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薬事法道場 -チラシ・パンフの作り方-

【第7回】「お客様の声(体験談)」の活用2

健康食品等をチラシ、パンフレットでお客様に訴求するに当たり、「利用者の声」「感謝の手紙」を掲載することが効果的だということは皆さん充分ご理解いただいているところだと思います。実際に使われた方の生の声は、これから使用しようかと考えている方に広告を通しての口コミ効果や親近感を与え、直接的なモチベーションとなるからです。そこで、この「お客様の声(体験談)」をどのように表現していけばよいのか、前回に続き説明していきたいと思います。

広告事例

以下のようなサプリメント「ミラクル●●」の「お客様の声(体験談)」の表現について考察してみましょう。

<広告事例(修正前)>

1年続けた「ミラクル●●」

「ミラクル●●」を服用し始めてから早や1年。朝の目覚めも良く、カゼもひかなくなくなりました。体内時計も規則正しくなり、快適な日々を過ごしております。友人にも「体に効くわよ」と話しています。

ポイント解説

【表現検証箇所】

  1. 「服用」
  2. 「朝の目覚めも良く、カゼもひかなくなりました。」
  3. 「体内時計も規則正しくなり」
  4. 「体に効くわよ」

【解説】

  1. 医薬品的表現となるため、健康食品の場合は「服用」は不可。「摂取」か「飲用」等を使うようにしましょう。因みに、「処方」という用語も医薬品で使用されるので健康食品では「配合」という用語を使うようにしてください。
  2. “「ミラクル●●」を飲み始めて早や1年”のすぐあとに“カゼもひかなくなくなりました”となると、変化が続くことで直接つながりNGとなります。ここでは、「期間と変化をぼかす手法」を使ってみたいと思います。つまり、
    NG ⇒「○○を飲んで△△年(期間)、××が◇◇になった(変化)」これだと、期間と変化が近すぎ、結局「○○で良くなった」と効能をいっている事になります。
    OK ⇒「○○を飲んで△△年(期間)。【関係のない話を間に入れる】、××が◇◇になった(変化)」これだと、期間と変化(語りたい効果)の間に、関係のない話しを挿入する事により「○○で良くなった」という論理がぼかされ、商品と効能が直接結びつきません。
    今回は子供の話しを挿入してみました。
  3. 「体内時計」を入れると、「代謝の改善」を言っているようにもとれますので、削除します。
  4. 「体に効く」はストレートに効果を表していますので、「体にいい」という表現に変更します。

修正後の広告>

以上のポイントを踏まえて修正後の「お客様の声(体験談)」を作成すると次のようになります。

<広告事例(修正後)>

1年続けた「ミラクル●●」

「ミラクル●●」を飲み始めてから早や1年。この間、孫の成長は驚くばかりで、つたい歩きも上手になりみんなを喜ばせています。朝の目覚めも良く、孫を見ているとカゼも気にならなくなりました。そして、規則正しい快適な毎日を過ごしています。友人にも「体にいいわよ」と話しています。

なお、この修正例はギリギリセーフといった表現ですので、その点十分ご注意していただければと思います。

まとめ

以上、今回は「お客様の声(体験談)」の事例を用いて、薬事法等に抵触しない表現について解説しました。いかがだったでしょうか?

今回は、単なる「言い換え」だけでなく、「期間と変化の結びつきをぼかす」という手法を紹介いたしました。文字の壁で、期間と変化(効果)の関係を遮断するのです。 もちろん、間に入る“関係のない話”もできるだけ違和感の無い様セレクトしていただきたいと思います。

「因果関係の切断」を始めとしたライティング技術も、ぜひおさらいしていただきたいと思います。

冒頭にも申し上げましたが、体験談は、わかり易く第三者の商品評価としてある意味口コミにも似た大きな効果が期待できるものです。効果的な、且つ適切な表現・手法で、製品の良さ・強みをアピールしていきたいものですね。

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