCO2を炭素源とし、光合成を通じて培養される。培養に使われた水は湖にリサイクルされ、常に藻類細胞が成長するサイクルが繰り返される。
ユニークな機能性に加え、環境に低負荷な製造プロセスで培養された植物由来という点だけをみても、同素材が時代に合致した機能性素材であり、市場優位性が高いことが分かるだろう。
飲むUVケアとして、新たな紫外線対策の選択肢のひとつとなる同素材のメカニズムは、次のように考えられている。
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皮膚が紫外線に暴露すると、フリーラジカルが発生し、組織損傷を引き起こす。この損傷は、しみやしわなどの皮膚の老化や、皮膚がんのリスクへと繋がる可能性がある。
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逆にいえば、紫外線による皮膚へのダメージを低減することで、組織損傷からの防御が可能になる。有用な対策としては、紫外線をガードするための日焼け止めの塗布がひとつだが、さらに抗酸化物質であるナチュラルベータカロテンを経口摂取することで、皮膚へ蓄積させることも有用と考えられる。
ベータカロテンはこうした皮膚の日焼け反応に対し、細胞と組織の損傷に対抗するために2つの方法で機能するとされている。
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原料のデュナリエラ・サリナは紫外線から身を守るために天然のベータカロテンを生成。UVAを効率的に吸収するとともに、酸化防止剤として機能することで紫外線ダメージから身を守る。
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では実際にベータカロテンがどのように機能しているのか。臨床試験で検証されているので確認してみよう。
ヒト試験(並行群間比較試験)では、紫外線にさらされた皮膚におけるBASFのナチュラルベータカロテンの有効性が研究されている。
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健康な被験者(n-36, スキンタイプII)に、1日24mgのベータカロテン、またはプラセボを12週間投与。
日焼け反応の尺度としての紫外線暴露時の皮膚の赤みは、日光シミュレーターによる照射前と照射24時間後の紅斑強度を測定し、評価した。
その結果、ナチュラルベータカロテン群は、プラセボ群と比較して12週間の補給後の皮膚の赤みの変化量が有意に少なかった。ナチュラルベータカロテン群では摂取後6週間でも赤みの低減が確認された。
また別の試験では、経口摂取によりBASFのナチュラルベータカロテンが額、背中、手、腕など全身の皮膚へ移行することも確認されている。
塗布タイプの紫外線ケア製品との組み合わせで、より相補的に有用なUVケアが可能になると考えられる。
同製品は、2020年に機能性表示食品として受理されている。製品に最低24mg(ベータカロテンとして)同素材を使用する場合、「この製品にはベータカロテンが含まれています。抗酸化特性を持つベータカロテンは、UV刺激から肌を保護するのに役立つ機能を持っていると報告されています」と記載可能となる。
BASFジャパン社は機能性表示食品の届出サポートも行う。
同製品は、オイル、粉末の2タイプが用意されている。粉末は打錠にも対応するマイクロカプセル化製剤で、カプセルや錠剤 のサプリメント、飲料、食品などさまざまな利用シーンが考えられる。
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これから2025年までの間に4%の成長が見込まれている。背景として高齢化と若い消費者の健康意識の高まりなどがある。機能性をベースに、より習慣化しやすい製品に大きな市場優位性があるだろう。
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UVA・UVB・UVCの3種類の紫外線のうち、最も波長の長い「UVA」はガラスをすり抜け肌の奥にまで届く。従って室内でも紫外線をケアする必要がある。
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湖面全体が鮮やかなピンクに染まった光景はまさに絶景。ベータカロテンを豊富に含む藻の湖には、神秘的な藻の生命力を感じる。
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BASFジャパン株式会社
≪事業内容≫
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ベータカロテンの皮膚の紫外線刺激に対する効果は、ヨーロッパで古くから広く認識されてきました。ベータカロテンは肌の抗酸化システムを強化し、紫外線から保護する働きを持つため、肌と美容をターゲットにしたサプリメントの機能性成分として広く知られています。しかし日本では、ベータカロテン自体の認知度は高いものの、皮膚の紫外線刺激に対する効果についてはあまり知られていませんでした。そのため、ナチュラルベータカロテン(デュナリエラカロテン)が日本の機能性表示食品として受理されたことを大変嬉しく思います。
またBASFは長年にわたってサステナビリティに取り組んできました。これまで以上に持続可能な成長を実現するソリューションが求められていますが、西オーストラリアのピンクレイクで培養されたこのナチュラルベータカロテンも、サステナビリティに貢献する製品の1つです。より多くの方が、このナチュラルベータカロテンの魅力と効果を享受してくれることを願っています。
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