うわっなに!この部屋…。この匂いはまさか‥ | |
肉まんをパックに入れてレンジでチンしたら容器がとけちゃった‥。 | |
あ~‥それはプラスチックの見極めが出来ていなかったせいね。 容器の底を見て、電子レンジ可、不可を確かめなきゃ。 |
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え?容器が溶けるのってレンジのせいじゃなかったの? うーん、そういえば容器の底に「PS」とかあったけど、これってなに? 次世代ゲーム機? |
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突っ込みどころが多すぎるけど、まぁ、それは無視して話を進めましょう。 プラスチックにも電子レンジに入れて溶けてしまうもの、溶けない素材で出来ているものがあるの。 「PS」表示のプラスチックはレンジ加熱不可のものだから覚えておいて。 詳しくは、これから始まる「おもしろ素材、電子レンジで加熱できるプラスチックの見極め方法」を見てね。 |
プラスチック樹脂の機能の進化や加工法の向上と共に、私たちの生活の中でも、様々なプラスチックと関わるようになってきました。
スーパーやコンビニエンスストアなどで弁当・惣菜を購入し、電子レンジでチン!すると、変形してしまう場合があります。電子レンジ加熱可のプラスチックと不可のプラスチック、ように違うのでしょうか?
現代、食の多様化・核家族化・女性の社会進出などにより、スーパーやコンビニエンスストアなどの弁当・惣菜を購入される方も多いのではないのでしょうか? お弁当類はフタに電子レンジでの加熱目安時間が表示されていて、「電子レンジOK」とすぐ分かるものと、何も表示がないものがあります。 「折角の食事ですから温かいものを食べたい・・」と、実際に電子レンジでチン!(加熱)すると・・。
表示がない透明パックは1分程度で変形!焼肉のタレがたまった部分、エビフライなどの衣が付着した部分が縮んでいた・・なんて事態、皆様ご経験ありませんか?
さてさて、そもそも何故そのようなことが起こってしまうのでしょう。 電子レンジで加熱しても変形しない容器、変形してしまう容器、一体どのように違うのでしょうか? 今回は、ズバリ “見極めるコツ”をお教えしちゃいます。 弁当・惣菜に使われるプラスチック容器は次の二つが代表的です
弁当・惣菜に使われるプラスチック容器は次の二つが代表的です。
(1) ポリスチレン(PS)製。 |
耐熱温度は70~90℃前後。電子レンジは基本的に不可。(耐熱性を高めた電子レンジ可のものもある) |
(2) ポリプロピレン(PP)製。 |
耐熱温度は110~130℃前後。電子レンジ可。 |
電子レンジはマイクロ波で食品中の水分を加熱するので、水分が多い食品は温度上昇が100℃程度でとどまりますが、油が多いと沸点が上がって100℃以上になることもあります。ちなみに変形した透明パックはPS製に多い。
では実際に身近にある製品の中からPP、PSが使われているものをいくつかピックアップし、電子レンジにかけるとどうなるか?実験をしてみまましょう。
まず、ミルクボーション。(2段目_図1)
これを3分程レンジにかけると下部分が溶け、変形しました。
では、次にカフェ・オレの容器を4分程レンジにかけてみましょう。
(2段目_図2)
フタは変形したのに対して、容器の方は全く変わっていません。
これは・・もうお分かりですね。フタがPSで容器がPPという組み合わせです。
同様に、カップ麺もフタがPS、容器がPPという組み合わせなので電子レンジに4分程かけたところ、容器は中側が少々焦げたものの原型を保っているのに対して、フタの方は溶けて小さくなってしまいました。(2段目_図3)
ちなみに、使い捨て容器では電子レンジの可否について表示義務はなく、販売店が自主的に決めていますが、最近では経済産業省の推奨で「PS」「PP」などの表示が増えています。
電子レンジ使用可が確認できない容器は、基本的に加熱しない、もしくは、チンする時も「熱く」ではなく、「温める」程度が無難かもしれません。 ですが、表示のない容器を見分ける方法をズバリ、お教え致しましょう!
卵パックを思い浮かべてみるといいかもしれません。
最近ではPPが使われている卵パックも時折見かけますが、基本、市場に出回っている卵パックのほとんどがPSです。
つぶした時に、卵パックやミルクポーションのように「パリッ」といったような音や感触がするのがPS、「モシャっ」とつぶれるのがPP。感覚的に実感していただけますか?
コンビニエンスストアに置いてある最近の弁当にはほぼPPが使われています。
ところで、今回の実験でPS製容器を5分ほどレンジにかけたところ、容器が変形しただけでなく、異臭も発生してしまいました。