あらかじめ加熱等で無菌状態にした食品、無菌化した包装材料を使用し、無菌の環境で包装すること。包装後の加熱殺菌をしていない、新鮮さがポイントの食品に使われています。包装後に加熱殺菌をしなければ数日も持たない食品も、加熱加圧殺菌によって風味を損なわれず美味しくいただけます。多くは数日~6ヶ月程度の短期間の品質保持期限です。流通時は低温での商品管理が必要なものもある。
■食品の殺菌方法、殺菌機■
UHT殺菌機、プレート式、チューブラー式などがあります。
■無菌包装の包装材料■
紙容器(巻き取りロール、カートンブランク)
プラスチック容器(容器成形、カップ供給)
■無菌包装のメリット■
・品質変化が少ない
・連続処理可能
・耐熱性芽胞殺菌可能
■無菌包装によって処理されている製品■
無菌米飯、牛乳、酒、チーズ、ハム類、果汁飲料
食品にとって好ましくない影響を及ぼす酸素を取り除く方法として、真空包装によるものとガス置換によるものがあります。
真空包装とは、空気の脱気、包装系内に含まれる酸素を除く事で品質保持に大きな影響を与える殺菌包装技法です。真空包装をすることによって食材の風味・栄養を損なう事無く流通できます。
真空包装には2通りの方法があります。また、真空包装は他の殺菌技法との組合わせで、食品の品質保持の延長が達成されます。
■真空包装による殺菌方法(1)‥真空包装後殺菌を要しない方法■
殺菌を必要としない食品/チーズ、サラミ、ソーセージ
殺菌が好ましくない食品/生肉など
■真空包装による殺菌方法(2)‥真空包装後、殺菌を要する方法■
食品加工段階でボイル加熱処理し、真空包装後二次加熱処理/調理ハンバーグ等
■真空包装のメリット■
真空包装をすることによって食材の風味・栄養を損なう事無く流通できる。
■真空包装によって処理されている製品■
乳製品、ハム、ソーセージ、惣菜・漬物などチルド食品が多い
ガス置換包装(ガス充填包装)とは、包装中の酸素をガスと置換して食品の広域流通に対応を図った包装技法です。
ガス置換包装に使用されるガスは4つあり、効果により置換されるガスが選択されます。(1)窒素(2)炭酸ガス(3)酸素(4)窒素と炭酸ガスの混合。
■置換されるガスによる効果■
・微生物の制御‥窒素ガス+炭酸ガスの混合
・酸化防止‥窒素ガス
・肉の発色維持…窒素ガス
・香りの維持‥窒素ガス
■ガス置換包装の容器■
プラスチックなどの成形容器、ピロー包装(ポテトチップスなど)、スタンディングパウチ
■ガス置換包装のメリット■
広域、長期間流通
■ガス置換包装によって処理されている製品■
削り節、カステラ、業務用生肉、コーヒー、お茶、スナック菓子
脱酸素封入包装(雰囲気制御包装)とは、バリア性容器に食品とともに脱酸素剤を入れ、完全密封する殺菌技法です。
■脱酸素封入包装のメリット■
・品質保持期限の延長
・風味を守る
・品質保持期限の延長により販売エリアが広がる
■脱酸素封入包装によって処理されている製品■
ハム、ソーセージ、贈答品小包装菓子、ペットフード、切り餅、味噌
1つの食品でもいくつかの殺菌法があります。
牛乳の殺菌法には、超高温殺菌(130℃2秒間)、高温殺菌(72~85℃15秒間以上)、低温殺菌(62~66℃30分間以上)、無菌化包装の3種があります。
スナック菓子、生肉、加工食品はガス置換包装と脱酸素剤封入包装。(ともに雰囲気制御包装)、缶コーヒーはレトルト殺菌、ガス置換殺菌があります。
また、レトルト食品にも、レトルト殺菌、真空包装と二つの殺菌技法があります。
私たちが普段目にして、口にしている食品も食品容器も全て、さまざまな殺菌技法がなされているのです。
さて、これだけ多くの殺菌技法がない前はどのようにして食品の品質を保持していたのでしょうか。加圧加熱殺菌はできたとしてもガス置換殺菌機、薬剤殺菌は昔にはなかったもの。それでも品質をある程度保持できる方法があったのです。
食品、食品容器に限らず、殺菌技法は医薬品、化粧品、靴、プールなどあらゆる場所で使われています。
私たちが生活するのに、今やなくてはならないものとなっているのです。
容器・パッケージ戦略では、レトルト食品容器・パッケージ、あらゆる殺菌容器に関するご質問、開発、発注などあらゆるご相談に対応させていただきます。
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次回は、あらゆる食品容器の中から殺菌容器にスポットを当ててお送りします。お楽しみに!
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