~特別な許可や関係する法律は~
「健康食品 製造(受託、OEM、ODM)」の定義とは?
普通の食品より健康に良いと称して売られている健康食品(栄養補助食品、サプリメント、ドリンク、機能性食品、マルチビタミン、特定保健用食品、栄養強化食品、お茶、健康茶など)を製造している企業のことを指します。受託製造、受託生産、OEM、ODM、PBなどとも呼ばれることがあります。
◆受託製造とは?
製品が出来上がるまでの一部を引き受けて製造することをいい、製品を作るだけのところもあれば、企画や開発から請け負う企業もあります。
◆受託生産(OEM)とは?
「Original Equipment Manufacturing」の略。受託側は、企画や開発には携わらず生産のみに専念します。分業することにより、専門性がより高くなるというメリットがあります。
◆ODMとは?
「Original Design Manufacturing」の略。デザインから生産までを請け負います。そのため、製造の各パートでの伝達漏れなども防止でき、試作と検証の繰り返しもスピードアップが期待できます。
◆PBとは?
「Private Brand」の略。「PB商品」とも呼ばれ、企画販売側の立ち位置になります。小売店や卸業者が独自ブランドとして企画販売を行い、OEM、ODMに製造を委託します。
健康食品の保健機能食品の定義とは?
健康食品のうち国が定めた基準(安全性・有効性)などに従って機能性が表示されている食品を「保健機能食品」といいます。そして、保健機能食品は以下の3種類に分類されています。
- 特定保健用食品(個別許可制)
- 栄養機能食品(自己認証制)
- 機能性表示食品(届出制)
その他にも、健康食品にはサプリメントや栄養補助食品、健康補助食品や自然食品などがありますが、保健機能食品のように機能性等を表示することはできません。
健康食品・サプリメントが出来るまで
健康食品やサプリメントなどの製造過程は、以下のような流れになります。受託製造では、このようなプロセスを経て、消費者のもとへ届けられるのです。
- 企画
- 開発
- 設計
- 生産
- 物流
- 販売
1~3のパートでは、「土台作り」で考える作業が発生します。実際に製造に取りかかる前の大切な仕組みづくりを行います。土台作りが終わったら、4のパートで「生産」に入ります。生産が完了したら、5~6のパートで消費者のもとへ届け、商品を「売る」ことになります。
受託製造では、これらのパートを大きく3つに分けられ、そのうちの一部を引き受けて製造します。4の「生産」だけを引き受ける企業もあれば、1~3の「土台作り」も含めて引き受ける企業もあります。健康食品やサプリメントが消費者のもとへ届けられるまでに、多くの企業や人々が携わっているということになります。
健康食品・サプリメントの製造や販売には許可が必要?
健康食品やサプリメントをオリジナルで開発して、新たに健康食品事業を始める場合、特に認可や許可を取る必要はありません。しかし、自社でサプリメントを製造する場合には、最寄りの市町村にある保健所から以下のような認可を受ける必要があります。
- 粉末食品製造業
- 菓子製造業
- 調味料製造業 など
また、インターネットでサプリメントの販売をする場合には、以下の資格が必要になることもありますので、取り扱う健康食品の種類には注意が必要です。
- 食品衛生法にもとづいた営業許可
- 食品衛生責任者の資格
健康食品と法律の関係性
健康食品やサプリメントは、あくまでも食品の一部です。そのため、製造から表示事項まで食品と同様の法律が関係することを覚えておきましょう。健康食品を製造して、いざ!事業を始めようという時に、法律に反しているものを販売するわけにはいきません。
食品衛生法 | 食品の安全性を確保するための法律(食品汚染や食中毒などを防止) |
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食品表示法 | 食品の表示について定めた法律(アレルゲンの有無や栄養成分、添加物、遺伝子組み換え、原産地、製造社名などを表示し、誤った食品選びを防止) |
