提供:ヘルスビジネスマガジン社
14日、中国衛生部は、食品への添加が禁止されている医薬品が含まれているとして、次の5製品の「保健食品登録許可証書」を取り消す通告を公表した。①北京同春堂生物科技有限公司『同春堂牌苦瓜口含片』(登録番号:衛食健字(1999)第107号) ②遼寧健康偉業生物科技有限公司『苦楽康カプセル』(登録番号:衛食健字(2002)第0588号) ③山東緑因薬業有限公司『緑因牌唐平口含片』(登録番号:衛食健字(2002)第0573号) ④北京双鶴薬業股分有限公司『済世慈航牌緑源蜂?カプセル』(登録番号:国食健字G20040384)⑤北京唐康生物科技有限公司『一生牌唐楽舒カプセル』(登録番号:衛食健字(2002)第0546号)――の5製品。当該製品にはグリピジド(Glipizide)やグリブリド(Glyburide) などの糖尿病医薬成分などが含まれ、血糖値降下、めまい、肝障害などの副作用が見られる場合がある。
28日、米国立心肺血液研究所(NHLBI)は、食事で血圧を下げるための指針をDASH(食事による高血圧予防組織)と共同作成したと発表した。同指針では、塩分、脂肪分、コレステロールを控え、果物、野菜、低脂肪・無脂肪乳製品、穀物製品、魚、鶏、七面鳥、ナッツの摂取を推奨。また、具体的なアドバイスと共に簡単に実行できる次のことを勧めている。①野菜を毎食取る ②徐々に低脂肪または無脂肪乳に変え、ソーダや他の加糖飲料を減らす ③穀物食品(例:全粒粉のパン、シリアル)でミネラル、食物繊維を取る ④食品成分ラベルを見て塩分、ナトリウムが低いものを選ぶ ⑤15分の散歩から始め、徐々に時間を増やす――ことである。現在米国では成人の約1/3、あるいは6500万人が高血圧である。
16日、米疫病管理予防センター(CDC)は、健康保険および健康習慣に関する新しい2つの報告書を公表した。主な内容は次の通り。①2005年、全年齢層において4120万人(全体の14.2%)は健康保険非加入で、1997年の15.4%から減少 ②健康保険非加入の子供は1997年の13.9%から 2005年度は8.9%と大幅に改善 ③調査実施は20州にわたり、健康保険非加入率6%のマサチューセッツ州から24%のテキサス州まで格差が大きい ④糖尿病と喘息持ち人口が増加(糖尿病は人口比7.4%増、喘息は7.8%増) ⑤2005年インフルエンザ予防接種予想率は2004~2005冬季のワクチン不足を反映、しかし65才以上の接種率は回復した。
16日、世界保健機構(WHO)は環境と健康に関する報告書を発刊、多くの疾患が環境・衛生改善により予防できると指摘した。同報告書によると、全世界の 24%および5歳未満児の3割以上の疾患は環境に起因するものだと予測。「環境改善により400万人の子供の命が助かるだろう」と指摘している。環境に起因する主な疾病としては、①汚染水と不衛生による下痢(年間5800万人) ②大気汚染による下気道感染(年間3700万人) ③交通事故以外の不慮の事故(年間2100万人) ④水源・住居管理問題によるマラリア(年間1900万人) ⑤都市計画・交通システム欠陥による交通事故(年間1500万人) ⑥大気汚染や作業場の塵による慢性閉塞性肺疾患(年間1200万人) ⑦周産期の健康状態(年間1100万人)を挙げている。
米各紙報道によると、KFC(ケンタッキーフライドチキン)に次いで、有名コーヒーチェーン店のスターバックスが訴訟を起こされるのではないかとの憶測が強まっている。KFCを訴えた消費者団体は、「スターバックスが健康に良くない高カロリー・高脂肪製品を販売している」と批判。さらに、「ある飲料製品はマクドナルドのビッグマックよりも高カロリーで、飽和脂肪を多く含んでいる」と指摘している。一方、スターバックスは自社ホームページでカロリー表示をしているが、消費者団体は「それでは消費者の認識に不十分である」ともコメントしている。
米国の報道によると、14日、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)を展開する米ヤム・ブランズ社が、トランス脂肪酸を含有する調理油を使用し、消費者に対しきちんと説明していなかったとして消費者団体に訴えられた。トランス脂肪酸については、8日に米ウェンディーズがトランス脂肪酸不含有の調理油への変更を発表したばかり。
