豊かな海の恵み、海藻から生まれた天然素材「アルギン酸」。
キミカのアルギン酸は、国内シェアの80%以上を占めています。
アルギン酸は、コンブ、ワカメに代表される褐藻類に特有の食物せんいです。海藻の体の30~60%(対乾物海藻)を占めるアルギン酸は、いわば海藻の主成分とも言える存在です。藻体中のアルギン酸は、海中に含まれる様々なミネラルと塩を形成し、ゆるやかなゼリー状態で細胞間隙を満たしています。波に揉まれ海水中を揺らめきながら生長する海藻のしなやかさは、このアルギン酸がもつ独特な物性によるものといわれています。
19世紀に英国で発見されたアルギン酸は、20世紀初めに工業的生産が始まり、次々に新たな使い道が考案されました。アルギン酸はそのユニークな物性と素材自体の安全性から、食品、医薬品をはじめ、化粧品、繊維染色、製紙、溶接棒、ペットフード、農業、水産業など様々な分野で活発に研究され、用途開発が進んでいます。21世紀を迎えた今日、アルギン酸は我々の暮らしのあらゆる場面で活躍しており、欠かすことのできない素材となっています。
◇食品分野への応用
アルギン酸は、食品の増粘剤、ゲル化剤、安定剤などに利用されています。
アルギン酸とCaを組み合わせると、アルギン酸に特有の耐熱性ゲル(ゼリー)をつくることができます。この性質は、焼き菓子のフィリングや、缶詰め・瓶詰めなどの具材に耐熱性を持たせるゲル化剤として多くの食品に利用されています。
また最近特に注目を集めているのは、麺やパンなどの小麦粉製品に対する品質改良効果です。アルギン酸を加えた小麦粉生地は適度な保水性が付与され、生地の伸展性が向上して、麺やパンにソフトな食感をもたらします。また小麦粉中のデンプンやタンパク質に作用して、調理後、あるいは焼成後の組織を補強し、食感をめざましく改善するとともに、食品の外観を整え、商品価値を高める効果を発揮します。
アルギン酸はナトリウムやカリウムなどと塩を作り、アルギン酸エステルなどに加工されることで、それぞれに特長のある性質を発揮します。詳しくは弊社HPをご覧下さい。
◇アルギン酸の安全性
アルギン酸とその塩類の安全性は国連機関(JECFA:FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)で評価され、
ADI(一日許容摂取量)は「特定しない」という結果になっています。
天然海藻由来のアルギン酸は、BSEや遺伝子組換え、残留農薬、食物アレルギー等の影響のない安全な物質です。
◇医薬品への応用
医薬品分野では、錠剤の崩壊剤や、胃壁の保護薬などにアルギン酸が使用されています。
また、歯科治療の際、歯型の採取に使うアルジネート印象剤は、アルギン酸が主成分です。
海外では、褥瘡治療などに用いる創傷被覆材の基材としても使われています。
◇化粧品への応用
アルギン酸は、化粧品原料として増粘、保水などの目的で利用されています。
「落ちない口紅」にも配合されており、唇の表面にアルギン酸の被膜をつくって、口紅が移るのを防ぎます。
◇アルギン酸の各種グレードについて
キミカのアルギン酸製品は、基本的に水溶液の粘度によってグレードが分けられています。
また、粘度の他にもゲル強度(=M/G比)、精製度、管理規格などによって、細かく分類されています。
弊社の商品アイテムは500以上。一言で「アルギン酸」といっても、様々な品質、価格帯の商品がございますので、
目的に応じて適宜ご選択いただくことができます。詳しくは弊社営業部までお問い合わせ下さい。
【アルギン酸関連製品】
[アルギン酸ナトリウム]
●高純度 食品・医薬品グレード キミカアルギン Iシリーズ
●高純度 工業用グレード キミカアルギン Bシリーズ
●高ゲル強度 特殊グレード キミカアルギン High・Gシリーズ
●低ゲル強度 特殊グレード キミカアルギン High・Mシリーズ
●超低粘度 特殊グレード キミカアルギン ULVシリーズ
●スーパークリア、超高清澄度グレード キミカアルギン SKATシリーズ
●汎用工業用グレード アルギテックスシリーズ
[アルギン酸]
●高純度 食品・医薬品グレード キミカアシッドSA
●高純度 食品用膨潤グレード キミカアシッドG
[アルギン酸エステル]
●高純度 食品・医薬品グレード キミロイドシリーズ
[アルギン酸カリウム]
●高純度 食品・医薬品グレード キミカアルギン Kシリーズ
[その他塩類]
●アルギン酸カルシウム キミカアルギン CAシリーズ
●アルギン酸アンモニウム キミカアルギンNHシリーズ
[昆布酸]
●食品用アルギン酸製剤「昆布酸」
昆布酸100シリーズ(アルギン酸製剤)
昆布酸200シリーズ(水溶性アルギン酸製剤)
昆布酸300シリーズ(増粘安定剤製剤)
昆布酸400シリーズ(ゲル化剤製剤)
昆布酸500シリーズ(アルギン酸エステル製剤)