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米国立衛生研究所(NIH)および米疾病予防対策センター(CDC)が1988~1994年と1999~2002年の2つの期間に行った調査結果によると、米国で糖尿病と診断された20歳以上の成人の割合は5.1から6.5%に増加、また米国成人の2.8%(糖尿病患者の3分の1)は自分が糖尿病だと気付いていないことが分かった。同調査結果は、米国糖尿病協会が発行するジャーナル「ダイアベティス・ケア」誌6月号に掲載。それによると、II型糖尿病が糖尿病ケースの95%と診断未確定の糖尿病ケースのほぼ全てを占めており、さらに、①65歳以上の22%が糖尿病 ②20歳以上の非ヒスパニック系黒人の 13%が糖尿病で、非ヒスパニック系白人の2倍の割合 ③20歳以上のメキシコ系米国人の8%が糖尿病 ④空腹時血糖異常と診断未確定の糖尿病は女性よりも男性が約70%多く、特に非ヒスパニック系白人に多い ⑤65歳以上の40%が空腹時血糖異常で年齢とともに増える――ことが分かった。全米糖尿病教育プログラム長のラリー・ブロンド氏は、「重要なのは自分が糖尿病予備軍あるいは診断未確定の糖尿病なのかを知ることだ」としている。
米国立衛生研究所(NIH)の関連機関である国立小児保健発育研究所は、11~13歳の子どもを対象に、メディアに影響されない健康的な食物選択を教育するプログラムを開発した。同研究所のアレキサンダー所長は、幼児期に始まり10代で定着した食習慣は一生涯続く可能性があるため、早いうちに改善すべきだと指摘。データによると、米国の11~14歳の子どもはテレビやPC、ゲームを含め1日7時間近くメディアを利用しており、毎日メディアから膨大な数のメッセージに触れている。同プログラムは、①テレビCMや新聞広告などメディアに対する目を養う②CM、広告などメディア・メッセージを実際に作成する③ 栄養成分表示の見方など情報に基づいた食物の選択方法④日常の運動――の4分野を主とし、楽しみながら学べるようになっている。
同プログラムホームページ:http://www.nichd.nih.gov/msy/
米FDA(食品医薬品局)は19日、発がん物質として知られるベンゼンの飲料中含有量の調査結果を同局ホームページに公表した(調査は05年11月~06 年4月20日に実施)。同調査は、FDAの食品安全応用栄養センター(CFSAN)主導で実施され、メリーランド州など3州の小売店から100種以上の飲料を集めて分析。その多くはボトル飲料水の基準・5ppb以下であったが、4製品は基準をオーバーしていた。現在、米国内でベンゼン含有量規制があるのはボトル飲料水のみ。今回の調査は、05年11月に安息香酸塩類とアスコルビン酸(ビタミンC)を含む清涼飲料水のいくつかに低容量のベンゼンが認められたという民間の調査報告を受けて行われたもの。FDAによると、これらベンゼンの含有量はさまざまな状況下で変化し、同ロットの製品でも異なることがあるため、今回の調査結果が消費者の製品選択に影響を及ぼすべきではないとしている。また、調査で5ppb以上が認められた製品も、再配合によって含有量が 1ppbに変化したものもあったとしている。FDAは、消費者向けに飲料中のベンゼン含有についてのQ&Aをホームページに同時掲載し、「飲料業界全体で製品内のベンゼン含有量を最小限にするために努力し、FDAも調査を継続する」としている。
*ppb = 10億分の1。
FDA同調査に関するホームページ:http://www.cfsan.fda.gov/~dms/benzdata.html
消費者向けQ&A:http://www.cfsan.fda.gov/~dms/benzqa.html
15~16日の2日間、NIH(米国立衛生研究所)関連機関の主催でマルチビタミン・ミネラルの安全性および効果の検証が行われ、マルチビタミン・ミネラルの慢性病予防効果については証拠が充分でないため、今後も科学的研究が必要であると結論付けた。また、①妊娠適齢期の女性が葉酸を摂取すること、②閉経後女性が骨強化のためにカルシウムとビタミンDを摂取すること、③老化に伴う黄斑変性症の非喫煙者が早期段階で抗酸化物質と亜鉛を同時に摂取すること―― は推奨し、一方、βカロテンサプリメントの有効性の証拠は不充分で、喫煙者の摂取は肺がんリスク増加につながる可能性があるため避けるべきだとした。
米連邦食品医薬品局(FDA)は9日、伊藤園米国法人が申請していた緑茶と心疾患の限定的健康強調表示に対し、充分な科学的証拠がないと却下した。同社は、最低150ml/日の緑茶摂取が心疾患のリスク低減に効果があるとして、2005年7月に申請していた。