米国の報道によると、ハンバーガーチェーン店で知られるウェンディーズは8日、米国とカナダの6300店において8月から調理に使用する油を無水素添加のトランス脂肪酸フリーへ変更すると発表。これにより、チキンナゲットや子供用セットはトランス脂肪酸ゼロになり、フライドポテトで1食分7gから0.5gへとかなり減少されることになる。トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングなどの加工油脂、それらを原料として製造される食品、反芻動物の肉・脂肪などに含まれる脂肪酸の一種で、主にマーガリン、ショートニングなどの製造時に水素添加の過程において生成されると言われる。血中LDLコレステロール値を上げ、HDLコレステロール値を下げるため、冠動脈性心疾患リスクを増加させることが分かっており、米国では今年の1月1日より食品において含有量表示が義務付けされた。デンマークでは2004年1月から2%以上含有する食品の販売が禁止、米国ではマクドナルドがトランス脂肪酸の少ない調理用油に変更すると表明しながら変更しなかったために集団訴訟を起こされ、2005年2月に計850万ドル(9.5億円)を米国心臓協会などに支払うことに同意している。
6日、米国立衛生研究所(NIH)の国立小児発育研究所は、過体重の子供は標準体重の子供に比べて骨折や関節痛、筋肉痛に悩まされる傾向があると公表した。また、同研究において過体重の子供は膝の関節が変形しやすく、動きを困難にしていることが分かった。同研究は、ワシントンDC地域の355人の子供を対象に実施され、そのうち64%の227人が過体重、残りの128人が標準以下と分類された。研究者たちによると、過体重の人の方が骨密度が高くても骨折から保護することはできず、またバランスも悪いという。NIHのゼルーニ所長は、「若いうちに標準体重にしておかないと、今後より大変な経験をすることになるでしょう」と指摘した。
5日、米国立衛星研究所(NIH)の精神保健研究所は、間欠性激情障害(IED)の米国成人は1150~1600万人に上ることを明らかにした。IEDとは、根拠の無い発作的な怒りに特徴付けられる精神障害で、01~03年に米成人9282人を対象に調査が実施された。IEDの人々は一般的に10代前半に症状が表れ、経済的困難や離婚などの外的要因によりうつ、不安、アルコール、薬物乱用の傾向が増加することが研究で示唆されている。学校で暴力予防プログラムを組むなどの早期発見と治療が望まれている。
6日、米FDA(食品医薬品局)/EPA(環境保護庁)は、魚および甲殻類(カキ、ハマグリ、エビなど)の水銀含有に関する報告書を公開した。同報告書は基本的に2004年発表内容と変わりないが、今回は、妊娠可能性のある女性、現在妊娠中の女性、授乳中の女性、そして幼児に対するアドバイスが盛り込まれている。具体的には①水銀高含有の鮫、メカジキ、キングサバ、タイルフィッシュを食べない ②水銀低含有のエビ、缶ツナ、サーモン、ポロック、マナズなどを選び、1食分170gを目安に週2回食べるようにする ③湖・川・沿岸で釣った魚は地域のアドバイザーのチェックが必要。アドバイスが得られない場合は、食べても良いが週1回にし、その週はそれ以外の魚介類は食べない ④幼児には上記①~③に従い、量を少なくする――ことが挙げられている。しかし、魚介類は心臓に良く、子供の発達に欠かせないものであることから、水銀摂取のリスクと同時にそのメリットも随時一般に公開している。
FDA(食品医薬品局)は2日、外食による肥満対策レポートを公開した。同レポートでは、摂取カロリーや1食の分量を少なくすることを推奨、そのために産学官の連携が必要だとしている。具体的はに①低カロリー食品の露出増加・消費者教育など、消費者への影響を理解する ②低カロリー食品・メニューを増やす ③消費者に栄養情報を提供する――ことを推奨している。米国では食費の46%が外食であり、摂取カロリー全体の32%を外食から摂るなど、日常の食生活において外食が占める割合が非常に大きい。現在、米成人の65%以上が過体重であり、30%以上が肥満のため、政府が肥満対策に乗り出している。
中国最大の香醋生産企業である江蘇恒順集団有限公司は5日、都内で同社初の海外拠点となる日本恒順株式会社(大阪市北区)設立に関する記者説明会を開催。代表取締役に就任した桝谷文武氏は、日本市場での「恒順」ブランドの確立とともに「8年熟成・恒順香醋」の販売体制の強化に努めていくとあいさつした。なお、1840年の設立以来、160年以上の歴史を持つ江蘇恒順社は、企業規模・生産能力・市場シェアの全てにおける中国最大の香醋メーカーで、香醋の世界市場におけるシェアは約80%、日本におけるシェアは約90%。そのほかにも調味料、酒類、食品、製薬など幅広い分野に進出し、現在ではグループ企業 100社以上、総売上700億円以上、総資産20兆円以上という中国でも有数の国営企業群。