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薬事法をひもとく

【第13回】健食と化粧品の販促表現研究講座
「事例で学ぶ販促研究」その1

前回まで、薬事法以外の健康食品関連法令について勉強してきました。景表法、特商法、健康増進法、JAS法、食品衛生法まで見てきたわけですが。健康食品をとりまく法体系についてある程度ご理解が進んだのではないでしょうか。  さて、今回からは新シリーズとして「健食と化粧品の販促表現研究講座」をスタートさせたいと思います。実際の健康食品と化粧品それぞれの広告事例を一つずつピックアップ、添削前と添削後の広告文面をご紹介していきたいと思っています。理論を生かし、実務につなげる良いステップですので、ぜひ学習を進めて頂きたいと思います。皆様の販促表現の一助になれば幸いです。

【健康食品 篇】~アントシアニン中心に配合のサプリメントの広告です。

■ 修正前

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○○ベリーでああ、すっきり!

「○○ベリー」はビルベリーから採取したアントシアニンを中心に、健康維持に

効果のある成分を配合した、今注目のサプリメント

こんな症状はありませんか?

   :

  パソコンの画面がちらつく

     :

  大事な手紙が読みづらい

     :

  リモコンのボタン操作が怪しくなってきた

     :

  カメラのピント合わせがうまくいかない

     :

  バスの停留所で行き先表示が判読できない  ………

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さあ、この文章を皆さんどう思われますか? 何気ない文章のようですが、この中には修正が必要な箇所が5箇所あるのです。次に添削後の文面をお見せいたしましょう。

■ 修正後

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「○○ベリー」はビルベリーから採取したアントシアニンを中心に、健康維持に

良い有用成分を配合した、今注目のサプリメント

こんな②ことはありませんか?

   :

  パソコンの画面が③つらい

     :

  ④趣味の読書が億劫に

     :

  リモコンのボタン操作が怪しくなってきた

     :

  カメラのピント合わせがうまくいかない

  ⑤ -----------------------------------………

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いかがでしょうか。赤字の部分が修正点で、添削がかかった所になります。

では、簡単に説明していきましょう。

①「効果のある」→「良い有用」として下さい。まさに効能効果を述べる事になっているためです。

②「症状」→「こと」にしましょう。「症状」は医療用語であり、医薬品との誤認を与えるためです。

③「チラつく」→「つらい」と変更します。「チラつく」は目の症状の具体的なものと取られますのでNGになります。

④「大事な手紙が読みづらい」→「趣味の読書が億劫に」または、「だんだん活字から離れていくようになった」として下さい。これも目の症状の具体的なものと取られますのでNGです。

⑤「バスの停留所で行き先表示が判読できない」→これは削除して下さい。これも目の症状の具体的なものと取られますし、他の言い換えがきかないためです。

【化粧品 篇】~医薬部外品の薬用美容液の広告の一部です。

■ 修正前

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10種類以上もの混合ハーブ抽出エキスを贅沢に詰め込み、3ステップの徹底美白を実現!「日焼けによるシミの元凶メラニン生成を抑制」→「メラニンを含む古い角質をスムーズに追い出す」→「肌そのものを白く美しい状態へ」と、今あるトラブルはもちろん、シミを作らせないよう働きかけ、必要な美白ケアが、ナントこれ1本で完了する優れもの!

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美白の表現については、いわゆる「美白」「ホワイトニング効果」等の表現は薬事法では許されていません。これらの字句を用いる際には、次の説明を付記しなければなりません。

医薬部外品 ⇒①メークアップ効果により肌を白く見せる旨。②メラニン色素の生成を抑えることにより日焼けを起こしにくい旨

化粧品 ⇒メークアップ効果により肌を白く見せる旨

健康食品 ⇒「美白」等の「肌」に対する効果を示す表現は一切使用不可。

以上を踏まえて、添削後を見てみましょう。

■ 修正後

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10種類以上もの混合ハーブ抽出エキスを贅沢に詰め込み、3ステップの徹底美白を実現!「日焼けによるシミの元凶メラニン生成を抑制」→「日焼けを起こしにくくする」→「肌そのものを白く美しい状態へ」と、今あるトラブルはもちろん、日焼けによるシミを作らせないよう働きかけ、必要な美白ケアが、ナントこれ1本で完了する優れもの!

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「シミの元凶メラニン生成を抑制」は上記の医薬部外品の表現としてOK。「日焼けによるシミを作らせないよう働きかけ」もシミを防ぐがOKなのでOKです。下線の部分は、添削前の表現ですと既にあるメラニンをどうこうするということですので、NGとなります。ここは、許された表現である「日焼けを起こしにくくする」とします。既にあるメラニンに触れたいのであれば「メラニン」をはずし「古い角質ケア」とします。

以上、事例を2つ説明して参りました。

皆さんが実務で使われるのは、生きた文章であり、その表現を考えるには基本的な表現知識(言い換えの手法や因果関係の切断 等)と多くの経験が必要です。審査の厳しい中で許された新聞広告の表現や信用あるセミナーやメルマガ等で学習した表現、その引出しをいかに多くもっているかが決め手になります。「学習の眼」を持つ意識を忘れずに、今後もがんばって頂きたいと思います。

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