健康食品等をチラシ、パンフレットでお客様に訴求するにあたり、「利用者の声」「感謝の手紙」を掲載することが効果的だということは皆さん充分ご理解いただいているところだと思います。実際使われた方の生の声は、これから使用しようか、と考えている方に直接的なモチベーションとなるからです。そこで、この「お客様の声（体験談）」をどのように表現していけばよいのか、説明していきたいと思います。
広告事例
以下のようなサプリメント「××A」の「お客様の声（体験談）」の表現について考察してみましょう。
<広告事例（修正前）>
家族で愛用「××A」
「私と主人と母の３人で愛用しています。主人は営業職で飲む機会が多いのですが御社のサプリメント『××A』を飲み始めてから『二日酔い』がなくなったといい、飲み忘れると胃の調子が悪くなるのがわかるそうです。高血圧の母は、薬を飲まなくてもいい位、血圧が安定しました。
ダイエットにも期待でき、家族で『××A』を手放せなくなっております」
ポイント解説
【表現検証箇所】
(1) 「二日酔いがなくなった」
(2) 「胃の調子が悪くなるのがわかる」
(3) 「高血圧の母は、薬を飲まなくてもいい位、血圧が安定」
(4) 「ダイエットにも期待できる」
【解説】
(1)： 「二日酔いがなくなった」という表現は身体の不調について変化を述べる事となり、厚労省がNG表現の例として挙げています。ここの表現は「安心してお酒が飲めるようになった」というようにぼかしたものにすると問題がなくなります。
(2)： 「（「××A」を）飲まないと胃の調子が悪くなる」というような具体的な体の不調を述べることはできません。ここの表現は、「体が重くなる」か、もう少し胃の表現をしたいのであれば「ご飯もおいしく感じなくなる」としてみましょう。
(3)：「高血圧の母は、薬を飲まなくてもいい位、血圧が安定しました」という表現は、疾病と結びつけた表現・具体的な健康改善を示しNGです。ここは「高血圧の母が気に入っている」という文脈にし、飲みやすいから気に入っているとも取れるロジックを組み立てます。
(4)：「ダイエットにも期待できる」は気になるところですが、これはOK表現です。ダイエットに関しては、体質改善やメカニズムについての表現はNGですが、単に「ダイエット」「痩せる」「太らない」ということはOKです。
修正後の広告>
以上のポイントを踏まえて修正後の「お客様の声（体験談）」を作成すると次のようになります。
<広告事例（修正後）>
家族で愛用「××A」
「私と主人と高血圧の母の３人で愛用しています。主人は営業職で飲む機会が多いのですが、御社のサプリメント『××A』を飲み始めてから安心してお酒が飲めるようになったといい、飲み忘れるとご飯もおいしく感じなくなるのがわかるそうです。母も気に入っています。
ダイエットにも期待でき、家族で『××A』を手放せなくなっております」
まとめ
今回は「お客様の声（体験談）」の事例を用いて、薬事法等に抵触しない表現について解説しました。いかがだったでしょうか？
冒頭にも申し上げましたが、体験談は第三者の商品評価としてある意味口コミにも似た大きな効果が期待できるものです。適切な表現で製品の良さをアピールしていきたいものですね。 なお、今国会で６月８日薬事法改正案が成立いたしました。今後さまざまな形で具体的な施策が提示されていくと思われますが、正確な情報を早く入手できるよう常にアンテナを磨いておいて下さい。
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