エビデンスを取得するために、どのCROを選ぶべきなのか。各CROの特徴をつかむために、各社の紹介を行う。第1回目の今回は、今年の5月に敷地面積 2700㎡に及ぶ、安全性研究部、変異原性研究部、化学検査部、信頼性保証室から成る群馬県渋川市に新ラボラトリーを建設したばかりのSRD生物センターの渡辺宏生常務取締役に話を聞いた。
渡辺 そうです。当社では、最大収容能力としてラット900匹、モルモット420匹、ウサギ150匹を飼える施設を持っています。特に、化学物質安全性データシート作成のための刺激性試験については、常時動物を準備しており、速やかな対応が可能です。
渡辺 医療機器と化粧品が中心ですが、最近、健康食品の90日間の反復毒性試験(ラットを 使った安全性試験)への問合せが増えています。トクホの安全性試験が90日間の安全性試験なので、それに準じているのでしょう。健康食品業界の意識が高 まっているのを感じます。また、今年3月の新たなGLP施行以来、医療機器の問合せも増えています。
渡辺 健康食品の場合、単回の毒性試験は数十万円から、30日間の反復毒性試験は400~500万円、90日間の反復毒性試験は800万円前後となっています。 安全性試験にはほかに、発ガン性を調べる変異原性試験があります。そのほかアレルギーに気をつける必要があると思います。有効性試験は、クライアントから は200万円程度で行ってほしいと依頼されるケースが多くなっています。
渡辺 最低2週間、長くて3ヵ月かかります。主に肥満を中心に対応しており、例えば1ヶ月間、ラットに食品を摂取させて、脂肪の量を測定する試験を行います。ほかに、抗コレステロール、抗高血圧症、滋養強壮などのスクリーニング試験を行った実績があります。
渡辺 化粧品と医療機器の場合は、試験項目はかなり共通しております。単回の毒性試験、刺激性試験、感作性試験、変異原性試験がセットで、GLPの場合、500万円以上、非GCPの場合、400万円から試験できます。期間は、4ヶ月程度かかります。
渡辺 臨床試験の担当で無いのでわかりませんが、トクホの場合は商品によりプロトコルが大幅に変わってきますので、話が具体的でないとはっきりしたことは申し上げられません。
渡辺 価格に優位性があると思います。価格の優位性は、弊社が受託する分野を絞る事により実現しています。新ラボラトリーの稼動により、ここ1-2年の間に、健康食品関連の前臨床受託で1億円の売上を見込んでいます。
▲新しく稼動した新ラボラトリー | ▲刺激性試験のために動物を常備 |