■不老長寿の妙薬
黒紫色の実で食べると独特のほろ苦さがあり、果実はルビー色のハスカップは、古くからアイヌの人々の間で「不老長寿の妙薬」、「幻の実」として珍重されてきました。和名は「クロミノウグイスカズラ(果実鴬神楽)」でスイカズラ科の落葉低木です。
ハスカップの群生地・勇払原野の一角にある厚真町では、ウグイスの声が聞こえはじめるころ、 ハスカップの木にクリーム色をしたラッパ状のかわいらしい花を咲かせます。野生のハスカップは もちろん多いのですが、移植を行ってハスカップ園を営む農家や、庭先に植えて花を楽しむ家庭も多いです。
実の表面の皮はとても薄くデリケートなため、一粒一粒、人の手によって丁寧に摘み取られます。 収穫時期は短く、昔は生での保存が難しかったため「幻の果実」などとも言われています。
■目にも身体にもとてもよいハスカップ
ハスカップには、ビタミンC、E、カルシウム、鉄分および植物繊維が他の果実類に比べて多く含まれており、とても体によい果実です。 カルシウムや鉄分は現代人に不足しがちな要素の一つであり、他の果物と比較しても含有量はトップクラスです。ビタミンについても、ビタミンEの中のα-トコフェールは細胞活性、老化防止作用、抗酸化作用があるとされています。
■今注目の成分・アントシアニン
数ある成分の中でも、最近注目されている成分がアントシアニン。先日、TBS系バラエティ番組「スパスパ人間学」では、網膜に含まれるロドプシンという色素体を助ける抗酸化成分としてアントシアニンを紹介しています。
アントシアニンは、光の刺激を脳に伝えるロドプシンとうい成分をを活性酸素から守り、再合成を助ける働きがあるため、眼の老化や疲れ目を予防・改善するのです。アントシアニンにもいくつかの種類があり、その中でも最も抗酸化作用が強いのはシアニジンという成分です。 果物の中で、このシアニジンが多く含まれている食物として有名だったのがブルーベリーです。 ブルーベリーのアントシアニンに含まれるシアニジンの割合は、野生の物でおよそ30%、栽培されて いる物では7%から17%です。
■シアニジン含有量はほぼ100%!
ハスカップのアントシアニン含有量は、100グラム当たり224ミリグラム。しかも、そのほとんど すべてが、最も抗酸化作用の強いシアニジンなのです! 同じ量のシアニジンをとろうとすると、ブルーベリー100グラムに対し、ハスカップは、10グラム から30グラムで済みます。冷凍保存しても成分はほとんど変わらず、1年を通して食べることが できます。