植物エキス(ヒハツ)の存在Tie2(タイツー)を活性化することが血管を老化(ゴースト化)から守る。そして、Tie2(タイツー)を活性化する物質としてアンジオポエチン-1が存在する。血管、ひいては体自体の老化を遅らせる可能性を秘めるTie2(タイツー)の活性化。 アンジオポエチン-1に代わる、より身近なTie2(タイツー)活性化物質があるとすれば、アンチエイジングへのアプローチに大きな可能性が広がってくる。
『Tie2(タイツー)』の活性化が血管を老化から守ることは分かった。その活性化にはアンジオポエチン-1の存在が不可欠であることも判明した。そうした中で、最近ではアンジオポエチン-1に代わり、Tie2(タイツー)を活性化する物質を探す研究が進められている。有力とされる数百種の植物エキスをスクリーニングした結果、ヒハツエキスが、その代替物質のひとつとして可能性を秘めることが分かってきた。
実験はまず、血管内皮細胞にエキスを添加。10分間の培養の後、細胞中の活性化Tie2量をウエスタンブロティングにより解析した。その結果、ヒハツエキスではTie2活性化率がアンジオポエチン-1とほぼ同等だった。
血管においては、血管内皮細胞と壁細胞の接着により、過剰な血液成分を組織内に漏らさないよう透過性を維持している。しかし、炎症などが組織で発生すると血液成分の組織への透過性が高まり、むくみの原因となる。この試験における結果から、ヒハツエキスは、アンジオポエチン-1と同じように血管から血しょう成分の漏出を抑制する効果があることが確認されている。
血管内皮細胞に発現する受容体型チロシンキナーゼ(タンパク質のチロシン残基をリン酸化する酵素)で、毛細血管やリンパ管の維持に深くかかわっていることが明らかになってきた。最近の研究では、毛細血管やリンパ管のゴースト化を防ぐことが、認知症や骨粗鬆症の予防、脂質代謝にも影響を与えていることがわかってきており、その生物学的作用の多面性が注目されている。
(Angiopoietin-1:Ang1)
血管内皮細胞と壁細胞の接着を促進することにより、血管の安定化に寄与する因子。Tie2受容体を介して作用するタンパク質。