あら、この容器何? グレーでブニブニしてて柔らかくて臭くて…これは………!油粘土じゃないの! |
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フッフッフ。自分で容器を作ってみたザンス。殺菌スプレーもかけたし、容器自体劣化しないし、何度でも色んな形にできるところがポイントざんす。 しかもプラスチックと違って石油なんか使ってないからコストも低いざんす。 この粘土なんて99円ショップで買ったざんすよ。まぁ、3倍で売りつけるがな。 |
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前回あれだけ殺菌容器にうついて勉強したのに何もわかっていない… おまけにプラスチックについて根本から勘違いしているようね。 今食品市場でこれだけプラスチック容器が使われているのには理由があるのよ。 低コスト、大量生産、流通の利便性、防臭、防菌‥。 石油で作られているのは確かだけど、食品容器を作るのに使う原油なんてほんのちょっとよ。 粘土を販売用食品容器に使ってたら人件費、材料費モロモロでいくらかかることやら… おまけに臭い!手を嗅いでみなさい、油の匂いがしみついてるわよ。 |
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う!?臭い…でも、なぜだろう、童心を思い出す匂いざんす。 これが永遠の子供の匂いってやつざんすか。 |
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粘土容器と一緒にタイムカプセルに埋めて来なさい! |
私たちの身の回りにある、商品としての食品容器にはプラスチックでできたものがほとんどです。
では、なぜプラスチックが使われるのでしょうか?
その理由にはいくつかあります。
内容物に合わせた特性を付与できること、低価格、軽量で流通しやすいこと、着色など多彩な表現方法・訴求方法が可能、品質が安定していること、大量生産が可能なこと、衛生的に作られていること…など。
前回に紹介したように、プラスチック食品容器は高温で製造され雑菌の混入を防いでいます。なので、自然素材よりも衛生的であり、品質劣化の防止を考えて作られているので内容物の保存性能にも優れており低コスト、主に柔らかい素材で作られているので内容物を傷つける事を防ぎます。
このように、さまざまな特性からプラスチックで作られる食品容器は私たちの身の回りに広がっていたのです。
食品容器にはさまざまな形状があり、期待される機能によっても包装構成は異なります。
右の図は容器・包装の構成を表すのに使われる図です。(例:レトルトパウチ)
この図をテキストで表すと、PET/ONY/AL/CPPとなり、左から内部に向けて層ができているのを表しています。つまり、ここでいうPETはレトルトパウチの表面という事になりますね。
では、食品容器・パッケージに使われる主な樹脂を簡単に見てみましょう
■ポリエチレン(PE):
容器のふた、ポリびん、ポリ袋
■ポリプロピレン(PP):
食品包装・製氷皿、フィルム、容器、トレイ
■ポリエチレンテレフタレート(PET):
ペットボトル
■ポリスチレン(PS):
容器、トレイ、インスタント食品容器
■ポリ塩化ビニル(PVC):
ラップフィルム
■ポリ塩化ビニリデン(PVDC):
ラップフィルム
■レトルトパウチ・透明レトルトパウチ:
カレー、スープ、おでん、味付け黒豆などに使われています。
一般的な平袋のほかにもディスプレイ性を備えたスタンディングパウチもあります。
■レンジ対応包装:
包装のまま電子レンジで加熱することができます。
ハンバーグ、シュウマイ、豚まん、カレー、中華料理などさまざまな加工食品に使われています。
■湯殺菌包装:
食品の持ち味を保ち、匂いが外に出ないよう工夫されている容器です。
密封シールした後、そのまま高温加圧することで容器内の雑菌を退治します。
ジャム、漬け物、惣菜など幅広く使われています。
■トレー包装:
主に豆腐を入れる容器として使われています。
豆腐そのものを豆乳の段階で凝固材とともにパック詰めしてしまい、後から加熱凝固させ、冷却するものです。
■カップ包装:
主に味噌を入れる容器に使用されます。
バリア性に優れた包装材料を用いています。
■ポリチャック包装:
開封部分にチャックテープがついており、開封したあとでも繰り返しリクローズできます。
開封後の品質、風味をそのまま維持するため防湿性、リクローズ性が必要。
■注ぎ口キャップ付き袋包装:
キャップのついた注ぎ口を取り付けたプラスチックの小袋。
液体の漏れない密封容器、小型、計量、省資源が特性です。
高温の加熱殺菌ができて常温でも流通が可能であり、流通に耐えうる耐圧強度と衝撃強度を保ち、冷凍にも耐えられます。
■アセプティック包装:
無菌環境にて、中身と包装の殺菌を別々に行ない充填している。各種飲料、デザート等に使用されています。
■冷凍食品パウチ:
果実飲料、野菜飲料など
■オレフィン積層ボトル:
マヨネーズの容器として使われています。
「オレフィン」というプラスチックで柔軟性のあるソフトボトル(LDPE?低密度ポリエチレン?柔軟性のあるプラスチック。ソフトボトルの基材
)が作られており
絞り出しやすくなっています。
酸素を通しにくいプラスチックを挟み込んだ多層構造になっています。
(EVOH~エチレン・ビニルアルコール共重合体~)バリア性樹脂で酸素を遮断し劣化を防止する。
■PETボトル:
延伸ブロー成形により落下衝撃に強く、酸素、水分バリア性、耐熱性に強い容器。
PET(ポリエチレンテレフタレート)によって作られています。
飲料の他、酒類、調味料など幅広く使用されています。
■ラミネートチューブ:
内容物の成分、匂いを守るバリア性の高い容器。
中身がしぼりやすいようにできています。マーガリン、スキムミルク、わさび、しょうが等の調味料の他に練り歯磨き、化粧品、絵の具など幅広く使用されています。
このように、食品容器にはさまざまな特徴を持つ容器・包装が施されています。
食品は、生産されてから消費されるまでに、品質を保持し、劣化することもなく流通させなければいけません。
また、どの年齢にも、どんな状況でも扱いやすい様にユニバーサルデザインへの配慮や、環境への配慮、コストにも気を配る必要があります。
使いやすさ、保存性、バリア性、消費のされ方など、そういったさまざまなポイントを追求して作られたのが、今日私たちの身の回りにある食品容器なのです。
その食品容器、包装ですが密封包装と非密封包装に分けられます。例えば野菜類は非密封包装、プリンのカップ、牛乳パックなど一般的な食品容器には密封包装が使われています。
プラスチックの食品容器・包装は1960年代半ばからのセルフサービスを基本とするスーパーマーケットのチェーン展開により急激な勢いで普及しました。
さて、ここで問題です。