ダイエット健食の広告事例の4回目です。女性ばかりか男性層にもダイエットへの関心が広がっています。多くの広告が目に触れる中、表現のインパクトを求めるあまり、違法な表現も目に入ります。表現には十分に注意しましょう。今回もその具体的手法を解説していきます。 はじめに広告事例(修正前)の表現の良し悪しを十分に検討し、次に解説をじっくり確認して下さい。
広告事例
以下のようなダイエット系サプリメント健康食品:「サプリZ」の広告があったとします。
<広告事例(修正前)>
理想のボディ作りに役立つ「サプリZ」!
ストレスもたまるダイエット時は、ハリや潤いが不足することも…。
「サプリZ」は、注目の美容成分××が毎日の「美」をサポートします。
フルーツ起源の自然の恵みで体調改善もバッチリです。
※ 「サプリZ」は、1日10粒を目安に、数回に分けてお飲みください。
ポイント解説
【表現検証箇所】
① 「ボディ作りに役立つ」
② 「ハリや潤いが不足することも…。」
③ 「体調改善」
④ 「1日10粒を目安に、数回に分けて」
【解説】
①:「ボディ作り」というと「変える」というイメージが強いのでNGです。
②:「ハリや潤い」が肌のことを言っているとしか取れない場合はNGですが、ここでは生活のこと、つまり「ハリのある生活」「潤いのある生活」ともいえるので NGです。
③:「改善」は身体の変化をいう事になるので、NGです。「改善」は医薬品的表現になります。ここでは「管理」と言い換えればいいでしょう。
④:医薬品とみなされる判断基準は4つあります。そのうちの1つが「用法用量」です。用法用量の指定がNGとなるのは、それが医薬品で使われる表現であるため誤認の恐れがあるとされるからです。この例の場合、医薬品では「何々を目安に」という書き方は絶対にしないので、OKとなります。「1日10粒を2回に分けてお飲みください」ですとNGになりますのでご注意ください。
修正後の広告>
以上の問題点を踏まえて修正後の広告を作成すると次のようになります。
<広告事例(修正後)>
理想のボディを目指して! 「サプリZ」
ストレスもたまるダイエット時は、ハリや潤いが不足することも…。
「サプリZ」は、注目の美容成分××が毎日の「美」をサポートします。
フルーツ起源の自然の恵みで体調管理もバッチリです。
※ 「サプリZ」は、1日10粒を目安に、数回に分けてお飲みください。
まとめ
以上、今回もダイエット広告の事例をもちいて、薬事法に抵触しない表現について解説しました。いかがでしたか?
ご存知のように、薬事法は曖昧のところが多く、幅があり、担当者の主観によっては判断が違う事もある法令です。白、黒の間にグレーゾーンが存在します。そのため、正しい知識と状況判断、リスクマネジメント等が必要になります。今後、法改正が実施され環境も大きく変化する事が予測されます。厳しい競争に勝ち抜くためにも、効果的な表現について研究を進めていって頂きたいと思います。