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薬事法をひもとく

【第4回】行政指導について(2)

行政事例

前回は行政指導の概要について解説しました。実際には行政指導例などを公表している都道府県もあります。今回は行政指導の所轄と具体的な行政指導例を解説します。

1.行政指導例の所轄
行政指導を行う権限があるのは本店所在地の都道府県庁です。したがって、大阪に本店のある会社のチラシが東京で配られ、それが都庁に持ち込まれて都庁が薬 事法違反と判断したとしても、都庁はその会社を直接指導することはできません。よってこのような場合には都庁は大阪府庁に指導するよう要請します。最終的 に指導するかどうかを決断するのは大阪府庁になります。
実際は都庁と大阪府庁では判断基準が異なるので、結局大阪府庁が指導しないということもよくあります。
ちなみに最近の愛知県庁は大変厳しいといわれています。

2.行政指導の例
前回も述べましたが、東京都では年2回健康食品について試買調査を実施。違反していた製造者、輸入者、販売者に対しては改善指導を実施しています。
以下に都庁が平成17年2月21日に発表した平成16年度第2回の試買調査結果の概要を公表します。

実施機関 東京都福祉保険局及び生活文化局
試売対象 健康食品79品目
内訳: 都内の薬局・薬店、百貨店等の健康食品売場で店頭購入(42品目)
  インターネットなどの通信販売による購入(37品目)
試売期間 平成16年10月18日~11月5日の期間
調査結果 試売した79品目中関係法令に違反又は違反の疑いがあるのは67件
内訳: 薬事法に抵触する表現は34件
  食品衛生法に抵触する表現は9件
  健康増進法に抵触する表現は29件
  JAS法に抵触する表現は40件
  景品表示法に抵触する表現は45件
薬事法に抵触する表現例 ・脂肪を落とす
・老化防止・ボケ防止
・滋養強壮サプリ
食品衛生法に抵触する表現例 表示が全くない。製造者住所・氏名の表示がない。輸入者住所の表示ない等。
健康増進法に抵触する表現例 ・余剰カロリーを吸着、ゲル化し、腸への吸収を抑制する働きがあります。
・厚生労働省が指定する特定保険栄養食品成分ですのでその安全性および有効性についてはご安心ください。
JAS法に抵触する表現例 JAS法で定める一括表示がない。表示項目が足りない。名称が一般的でない。
景品表示法に抵触する表現例 ・飲むだけで禁煙できる
・国内最強ナイトライフ商品
・天然成分のみを使用しておりますので体に心配ございません
※参考URL:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/news/2005/event2005.html
(東京都2005年度報道発表資料:「健康食品の表示に注意!」)

まとめ

特保は、今尚ハードルが高く、その割にはたいした効能は言えないと業界人は批判しており、栄養機能食品のアイテムも少なすぎると批判されています。
ビジネスでは依然として「その他の健康食品」のニーズが高いのが実情で、これをビジネスとしてチョイスした場合、伝えたい効能を如何に適法に伝えていくかが腕の見せ所となっています。

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