アルゼンチンのパンパからの贈り物
アルゼンチンは、日本の約8倍の国土があり、その約60%が農林業及びその可能地とされています。まさに無限の養蜂可能地域といっても過言ではありません。
玉井養蜂園は、首都ブエノスアイレスから西に向かって約600Km、アルゼンチンのほぼ中心に位置するウインカレナンコという町に拠点を置いています。
気候は、12月~3月が夏、6月から8月が冬、その中間が春、秋に近い気候です。内陸性気候で湿度が低く、日較差が20度以上もあります。地形は、見渡す限り平らなパンパ平原が続きます。ヒマワリ、トウモロコシ、小麦等が栽培される他は、牧草がほとんどを占めます。
主な蜜源植物は、ヒマワリ、牧草のアルファルファ、アザミで定地養蜂を行い、12月~2月末まで採蜜期間があります。
玉井養蜂園では、蜂群数1500、年80tの採蜜量があります。現在、一部を日本に送っています。
完熟蜂蜜のできるまで
花の蜜を巣房に移動させただけでは、蜂蜜とはいえません。
花の蜜はショ糖が中心で約30%の濃度です。それを採集したミツバチが唾液に含まれる酵素と混ぜて果糖とブドウに分解し、巣の中のハチに渡します。ハチはふたたび吐き出して空気にさらし水分を蒸発させます。
これを何度も繰り返しながら消化酵素や花粉、ロイヤルゼリーなどが加えられ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などが豊かな蜂蜜となり、巣房に蓄えられます。
さらに数日間、蒸発が進み、糖濃度が80%を超えると初めて巣房が蜜ろうでふさがれ、完熟はちみつが出来上がります。
こうして出来た蜂蜜は糖の濃度が高いのと、含まれた天然の殺菌酵素のおかげで半永久的に保存できます。
玉井養蜂園ではこの完熟蜂蜜だけを集め、熱を加えずにお届けしています。
満ち足りた冬をすごす蜂
養蜂家玉井さん一家は1984年にアルゼンチンに移住し地平線まで続くヒマワリ畑やアルファルファ畑のなかで養蜂をはじめました。いまは半年をアルゼンチンでミツバチとともに、残りの半年を舞鶴で過ごしています。
玉井さんはハチが冬を迎えるとき巣房の中に十分な蜂蜜を残します。そのためエサが途絶えることなく越冬できるので、砂糖等の人工のエサを与える必要がありません。
こうして満ち足りた冬を過ごしたハチたちは健康で、病気にも強く、抗生物質等のハチに対する薬を与える必要がありません。
クリーム状に結晶した生はちみつはとてもおいしく、熱を加えないのでビタミン類も壊されていません。
分析項目 玉井養蜂園 はちみつ組成基準公正規約
(はちみつと名乗っていい基準)
水 分 17.2% 21.0%以下(国産は23%以下)
直接還元糖 79.2% 65.0%以上
見かけのショ糖 0.9% 5.0%以下
灰 分 0.1% 0.4%以下
H.M.F. 2.8mg 5.0mg/100g以下
酸 度 1.95 4.0ml以下
デンプン
デキシトリン反応 陰性 陰性