健康増進法 | 国民の健康増進を図る法律(生活習慣に関する知識の普及や受動喫煙の防止など) |
医薬品医療機器等法 | 健康食品は医療品ではないことを明確にする法律 |
景品表示法 | 広告表示に関する法律(誇大・虚偽表示や過大な景品の提供を規制) |
特定商取引法 | 消費者の利益を守る法律(違法・悪質な勧誘行為等を防止) |
健康食品のコンセプト例
健康食品の商品開発について、以下のコンセプトから原料(素材)を決めていくという手法もあります。ほんの一例にはなりますが、参考にしてみてください。
- 美容系(美肌、美白、アンチエイジング)
- 抗メタボリック系(ダイエット、食欲抑制、内臓脂肪の低下)
- 関節系(関節症改善、膝関節痛改善、軟骨再生促進)
- 抗酸化系(抗酸化作用、老化防止、メラニン合成阻害)
- 抗高血圧系(血圧降下、血流改善、高コレステロール抑制)
- 免疫系(免疫力の強化、新陳代謝活性化、肝機能改善)
- 滋養強壮系(慢性疲労改善、精力増強、生活習慣病予防)
- 快眠系(睡眠改善、リラックス効果、抗ストレス作用)
- 視聴覚系(視力回復、視覚機能改善、眼病予防)
- 女性の健康系(更年期障害改善、PMS障害改善、尿路感染予防)
健康食品の形状とメリット
健康食品の形状も、消費者にとって重要なことです。摂取しやすいかどうかだけでなく、原材料に最適な剤形を選ぶためにも、それぞれの特徴を見ていきましょう。
◆ゼリー・スティックゼリー・ジュレ
服用1回分に分包されているため、持ち運びに便利で扱いやすいのが特徴です。また、アルミ包装材は、遮光性に優れているので、光に弱い素材の商品化に向いています。錠剤やカプセル剤に比べて、様々な有効成分を一度に摂取できるのもメリットと言えるでしょう。
- 水なしで手軽に摂取可能
- バラエティに富んだ味や食感を楽しめるのでお子様にも最適
- 嚥下困難な方でも飲み込みやすい
◆錠剤
コンパクトなつくりで場所を選ばず持ち運びやすいのが特徴です。形状も、通常の丸型以外にも三角型やフットボール型など、種類やサイズが多くあります。錠剤に文字を加えることも可能です。
- 錠剤は他剤形に比べ、比較的安価にOEMが可能
- コーティングすることで薬剤の臭い・味を軽減
- 錠剤を飲み込むのが苦手な方には、舐めて溶かすものや噛み砕いて使えるものもある
◆顆粒・スムージー
顆粒は、粉末で溶けづらいものを溶け易くするため、粒子の大きさを揃えたものです。様々な粉末成分を混合して粒形を揃えることにより、飛散を抑え、水への溶解性を高めることができます。また、体内での吸収性に優れていることも特徴の一つです。
- スムージーは、有効成分を一度に多く摂取することができ吸収効率が高いのでダイエットに最適
- 咳き込んでしまうような粉末原料も造粒することで飲みやすくなる
- 粒数を多く摂取するような負担を軽減、顆粒は大容量の摂取が可能
◆トロミ・ペースト形状
ゼリーは固まらせるために、粉末原料を多く配合できません。しかしながら、トロミ飲料やペーストで製品化すれば機能性成分の高配合製品が可能になります。トロミ・ペースト形状は直接舌で味わうので、美味しさや食べやすさも消費者に選ばれる理由となります。
- 水なしでそのまま摂取できる
- 手を汚さずに飲めて持ち運びも簡単
- ペーストの軟らかさも調節可能
◆粉末
スムージーやシェイクなどに溶かして使用される形状です。大量に粉末を使う場合には、ゼリーや粒(打錠)では製品化できません。水で飲む場合や粉末に味をつけて水なしでも口の中で溶かして飲む場合があります。
- 1回分ずつ個包装分包されていて飲みやすい
- 飲み方は様々(水で飲む、スムージー等で飲む、そのまま飲む)
◆ソフトカプセル
オイル素材をゼラチン皮膜で包み成型される形状です。粉末素材は、1%~くらいしか配合できないので不向きです。ソフトカプセルは、アルミ袋やガラス瓶、プラスチック容器に入れることができます。
