高尿酸血症は、血液中の尿酸レベルが上昇している状態です。
通常の上限は6.8mg/dLであり、7mg/dLを超えると飽和状態とされ、症状が現れる可能性があります。
これは、尿酸の産生量の増加、尿酸の排泄の減少、またはその両方の過程の結果として起こります。
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■ ヒトの体内で尿酸の蓄積が増加すると?
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ヒトの体内で尿酸の蓄積が増加し、または排泄が減少することは、痛風や高尿酸血症の発症機序と密接に関連しています。
これは、プリン体を豊富に含む食品の摂取量の高さに強く影響を受けます。これにより尿酸結晶の沈着が生じ、高い合併症の負荷を引き起こし、最終的に痛風、動脈硬化、2型糖尿病、血管障害、慢性腎臓病などの組織障害を引き起こす可能性があります。
また、一部の薬物、アルコール摂取、腎臓疾患、高血圧、甲状腺機能低下症、農薬の曝露、肥満などのリスク要因が、高尿酸血症の上昇と関連しています。
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■ 世界中で痛風と高尿酸血症の患者数が増加
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高尿酸血症は、痛風だけでなく、代謝症候群や高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、慢性腎臟病(CKD)などの心血管疾患とも関連していると報告されています。
日本の医療データベースを使用した回顧的な横断研究では、日本人の高尿酸血症の正確な有病率は、男性では26.8%、女性では0.9%であることが報告されています。
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■ LM-GH70の尿酸低下効果
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LM-GH70の2つの菌株のプロバイオティック特性の評価と、in vivoでの尿酸低下効果が行われました。
【プロバイオティック特性】
・酸および胆汁塩の耐性
・菌体表面の親水性
・自己凝集、共凝集、抗酸化活性
菌株1は胃酸に対して2%の減少、胆汁塩に対しては10%の減少を示しました。一方、菌株2は胃酸に対しては56%の減少、胆汁塩に対しては80%の減少を示しました。
また、両プロバイオティクス菌株はキシレンへの吸着率が50%未満でした。菌株2は菌株1よりも高い自己凝集能力と共凝集能力を示し、これは菌株2が『病原菌の吸着を強く拮抗する可能性』を示唆しています。
体内の高尿酸は酸化ストレスと密接に関連しているため、2つのプロバイオティクス菌株の抗酸化効果が評価されました。
菌株1は72%の抗酸化活性を示し、一方、菌株2は77%の抗酸化活性を示しました。
特に菌株2では、分泌される代謝物が細胞自体よりも高い抗酸化活性を持っていることがわかりました。これは、プロバイオティクスが分泌する代謝物が『強力な抗酸化効果を持っている』ことを示しています。
【尿酸低下効果】
高プリン体食と尿酸阻害剤オテラシルカリウムの陰性対照群では、血中の尿素窒素(BUN)、クレアチニン(CRE)、およびUAのレベルがすべて上昇していることがわかりました。
陽性対照群と比較して、経口でプロバイオティクスを同時に投与すると、菌株1グループでは血清中のUAレベルは陰性対照群の94%であり、菌株2グループでは陰性対照群の75%でした。
BUN、CRE、およびUAのレベルは、すべて陰性対照群よりも低いことが確認され、経ロプロバイオティクスは『ある程度まで高尿酸症の進行を予防できる可能性』が示唆されます。
GSH-PXのレベルは陰性対照群で空白(陽性対照)群と比較して約50%減少しており、抗酸化能の損傷を示しています。
菌株1と菌株2の介入後、GSH-PXレベルはわずかに回復し、それぞれ空白群の63%と70%に達し、特に菌株2の場合、プロバイオティクスは抗酸化システムを修復することによって『高尿酸血症の発展と進行を予防する可能性』があることを示しています。
マロンアルデヒド(MDA)、IL-17、IL-6、およびTNF-aのレベルは陰性対照群で増加傾向を示していました。さらに、陰性対照群と比較して、これらの炎症マーカーはすべて有意に誘導されました。具体的には、菌株2の介入後、これらのレベルは陽性対照群のレベルと同様に保たれました。
上記の結果に基づくと、菌株2は高尿酸症の形成と進行を抑制する過程で積極的な予防的な役割を果たしています。
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■ まとめ
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LM-GH70の菌株2は菌株1と比較して、in vitroでより高い自己凝集/共凝集能と抗酸化能を示しました。一方、菌株1はin vivo研究でより高い酸と胆汁塩の耐性を示しました。
高プリン食の条件下では、菌株1と菌株2の高尿酸に対する保護効果が明らかになりました。
さらに、菌株2は炎症の軽減や体内の抗酸化能の向上を含む、予防および治療モデルにおいて腸内細菌叢の構造を調節しました。
▲in vitroでのプロバイオティック特性(1)
▲in vitroでのプロバイオティック特性(2)
▲LM-GH70によるラット高尿酸血症モデルへの予防プロセス