- カプセルのサイズや色、形や香りは自由に設計可能
- 1回分ずつ個包装分包されているものもあり持ち運びに便利
- カプセル皮膜は、密封性や安定性に優れており長期保存が可能
◆ハードカプセル
カプセルである皮膜は、ゼラチン(豚由来・魚由来)、植物由来で出来ています。香りや味が独特な原料を、カプセルで封じ込めることができるので、飲みやすいのがメリットです。ソフトカプセル同様、アルミ袋やガラス瓶、プラスチック容器に入れることができます。
- レーザーや天然素材インクによる印刷が可能
- カプセルのサイズや色、形や香りは自由に設計可能
- 味、色、臭い、光のマスキング効果が優れている
◆糖衣錠
素錠したあと、糖類または糖アルコールを含むコーティング剤でコーティングをして固めたものが糖衣錠です。健康食品原料素材によっては独特な味や香りがあり、素錠、粉末顆粒では水で飲んでも後味が残ってしまうため、飲みやすくしています。その他にも、フィルムコーティング錠、腸溶錠などがあります。
- 色鮮やかに発色するため錠剤に色を付けるのに最適
- アルミ袋やガラス瓶、プラスチック容器に入れられる
- PTPシート仕上げも可能
◆グミ
グミに健康美容素材を入れてサプリグミを作ることができ、お菓子感覚で食べることができます。1個ずつ個包装して、イベント会場でオリジナルグミとして配布することも可能。砂糖不使用にできるほか、キシリトールを配合することも可能です。
- 半円形、三角、ハート型、星型の他、オリジナルの形状も作成可能
- お菓子として親しまれているため、消費者のもとに渡りやすい
- アルミ袋やプラスチック容器に入れられる
◆ドリンク
液体原料の他、粉末素材も配合可能です。瓶だけでなく、アルミ素材のボトルやスティック分包にすることができます。また、サラサラのドリンクからトロミのついたドリンクまで、製品タイプはさまざま。有効成分、美味しさを長く保つことができ、未開封で直射日光や高温を避けられていれば2年間以上ご使用できるものもあります。
- 高濃度エキスなどを配合することで、高級感を演出できる
- 企画によって1回分、1週間分などの容量設定ができる
- 容器の強度が高く、密封性、遮光性に優れている
健康食品の容器や包装例
健康食品を入れる容器や包装には、様々な形やタイプがあります。また、商品の顔とも言える化粧箱のパッケージ制作など、製品化するまでに多くの工程があります。ただ「入れる」ための箱ではなく、消費者に選んでもらえる箱に作り上げるということも大切なことなのかもしれません。
◆化粧箱の一例
- ネコポスサイズ組立式
- ワンタッチ式
- 紙管ケース
- 身・フタ一体型組立式
- フタ・身組立式
◆ボトルの一例
- ガラス瓶
- アルミボトル
- プラスチックボトル
◆アルミ袋の一例
- チャック付きアルミ袋
- チャック付クラフト袋
- チャック付透明袋
- 三方シール
- スティック
【健康食品製造でのサポート!】受託製造、OEM、ODMをお探しなら
「健康食品を販売したいけど、製造まではできない…」「販売のビジョンはあるけれど、実際どのように企画して製品化していくのかわからない…」なんて事もあるのではないでしょうか。
自社でサプリメントの製造を一から行うとなると、最寄りの市町村にある保健所から認可を受ける必要があるなど、時間と手間がかかります。そんな時には、企画開発から設計までを委託し、健康食品の製造をしてもらうというODMや、製造のみを委託するOEMという方法があります。
健康美容EXPOでは、このようなお悩みも解消すべく「健康食品製造(受託製造、OEM、ODM)」ページを常時掲載しています。健康食品の製造を委託して、パッケージから製品まで全ての製造が可能な企業や製品の中身やパッケージだけを製造する企業など、目的に合ったパートナー企業を検索して頂けます。是非、健康美容EXPOのビジネスマッチングをご活用ください。